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食中毒を家族で感染させない!事前に知っておきたい予防と対策の方法

 2017/04/27 健康
この記事は約 16 分で読めます。 8,304 Views

毎日の食事の準備、大変ですよね。少しでも負担を減らすため、作り置きなどの工夫をしているママも多いのではないでしょうか。共働きママが増えていることもあって、作りたての食事を食卓に並べることが難しい家庭が増えているのが現状です。

そんな中、梅雨がきて暑い季節になり始めると共に心配になってくるのが食中毒。実際に春頃から徐々に多くなり、気温が高くなる7月から9月にかけてさらに増加します。

菌によっては加熱やアルコール消毒では殺菌できないものもあるのです。ご家庭に潜んでいる食中毒の危険性を知って、菌の感染を防ぐ対策をとりましょう!

飯田菜緒
暑くなってきたわねー。私は日中はパートだから、午前中に夕飯の支度を済ませてくることが多いの。ただこう暑いと、2歳の娘もいるし食中毒が心配で。
bitomos編集長
うちも共働きだから作り置きした食事がメインなの。やっぱり作りたての食事と違って、食中毒のリスクも増えそうよね。先週娘のお友達が作り置きの常備菜を食べてお腹を壊したそうで、コワイなーと思っていたところ。
mika
はっ 。私も今日の夕飯さっき作って、台所に放置したままで来ちゃいましたよー!!

まずは敵を知ることから!食中毒とは?

 食中毒の種類

食中毒とは、原因となる物質が付着した食品を食べることで起こる病気のことを指します。原因となる物質は以下のように様々です。

bitomos編集長
うわー。食中毒ってひとことで言っても、こんなに種類あるのね!
◆細菌性食中毒
【感染型】…サルモネラ・病原大腸菌・ウェルシュ菌、赤痢菌など
【毒素型】…黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌など 

◆ウイルス性食中毒…ノロウィルス・ロタウィルス・A型E型肝炎ウィルスなど

◆自然毒食中毒 
【動物性】…魚毒・貝毒
【植物性】…毒キノコ・有毒植物

◆原虫・寄生虫
【原虫】…クリプトスポリジウム・サイクロスポラ
【寄生虫】…アニサキス・クドア

◆化学物質性食中毒…ヒスタミン・金属・農薬や洗剤など

 

mika
キノコ類による自然毒は10月、フグなどによる自然毒は10月から12月にかけて多く発症するそうです。
bitomos編集長
12月から3月頃まではノロやロタなどのウィルス性食中毒が大流行するわよね…。
飯田菜緒
暑くなると細菌性食中毒が心配だし…。ってほぼ年中食中毒は発症してるってことね!

梅雨~夏に増加する細菌性食中毒

その通り。年間を通して食中毒は発症しているんです。季節によっても発症しやすい食中毒は異なりますが、食中毒全体の70~90%を占めているのが細菌性食中毒です。この細菌性食中毒の細菌が繁殖しやすい温度は37~40℃であり、6月から8月頃にかけて暑くなる時期の増加が例年です。  

mika
今回は発症例も多い細菌性食中毒にスポットを当てたいと思います!

細菌性食中毒とは?

 
細菌性食中毒には感染型毒素型の2種類があります。
 
感染型】…食品内で一定数以上に増加した細菌を、食品と共に摂取することで食中毒を起こします。潜伏期間が長いのが特徴。
毒素型】…殺菌が食品内で増殖することで毒素が作られ、その毒素を食品と共に摂取することで食中毒を起こします。潜伏期間が短いのが特徴。
bitomos編集長
感染型の食中毒は消毒などで細菌を食品に付着させないこと。毒素型の食中毒は殺菌や保存方法で細菌を繁殖させないことが大切なのね。!
 

代表的な細菌性食中毒

サルモネラ【感染型】

◆感染ルート

人や牛や豚・鶏や野生動物などの腸内に滞在 ※特に鶏肉はサルモネラが多いため、鶏卵を使用した料理やスイーツから多く発症がみられる。 家でペットとして飼っている犬や猫、カメなどからも感染することもある。

飯田菜緒
ペットは家族同然よ!そこから感染だなんて考えたくもないわ…。

◆特徴

・10℃以下の環境下だと増殖はしないが、死滅もしない。

・熱に弱いので加熱をすればOK。(ただし加熱ムラや加熱不足に注意が必要。)

◆潜伏期間&発症期間

4~48時間(平均15時間)&1~4日間

◆症状

37~40度の熱・腹痛・下痢・嘔吐・頭痛など

◆発症例:自家製マヨネーズ

家で調理したマヨネーズを4~5日冷蔵保管しながら食べたところ、サルモネラによる食中毒を発症。自家製マヨネーズの場合、市販品に比べ、制菌の役割を持つお酢の配合が少なくなりがちな為、食中毒が起こりやすい。

bitomos編集長
生卵を使ったレシピは、その日に使う分、食べる分だけ作るようにしないと怖いわね。
 
mika
サルモネラは私たち大人は約10万個の菌で発症しますが、子どもやお年寄りはたった15~20個の菌で発症してしまうそうです。特に気をつけたいですね!

