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海外と日本の子育ての違いとは?母親に厳しすぎる日本の子育て環境

 2017/06/29 ライフスタイル 体験 ママ
この記事は約 16 分で読めます。 8,080 Views

「保育園落ちた日本死ね」という悲痛な叫びが、2016年の流行語に選ばれる程、保育園不足に悩まされている日本。育児と仕事を両立したいと考えている母親には、厳しすぎる現状です。

popolon
こんにちは。popolonです。認可保育園へ入ることが出来ず、待機児童を抱えている、または送り迎えが大変な遠くの無認可保育園に子供を預けている…という方も多いのではないでしょうか?保育園不足の件も含め、日本は他の国と比べて子育てがしにくいと言われていますが、実際はどうなのでしょうか?

今回は、日本と筆者の暮らすイギリスの子育ての違いについて迫りたいと思います。

海外の保育園・幼稚園事情

popolon
堀越編集長の3歳の娘さんは保育園に通ってるんですよね。すぐに入園出来たんですか?
bitomos編集長
いやいや、入園に至るまでうちも苦労したのよ。娘が1歳の時に認可保育園に申し込んだんだけど落ちてしまって。それで認証保育園にも申し込んだんだけど、それも入れなかったの。
popolon
認証保育園って、東京都独自の基準で許可された保育園ですよね。認可保育園も認証保育園も落ちるとは、かなり厳しい状況だったんですね。
bitomos編集長
そうそう。だから、1歳の頃はどうしても仕事に行かなければない時には一時保育を利用していたの。

その後たまたま引越しをして、運よく新居の近くの認可保育園に入れたんだけど、決まるまでは本当に大変だったわ。

JNNが関東1都3県の保育所不足が深刻な自治体を対象として行った認可保育園の申し込み状況によると、回答のあった22の自治体での2017年度の入園内定率は66%だったそうです。

内定率が最も低かったのは江戸川区で、内定率は46%というかなり厳しい結果でした。

画像引用元:東京23区保育園マップ

昨年2016年度の23区内の待機児童数を見ても、かなりの数の児童が保育園に入れていないことが分かります。

popolon
結局、保育園へ入れるのを諦めた…という方も沢山いるようです。

bitomos編集長
保育園に入れないと、最終的に働くことを諦めなければいけないことも多い…切実よね。

保育園数が足りていないのは一目瞭然ですが、新しい保育園を建設しようにも周辺住民からの反対もあったりして中々難しいのが現状です。

popolon
行政もなんとかしようとはしているようですが…みんなが満足いく状況まで改善させるには、まだまだ道のりは厳しそうです。
bitomos編集長
ところで、popolonさんの暮らしているロンドンの保育園・幼稚園事情はどんな感じなの?

popolon
イギリスでは、保育園も幼稚園も両方「ナーサリー」と呼びます。私にも3歳の息子がいるので、うちのケースと併せてロンドンのナーサリー事情をご紹介しますね!

出産前に保育園へ申し込む

イギリスで0歳児から入園出来る一般的な保育園(デイ・ナーサリー)は、日本でいう認証保育園に近く、自治体ではなく民間企業が運営しています。その為、入園の申し込みは保育園に直接行います。入園時期は決まっていないので随時申し込みをするのですが、やはり数が限られているので、通わせたい年齢ギリギリで申し込みをすると既に募集枠が埋まってしまっていることも。

そこで、絶対に通わせたい人は妊娠が発覚した時点で保育園の申し込みをあらかじめ行います。ウェイティングリストと呼ばれるものがあるので、そこに名前を載せておいてもらうことで、枠を確保出来るのです。(※低所得者向けに公立保育園も一応あるが、一般的ではないため私立保育園のシステムのみ紹介しています。)

bitomos編集長
子供が産まれる前から保育園に申し込めるのね!ちょっとビックリだけど、保育園が決まっていれば産休明けに確実に復職できるから母親には嬉しいシステムかも。

保育時間もフレキシブルで、月~水曜日は朝~夕方まで、木曜日は午前のみで金曜日は休み、なんていうのもOKです。

popolon
うちは、私の勤務形態に合わせて息子が1歳から週3で預けました。復職するか迷っていたので、保育園への申し込みは産休明けギリギリに。近所に2つ保育園があるのですが、1つは定員オーバーで入れず。しかしもう1つの所がラッキーなことに空いていたので無事に入園することが出来ました。

気になる保育料金は?

