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子供がいない夫婦二人の人生を選ぶ。不妊治療の後悔しないやめどきとは?

 2017/02/15 妊娠・出産 健康 ライフスタイル
この記事は約 13 分で読めます。 8,239 Views

最近は不妊治療を妊活などとも呼び、子供を授かるために様々な治療をすることを比較的公言する人が増えてきました。現在、不妊治療をする人は推計で46万人以上とされています。出典:厚生労働省ホームページ

不妊治療を経験する夫婦は6組に1組と言われていますが、実は治療後に妊娠した人は約2割程度に止まっているのです。

かおるこ
堀越編集長、妊活という言葉は今はすっかり定着していますが、実は妊活で赤ちゃんを授かるという人はまだまだ少数なんですね。
Bitomos編集長
そうなのよね。妊活を妊娠という形で終わらせることができる夫婦よりも、どこかで諦めなければいけない夫婦の方が多い…。

もし妊娠しなかった場合、治療をいつまで、どこまででやめるのかということを考えておくこともとても大切なのよね。 

かおるこ
妊娠を望むからこそ行う治療で、ダメだった場合を考えなければいけない。とても辛いし、あまり考えたくないことですよね。

今回は妊活をいつやめるか、ということについて、不妊治療のご経験がある人のお話も交えながらレポートしていきたいと思います。

不妊治療はどういうもの?

将来的に妊娠や出産を望むのであれば、いつから不妊治療を始めればいいのでしょうか?結婚したら?子供が欲しいと思ったら?どんな治療を行うのか、いつが適しているのか見ていきましょう。

不妊症とはどういう状態?

不妊症の定義というのは、一般的な夫婦生活を避妊を行わず行っていて、1年以上妊娠しない場合を言います。避妊していない状態であれば、おおよそ8割の夫婦が1年以内に赤ちゃんを授かることができ、2年以内であれば9割が妊娠することから、そう言われています。

かおるこ
実は不妊症の人というのは10人に一人いると言われているんですよ。

また、生理があるうちは妊娠は可能と思っている人もいると思いますが、閉経の10年前ぐらいからは妊娠はかなり難しくなってきてしまいます。生理があっても排卵していなかったり、卵子の劣化や妊娠力が弱ってきてしまうので、妊活を始めるならなるべく早い方がいいのです。

高齢出産についての記事はこちらもどうぞ

高齢出産のリスクを知ろう!経産婦だと障害が出る確率が上がる?

高齢出産のリスクやメリットを徹底解説!初産が若い方がいいわけは?

かおるこ
これらを踏まえると、妊活を始めるリミットは42,43歳ぐらいと言えるかもしれないですね。 

どんな治療を行っていくのか

不妊治療には保険が適用されるものとされないものがあります。タイミング療法はほとんど保険で行えますが、人工受精や体外受精は保険は使えません。

一般的な治療法というのは、タイミング療法から始まり数周期行って妊娠しない場合に人工授精を、それでも妊娠しなければ体外受精や顕微授精を検討するというようにステップアップしていく治療を行います。

どのくらいの期間、どの治療を行うのかということは、それぞれ不妊の原因や女性の年齢によって異なりますし、担当医の考えや夫婦の希望などにもよります。

治療法とかかる費用は?

では治療にはどのような種類があって、それぞれ大体どのくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう。治療費というのは、病院によって金額の設定が変わってくるので、あくまでも目安としてご覧になってください。

 

•タイミング療法 血中の値や卵胞の大きさから、排卵日を正確に特定してその時期に夫婦生活をしてもらい自然な形で妊娠を目指す方法です。一周期で約約5,000円~1万円です。

かおるこ
排卵を促す排卵誘発剤を使用したり、着床を促すためにホルモンのバランスを安定させるために筋肉注射などを打つこともします。

•人工授精 人の手で精子を女性の子宮に注入する方法です。治療費は、約1万円~3万円です。

•体外受精 女性の卵子を取り出し、体外で精子と受精させてから再び子宮へ戻す方法です。また、体外受精の一種で顕微授精というものがありますが、体外受精が精子の持つ力で受精させるのに対して、こちらはガラス管などを使って精子を卵子に注入させて受精させる方法です。

これらの費用は約30万円~50万円です

かおるこ
体外受精になるとかなり治療費も高額になってきますね。不妊治療は特に女性にとって肉体的、精神的にも負担が大きいですが、治療を続けることは経済的なことも大きな問題となってきます。

不妊治療を行う期間はどのくらい?

