高齢出産のリスクやメリットを徹底解説!初産が若い方がいいわけは?


年々増えてきていると言われる高齢出産。年齢が上がるほど妊娠や出産は難しくなりますが、「自分の子供を生み育てる喜びを味わいたい」という気持ちは、年齢に関わらず多くの人が持っているのではないかと思います。日本では、2012年に女性の初産平均年齢が30才を超えています。
具体的に何歳からが高齢出産で、出産年齢が上がるとどのようなリスクがあるのかなどについてをしっかりと知っておきましょう。今、妊娠を望んでいる人も、いつか生みたいと思っている人も正しい知識を身につけましょう。
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高齢出産は何歳から?
1993年までは高齢出産は30歳以上で出産、とされていましたが、年々高齢化が進んでいることもあり1994年以降は30歳から35歳に年齢が引き上げられました。さらに厚生労働省の初産、経産合わせての出産数の統計では、40歳以上の出産数が年々増加しています。(出典:厚生労働省ホームページ)また、50歳以降の出産を超高齢出産と言います。
これは、働く女性が増えたことや晩婚化が進んだこと、また不妊治療が発達したことなどが影響していると言われています。
高齢出産、静脈瘤になって大変だった〜!体力的にはキツイけど、いい面もあると信じて子育て中。#201617baby_over35
— ラッコママ医 (@oova_net) 2017年6月16日
3月末に43歳で高齢出産。思っていた以上に子育ては大変。老体にムチ打って頑張っていたら、扁桃腺が腫れて熱が出た。初ツイートで記録。仕事休みの旦那が子供をみてくれているので助かる。今日は休ませていただきます。すまぬ。
— 猫六 (@neko6_1224) 2017年6月16日
高齢出産で考えられるリスクは?
では、35歳以降で妊娠したり出産する場合にどのようなリスクがあるのでしょうか。理屈の上では、閉経するまで妊娠が可能ということになりますが、様々な理由で妊娠自体が難しくなったり、胎児が育ちにくかったり、難産になりやすくなったりします。
卵子の数が減り老化して妊娠の確率が下がる
一人の女性が持っている卵子の数は、生まれた時から決まっています。胎児の時には卵子は約700万個あり、生まれてくる時には100万~200万個にまで減ってきます。そして初経を迎えるころには30万個にまで減ってしまいます。その後、一生卵子は増えることはありません。そして閉経する50歳前後には殆どの卵子が消失してしまうと言われています。
妊娠しが難しい人の割合は25歳では3.5%程度ですが、35歳になると11%、40歳では33%と30代から徐々に上がっていきます。50歳では90%以上の人が妊娠しにくくなります。
また、加齢に伴い卵子も老化するので受精しにくくなったり、受精しても育つのが難しくなったりして、切迫流産や切迫早産などの確率が高くなります。
卵子の老化はゆっくりだんだんと長い年月をかけて少しずつ進行していきます。35歳になったからといって卵子の老化が急に進むのではありませんが、少しずつ妊娠しにくくなっていきます。
排卵回数が減る
加齢によって女性ホルモンの分泌が減ってくることで、排卵回数が減ってきます。たとえ月経が毎月あっても、無排卵月経が多くなってくるのです。
卵子の老化や排卵回数の減少以外にも子宮筋腫や内膜症などの婦人病や、様々な生活習慣病が増えてくることも、更に妊娠を難しくするのです。
染色体異常児が生まれる確率が高くなる
卵子や精子が老化することで、染色体に異常が起こりやすくなります。そうなると、染色体異常児が生まれる確率が高くなります。ダウン症などの染色体異常の子どもが生まれる原因は父親よりも母親からの影響が約8割と言われています。
例えば、25歳でダウン症の赤ちゃんを出産する割合は1,250人に1人ですが、35歳になると385人に1人となり、40歳では106人に1人と上がっていきます。
(「不妊に悩む方への特定治療支援事業等の あり方に関する検討会」ワーキンググループ 報告書参考資料)
最近は、出生前診断と言って、赤ちゃんが生まれる前に染色体異常や奇形の有無を調べる検査が行えます。羊水穿刺や超音波検査などによって、赤ちゃんの病気や奇形の有無を出産前に診断する方法です。ただし、出生前診断は本来赤ちゃんの状態を観察や検査して、生まれる前に赤ちゃんに治療や投薬を行ったり、出生後の赤ちゃんの治療の準備をしたり、赤ちゃんについての情報を親に提供することが目的です。