これだけ聞くと、日本よりも保育園事情に優れているように感じますよね?でもそうでもないんです。というのも、問題は保育料金。イギリスの保育料金は、とても高いのです。

地域や運営会社によって多少の差はありますが、うちの息子が通ったロンドン北部の保育料は

0~2歳児クラス 半日(8:00~13:00) 1日(8:00~18:00) 1ヶ月(1日保育×週5)
¥5,540 ¥10,218 ¥216,177

(※£1=¥138で計算)

bitomos編集長
えぇぇ!海外の保育料は高いって聞いたことあったけど、まさかそんなに高いなんて!この料金だと保育園に空きがあっても保育料を払えない人も多いのでは?
popolon
そうなんです。それで結局仕事を辞めるという母親も多くいます。ちなみに、保育園に比べると料金の安い「チャイルドマインダー」という個人宅で子供を預かってくれるところもあるので、それを利用する人もいますよ。
bitomos編集長
日本でいう無認可保育所みたいなところもあるのね。イギリスでは、ベビーシッターとかに預けるのも一般的なのかしら?
popolon
そうですね。イギリスではベビーシッターまたはナニーと言うのですが、日本よりも一般的です。経験などによって料金は異なっていて、1時間で約¥1,300と決して安くはないのですが、よく利用されているようです。

3歳から無料に!

イギリスの義務教育のシステムは日本と少し異なって、日本の小学校1年生にあたるYear 1は5歳からスタートします。その前の準備段階として、3歳からナーサリーが週15時間無料で通えます。

popolon
うちの息子はこの制度のおかげで3時間×週5でナーサリーに無料で通っています。公立小学校付属のナーサリーなので、日本でいう幼稚園に近い感じで読み書きなどの簡単な勉強もしています。

無料なのは週15時間分のみなので、フルタイムで働く母親は公立ではなく私立のデイナーサリーを引き続き利用して差額分を払うことになります。

ちなみに、無料になる時間数は住んでいる区によって異なるのですが、筆者が住んでいる区では2017年度の入学から週30時間無料になるそうです。

4歳になると、レセプションと呼ばれる小学校付属の入学準備クラスに入ります。こちらは、約6時間×週5日で公立であれば基本的に全額無料です。区によっては、給食費も無料です。

bitomos編集長
4歳になるとだいぶ母親が働きやすい環境になるのね!
popolon
そうですね。でも、イギリスの小学校は送り迎えが必須なんです。登校が8:45なので、子供を送ってから仕事へ向かうのが大変。そして放課後は18:00まで預かってくれる学童保育を利用するかナニーを雇うかなので、小学校に入ってからの母親の負担も、結局日本とあまり変わらないかもしれないですね。

海外でもベビーカーは嫌われる?公共交通事情

もう一つ、日本で問題になっていることといえばベビーカーですよね。「ベビーカーで電車に乗るな。」「通路が塞がってしまうから、ベビーカーでショッピングするな。」ととにかく邪魔者扱いで母親には厳しい現状です。

bitomos編集長
私も娘が赤ちゃんの時のお出掛けには苦労したわ。ベビーカーで電車に乗らなきゃいけない時とか、本当に肩身が狭くて…。結局、娘がだいぶ大きくなるまで、抱っこ紐で出かけることのほうが多かったな。

ロンドンはどんな感じなの?

popolon
東京と比べると、ベビーカーに対して優しいですよ。エレベーターが設置されていない駅も多いのですが、階段付近に立っていると必ず誰かが「ベビーカー運ぶの手伝おうか?」と声をかけて手伝ってくれます。

ロンドンの地下鉄・バス

ロンドンも東京と同じく地下鉄が発達しているのですが、座っていない時は畳まれるタイプの座席が各車両に大抵あるので、地下鉄でもベビーカーを置くスペースに困りません。

画像引用元:The Skibbereen Eagle

ベビーカーでバスに乗る場合は、車椅子用のスペースにベビーカーを置くことが出来ます。もちろん車椅子優先なので、車椅子の方が乗っている場合は使えませんが、それ以外は通常2台まで子供を乗せたままでベビーカーを置けます。

by popolon

ご存知のようにロンドンはバスがとても発達していて便利なので、ベビーカーを使っている母親のお出掛けの強い味方です。

popolon
私は息子が赤ちゃんの時は抱っこ紐をメインに使っていたのですが、イギリスでは抱っこ紐を使う人は少なく、タイヤのしっかりした大きいベビーカーが一般的です。大きいベビーカーでも混んでいる電車に乗ったり、ショッピングセンター内の狭い通路にベビーカーをド~ンと止めていたりする光景に初めは驚きましたが、そういう母親に対しても文句を言う人がほぼ居ないことにさらに驚きました。

泣いている赤ちゃんの文句を言う人も今のところ見た事がないです。また、妊娠中もそうでしたが、息子と電車などに乗ると積極的に座席を譲って下さいます。

bitomos編集長
日本でも、新車両の優先スペースを増やすことを義務化するってニュースを以前見たけど、もうちょっとベビーカーや子供に対して寛大になってくれたら、母親も気軽に楽しくお出掛けしやすくなるのにな~。
popolon
そうですね!ちなみに、子供とのお出掛けで私が不便だな~と思うのが、イギリスではママチャリが一般的ではないんです。