不妊治療はみんなどのくらい行っているものなのでしょうか?これは、夫婦それぞれによってケースが違うので一般的な目安と言うものがありません。

ただし、閉経の10年ほど前がリミットだと考えると長くても45歳ぐらいまでが一つの目安と言えるかもしれません。そう考えると、35歳から始めても目一杯妊活をして10年ぐらいということになります。

かおるこ
不妊治療を行えば妊娠する確率が必ず高くなるわけではないんですよね。

ステップアップで治療を変えていくことも考えていくと、妊活のチャンスは月に1回でいつまでタイミング療法にするか、いつ別の治療法に変えるかなど夫婦間や医師ともしっかりと話し合ってプランを立てていくことが大切ですね。

妊活・ゆいこさんの場合

かおるこ
今回は、不妊治療のご経験があるゆいこさんにもお話を伺っています。
ゆいこさんは、結婚後29歳ですぐに不妊治療を始めました。最初のお子さんを授かるまでに3年半、そして二人目、三人目のお子さんを授かる時にも不妊治療をそれぞれ1年ほど続けられたそうです。

治療法はいずれも、排卵後受精するための不妊治療と 受精卵を育てる不育治療を行い、3人のお子さんをご出産されました。

かおるこ
ゆいこさん、不妊治療を始められたきっかけや治療法、治療を行っていた時期のことについてお話を詳しく聞かせてください。
ゆいこ
よろしくお願いします。私の場合、20代前半に腹膜炎の手術をしたことがあって。その当時から自然妊娠は難しいかもと言われていました。それもあったので結婚すると同時に妊活も始めたんです。
かおるこ
じゃあ、少し様子を見る期間があったり年齢的なことがきっかけというわけではないんですね。でも、3年半治療を続けることは精神的なバランスを保っているのが大変ではなかったですか?
ゆいこ
仕事を続けながら治療を行っていました。気が付いたらそのくらい時間が経っていたという印象です。ただ、ペットを飼い始めたのでそろそろ諦めた方がいいのかな、っていう時に妊娠がわかりました。
妊娠というのは、とても超自然的なことです。女性の精神的な状態というのも深く関わりがあります。

諦めかけた時に妊娠したという話は、よく聞くこと。今まで一生懸命に妊活していて、妊娠はもう難しいかな、と思った時にふっと力が抜けて授かることがあるんですね。

かおるこ
治療を始めた時、または継続中にご主人とどのくらいの期間妊活をしようということについては相談しましたか?期間や費用などの面から…。
ゆいこ
体外受精の決断を迫られたらやめよう、という話を最初に主人としていました。金額的にもかなり大きくなりますし、それに何より授かりものではなくなってしまう気がしたので。

だから、そのことは最初から担当していた医師にもきちんと伝えて相談していました。タイミング療法でずっとやっても成果がでなければ、どこかで治療方法を変える必要があるが、その目処をどうするか。

そして治療の手応えを先生が感じるなら続けるが 、無理そうだと思ったら治療方法の変更を提案してほしい。 でも、変更する方法次第では治療そのものを諦めたいという話をしておきました。

ゆいこさんはもともと、ホームドクターと言える婦人科の先生がいて、そこでの治療だったのでとても信頼できていたそうです。

不妊治療で有名な病院などがありますが、まずは医師と信頼関係が築けるか、治療方針など納得がいくまで話し合って決めていけるかといったことも、不妊治療では大切なことです。また、何度も通いながらの治療になるために、自宅からの通いやすさといったこともポイントですね。

ゆいこ
実は最初の子を出産する前に、一度妊娠しています。しかし、心肺が確認されずに手術で摘出することになってしまいました。その時は、病院で泣き崩れました。

なくなってしまった子が約2年めの時だったので、同じだけ時間をかけてダメなら諦めようかという話も主人としました。

かおるこ
そうだったんですね…とても辛かったと思います。不妊治療で流産を経験してしまうと、やはり諦めがつけられなくなる、ということもあるようですね。「妊娠する可能性がある」ということですから。
ゆいこ
そうですね。私の場合は「妊娠は難しい」からスタートしたので、亡くなった子には悪いことをしましたが、ちょっとだけ未来に希望が見えた瞬間でもありました。

それから、自分が治療中に、不妊治療で通っていた人が妊娠して妊活を卒業していくのも、見ているのはやはり辛かったです。

かおるこ
不妊治療は先の見えない治療ですもんね。不安や焦り葛藤もたくさんあると思います。でもゆいこさんは、ご主人や医師ととてもよく話し合って治療を進めていったんですね。