決して異常児を排除するための検査ではありません。検査を受けるかどうかは専門的な知識を持った医師としっかり話し合い、夫婦間でも話し合って決める必要があります。
妊娠高血圧症候群になりやすい
高齢で妊娠すると母体にもリスクがあります。血圧が高くなったり尿にたんぱくが出たり、また全身がむくんだりするいわゆる妊娠高血圧症候群になりやすくなると言われています。妊娠高血圧症候群は、以前は妊娠中毒症と呼ばれていました。妊娠高血圧症候群になると、帝王切開になるケースも増えます。
流産が増える
20代での流産率は1割くらいなのに対して40代では2割くらいに上がると言われています。妊娠しにくいのと同じで、卵子の老化により妊娠期間を頑張れる卵子が少なくなってしまうことが一因と言われています。
難産になる場合も増える
出産のリスクもあります。高齢で出産するほど、産道が硬くなって骨盤も開きにくくなるので、難産になるリスクも増えるのです。他にも、妊産婦死亡率や周産期死亡率が最も低いのは20代で、それ以降は上がっていきます。
また、初産の年齢が上がるということは、月経があるのに妊娠しない時期が長くなることとイコールなので、体が妊娠しないものと認識して卵巣が小さくなってしまい、妊娠しにくくなると言われたりもします。
女性の妊娠力が低下し始めるのがだいたい33歳頃からとされていることを併せて考えても、早く出産するのは母子共にとってリスクが少ないと言えるでしょう。
不妊治療も早い方が妊娠しやすい
そうは言っても、人それぞれ人生のプランがありますよね。仕事の目処がたつまでは妊娠を控えたい時期があったり、パートナーとの話し合いによって妊娠を望まない時期があったり。「そろそろ子供を持ってもいいかな」というタイミングはいろいろです。また、妊娠したいと思っていても、なかなかできない場合もあります。
最近は不妊治療もだいぶ発達してきていますが、それでも治療を始める時期も早めの方が、やはり妊娠する確率は高くなります。不妊治療を35歳から40歳ぐらいまでの間に開始した場合、4割ぐらいで妊娠できますが、40歳以降の場合は約1割になってしまいます。
▼不妊治療に関してはこれらの記事でも詳しく書いています。希望を持って治療を続けていくこと、諦める決断…しっかりと考えて夫婦で答えを出してくださいね。
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高齢出産にはメリットもあります!
なんだか高齢出産にはリスクが多く、若いうちに生まなければいけないような気分になってしまうかもしれませんが、そんなことはありません!高齢出産だからこそのメリットもあるんですよ。
ゆとりを持って子育てができる
30代、40代で仕事もしっかりしてきた女性だからこそ、経済的なゆとりをもって子育てをすることができます。また、精神的にも成熟しているので、心の余裕もあり子供との時間を楽しめる方が多いようです。
若返り効果もあり!
妊娠することで女性ホルモンが分泌されるので若々しくなります。
40代以降で出産した人の特徴として、同年代の女性よりも若く元気な人が多かったという話もあります。それに卵子の老化も個人差があって、見た目の若さと同様、卵子が若ければ年齢が高くても無事に出産をすることができるんです。
子宮がんの発生率が低下する
具体的な理由は明らかになっていませんが、高齢で出産をした女性は子宮がんの発生率が下がると言う説があります。35歳から39歳で出産した人は32%、40歳以上で出産した人は44%、リスクが下がると言われています。
リスクをきちんと理解した上で ベストな選択を
高齢出産には、それなりにリスクがあります。しかし、心や環境の準備ができていないのに妊娠や出産を急ぐ必要はありません。焦ることがかえってストレスとなりなかなか妊娠しにくいなんてことにもなりかねません。
出産や子育ては自分の人生にとって大きな問題です。パートナーともよく話し合い、子供を持つのか、産むのはいつがいいかなど、一番良い選択をしてくださいね。
また、妊娠力を維持するためにもバランスのとれた食事や適度な運動をして、若さと健康を維持しましょう。葉酸やマカなどを摂取するのもおすすめですよ。
年齢が上がるにつれて可能性自体が少なくなっていくことも考えて計画した方がいいね。まずは良いパートナー探しだね!みほちゃん。
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