自転車というとロードバイクタイプがほとんどなので、通勤に利用する人は多くても、日本のように子供を後ろに乗せて走っている人はほぼいません。ちょっとした買い物や幼稚園の送り迎えで自転車という選択肢がないのが、ちょっと辛いですね。

bitomos編集長
確かに、都内ではママチャリは必須アイテムよね。私はママチャリがなかったら保育園の送り迎えも行けないわ!遠出のお出掛けはロンドンの方が楽そうだけど、近場の買い物は東京の方が楽そうといったところかしら。

海外の子育てスタイル

国によって、子育てのスタイルや考え方も異なります。具体的に日本と欧米では、どう違うのか比べてみましょう。

寝かしつけ

日本では、だいたい幼稚園くらいまで母親が寝かしつけをしていることが多いようです。また寝かしつけを卒業しても、寝室は母子同室という場合がほとんどですよね。

欧米では、日本でもよく知られているように、子供が小さいうちから別室で寝る場合がほとんどです。だいたい生後6ヵ月くらいから、寝かしつけを行わず一人で寝かすようになります。子供と一緒に寝ないことで、母親がゆっくり眠ることが出来るというメリットがあります。

bitomos編集長
そんなに早くから一人で寝かすのね!
popolon
早いですよね!私は、心配性なので未だに母子同寝室なんですが、確かに夜中蹴られて目が覚めたり、ゆっくり休めない時があります。

夫婦だけで外出する

日本では、子供が生まれると、夫婦でデートするという機会があまりありませんが、欧米ではベビーシッターなどに子供を預けて、夫婦だけでデートを楽しむというのが一般的です。時々、子供抜きの時間を夫婦で楽しむことで、リラックス&愛情をキープする効果があるようです。

popolon
母親をしていると、つい女であることを忘れてしまうので、たまにおしゃれしてデートをするのは良い気分転換になりますよね。

欧米では、「大人」と「子供」の線引きをしっかりとして、子供の自立を早くから促すと言われていますが、それが結果的に母親の負担を軽くしているように思います。日本の母親は、何事においても子供を優先しますが、こちらの母親は、子供を理由に自分の欲求を抑えるということをあまりしません。どちらが良いとは一概には言えませんが、頑張り過ぎてしまう傾向にある方は、欧米スタイルの子育てを参考にして少し肩の力を抜いてみて下さい。

popolon
自分の欲求を抑えないことや、楽をすることに対して罪悪感を持たない、というのもポイントだと思います!

子供を育てやすい環境とは

イギリスと日本の子育ての違いを、実体験を交えて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

bitomos編集長
いざ比べてみると、イギリスも決して子育てがしやすい環境という訳ではないみたいね。
popolon
そうですね。どこの都市にも問題は多かれ少なかれあるようですね。でもやはり、子育てに関するプレッシャーは日本に比べると圧倒的に少ないと思います。

まず妊娠~出産時に関しても、イギリスの医療システムのおかげで基本的に全て無料ですし、出産も無痛分娩が主流なので母体への負担が少なくて済みます。産後も日本のように、1ヵ月は休めということもなく乳児との外出も自由です。

先ほどもお伝えしたように、電車などで赤ちゃんが泣いていても嫌な態度を取られません。ベビー・キッズフレンドリーなカフェやレストランも多いので、母親も子連れで息抜きにお出掛けをしやすいです。日本のように、子連れだから肩身が狭いということはほぼなく、逆に子連れだから優遇してもらえることが多いように感じます。

bitomos編集長
周囲からのプレッシャーが少ないというのは、子育てをする上で重要なポイントよね。イギリスだけでなく他の国も含めて、海外の方が日本より子育てをしやすいと言われる所以が、まさにそれよね。多少不便な点があっても、周囲の人が子供に寛容だったり、子育てに協力的なことが母親にとっても子供にとってもベストな環境だと思うわ。

最近の日本における子育てのしにくさは、本当に残念でなりません。

とはいえ、筆者も子供を持つまではその大変さや、周囲のちょっとしたサポートの有難さについて考えたことはありませんでした。保育園不足に関しては、中々すぐに改善出来る問題ではありませんが、周囲からのプレッシャーに関しては一人ひとりの意識の改革によって改善することが出来ます。

ネットの発達のおかげもあって、日本は子育てがしにくいという母親たちの苦痛が表面化し、子供が居ない人もその実態を知る機会が少しずつ増えてきています。これを機に多くの人が日本の子育て状況を考え、改善に繋がっていったら良いなと思います。

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そのライターの経歴や性格を知れば、今後どんどんbitomosの記事を読むのが面白くなるかも!?この記事ではライターそれぞれの自己紹介と、記事を彩るゲストキャラクターたちを紹介していきます。あなたのお気に入りのライターが見つかりますように♡

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ロンドン在住7年、ハーフの4歳児を育てるpopolonです。極度の面倒くさがりなので、時短・手抜き・効率よくをモットーに生活しています。みなさんのお役に立つ情報をお届けしたいと思います♪⇒詳しいプロフはこちら

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