妊活をする女性の中には、自分だけが必死になってしまっているような孤独を感じたり、ご主人の方がついていけない、どんなケアを奥さんにしてあげたらいいかわからないといった二人の間でのコミュニケーションの難しさを感じる人もいるようです。

ゆいこ
はい。 お金をかけたら必ずできるというものでもないので、後戻りできなくなる前に諦めようということを二人で決めていました。

止めるという選択を考える、受け入れる

お話を伺っていて、ゆいこさんは不妊治療に関してとても冷静にかつ、ご主人や医師ともしっかり話し合いながら取り組んだのだなという感じを受けました。妊活をする上で、妊娠という成功を目指すのはもちろんですが、うまくいかない場合もあることを見据えることは大切です。

ラインを引く

不妊治療を始めると妊娠や出産がゴールとなってしまったり、止める決断ができなくて悩んで苦しんでいる女性も多くいます。また、肉体的な辛さを耐えての治療になるので、ここまでやったんだからきっと次は、と諦めきれなくなったりします。

妊活する時には不妊治療を始める時、または治療をしていく上でもしも妊娠しなかった場合にどこで止めるか、ということを夫婦でしっかり話し合って決めておく必要があります。経済的なことでもいいし、年齢的なリミットか、または治療の回数などで決めることもいいでしょう。

愛する人との子供だからこそ欲しいと女性は思うのですが、その大切な人と子供がいる生活と、いなかった場合の生活、二人にとっての幸せという二つの未来についても夫婦で向き合って考えてくださいね。

妊活をやめた後の人生を充実させよう

「不妊治療のやめどき」

子供がいない人生は不幸ではありません。夫婦二人でより充実した生活を送る、仕事や趣味に打ち込む、養子縁組や里親などで新しい家族を迎えることもできます。治療をやめた人がその後どのような生活を送っているのかが綴られた本があります。

不妊治療のやめどき
不妊治療のやめどき

 1,512円(2017年2月15日現在)

不妊治療その後の物語として多くの女性の体験談が語られています。不妊治療の終わりについて悩んでいる人や考えている人はぜひ読んでみてくださいね。

「うまれる」

かおるこ
私が以前観た映画でとてもおすすめなものがあります。妊活している人も、子供がいない人もいる人も、すべての女性に観てほしい映画です。途中こらえても泣けてしまいました。

ぜひ、チャンスがあれば観てくださいね。本も出版されています。公式サイトもあるので覗いてみてください。

うまれる かけがえのない、あなたへ
うまれる かけがえのない、あなたへ

1,512円(2017年2月24日現在)

いろいろ抱えた夫婦4組の妊娠や出産に関するドキュメンタリー。「生きる」ということを感じ、考えさせられる作品です。

映画「うまれる」公式サイトはこちらから うまれる

続けることも止めることも二人で後悔しない選択を

不妊治療を止めることについてはよく夫婦で話し合って後悔なく、そして納得ができるタイミングを決めてください。二人の子供を持つために力を合わせて頑張ってきたら、止めるタイミングについても二人で決めましょう。

そしてその後は、次の人生をどうやって二人で幸せに充実させていくか、ということをまた新たに手を取り合って話し合ってみてくださいね。

Bitomos編集長
不妊治療は、お金と時間がかかるわりには行えば妊娠する確率が高くなる、というわけではないのよね。

それにぎりぎりまで治療を続けて授かったとしても、染色体異常の確率も高くなるし、母体の出産や育児に対する負担も大きい。例えば45歳で出産したとした場合、子供が成人した時に65歳。体力や養育費など育てていく上でかかる費用もある。

自分は子供を持たない人生なのかもしれない、ということを受け入れるのは、充実した日々を送る気力を保つためにも必要よね。

かおるこ
そうですね。不妊治療は最初から最後まで本当に夫婦二人三脚なんだなって思いました。一つのことを二人で協力して行ったという絆はとても深いんだなと思います。そんなパートナーがいるということ自体がとても素敵なことじゃないかなって思いました。

bitomos編集部プロフィール

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kaoruko

kaoruko

執筆は2010年頃から行っています。
新鮮で美味しいもの、野菜や果物、蕎麦とワインが好き。日々ヨガのプラクティスをライフワークにしていて心と体の健康にも関心が高いです。
心と体は繋がっていて内面の美しさが外側を作ると思います。
身心が健やかで毎日が充実していて楽しく過ごせるために参考になるような記事を書いていきます。⇒詳しいプロフはこちら

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