病原大腸菌(O157など)【感染型】

◆感染ルート

主に牛の腸内に滞在(羊やヤギにもまれに存在するが鶏や豚などでは存在していない)
食中毒となるのは主に肉類とその加工品が原因(肉などに付着した菌が調理の際に他の食品に付着することも)
※焼き肉や牛レバーの刺身、ローストビーフやハンバーグなど、加熱不足によるものが多い。
bitomos編集長
日本では2012年から牛レバーの刺身が禁止になったわね。

◆特徴

・低温に強く冷凍庫の中でも死滅しない。

・熱に弱いので加熱をすればOK。ただし加熱ムラや加熱不足に注意が必要。

・感染力が強く100個程度の菌で病気を引き起こす。

◆潜伏期間&発症期間

1~14日(平均3~5日)&2日~数週間

◆症状

下痢や38度以下の発熱など

※重症化すると血便や激しい腹痛などが起こる出血性大腸炎になることも

症状がなくなった後も、1~2週間は腸の中に残り、便の中にも出てくることがある。

◆発症例:ステーキ(成形肉)

スーパーで購入してきたステーキ肉を「ミディアム」の焼き加減でたべたところ、O157による食中毒に感染。実はこのステーキ肉は細かい肉を加工・成形した成形肉だった。

mika
本来、肉の表面にしか菌はいませんが、成形すると菌が混ざってしまうことがあります。

カンピロバクター【感染型】

◆感染ルート

牛・豚・鶏・羊・カラスなどあらゆる動物の腸内に滞在 ※特に鶏肉が原因となるケースが多い

菌を持っている肉や動物を触った手で調理することで、食中毒に感染することも

◆潜伏期間&発症期間

1~7日間(平均2~3日)&2~10日間

◆特徴

・菌のついた食品を冷蔵庫に入れておくと他の食品に感染することも。

・通常の菌は10万~100万個の菌が体内に入ることで発症するが、カンピロバクターは100個以下でも感染してしまう。

◆症状

37~38度の発熱・頭痛・めまい・だるさ・筋肉痛・吐き気・下痢・腹痛など

※重症化するとギラン・バレー症候群と呼ばれる麻痺状態を引き起こすこともある。

◆発症例:焼き肉

焼き肉店で焼き肉を食べたところ、翌日になって下痢や腹痛などの症状が発生。焼き肉店には生肉用のトングが置いてあったが、使用せずに自分の箸で生肉を網の上にのせ、その箸でサラダなどを食べていたことが判明。生肉からカンピロバクターが箸についたことににより食中毒に感染した。

飯田菜緒
ついつい使ってしまう直箸…。絶対やめたほうが良いね…。

ウェルシュ菌【感染型】

◆感染ルート

人や牛・豚・鶏などの腸内に滞在。 魚介類や野菜類にもみられる。

◆特徴

・加熱殺菌・アルコール消毒をしても死滅しない。

・酸素のない密閉された場所を好んで増殖する。

飯田菜緒
おっ恐ろしい…。 細菌は加熱処理をすれば大丈夫だというイメージを、完全に覆されてしまったわ…。

◆潜伏期間&発症期間

6~18時間(平均10時間)&24時間~2日

◆症状

下痢・腹痛・嘔吐など

◆発症例

ある家族が夕飯にカレーを食べて食中毒に感染。そのカレーは前日に大鍋でよく煮込んで1晩寝かせた「2日目のカレー」だった。

カレーを作った母親に聞くと、前日は鍋ごと室内で保管したが、蓋はきちんとしめた&食べた当日もカレーをグツグツと加熱したから、食中毒の心配はないと思っていたとのこと。実はこの食中毒はウェルシュ菌という熱に強く密閉空間を好む菌だった。

飯田菜緒
最近では幼稚園でこの菌による集団食中毒があったわよね。確かこの時もカレーが原因だったみたいね。
bitomos編集長
カレーはとろみもあって温度もゆっくり下がるし、大鍋で大量に作ると中央~鍋底に酸素のない空間ができ、ウェルシュ菌が増殖してしまいやすいというわけね。
 
mika
カレーだけでなく、大鍋で長時間放冷されやすいシチュースープ煮物なんかも危険ですね。

黄色ブドウ球菌【毒素型】

◆感染ルート

人や動物の皮膚や粘膜・化膿創など ※調理する人の手から感染することが多い。

◆特徴

・黄色ブドウ球菌自体は熱に弱く、通常の加熱処理で死滅。ただしこの菌が作り出す毒素は熱にも強い。

bitomos編集長
しっかり消毒して菌自体を増殖させないことが大切ね。

◆潜伏期間&発症期間

30分~6時間(平均3時間)&1~2日間

◆症状

嘔吐・腹痛・下痢など

◆発症例

熊本地震の避難所にて、おにぎりを食べた30人強の人々に黄色ブドウ球菌による食中毒が発症。おにぎりを作った職員は手袋をはめていたが、保温効果のある発泡スチロールによる容器で温かいまま保存されたことなどにより菌が増殖したとみられている。  

mika
避難所に温かい食事を届けたいという気持ちが仇となって発症してしまったような気がしてなりません。
bitomos編集長
そうね。お弁当などすぐに食べない場合は、しっかり冷ましてからフタをするよう注意が必要ね。

食中毒を予防しよう

食中毒の原因は細菌やウィルスによるものがほとんどです。
厚生労働省が食中毒防止のために掲げているスローガンを意識すれば、多くの食中毒から身を守ることができるかも知れません。

食虫毒の3原則「菌をつけない・菌を増やさない・菌をやっつける」

食中毒予防のポイント

1.買い物

・肉や魚などの生鮮食品はできるかぎり新鮮なものを、信頼できるお店で購入する。
・購入した魚や肉から水分が漏れないように、ビニール袋に入れてから他のものと一緒にスーパーの袋に入れる。

飯田菜緒
二次汚染にも注意が必要なのね。

2.保存

・冷蔵や冷凍の必要な物は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管する。
・細菌の多くは10℃以下で増殖がゆっくりとなり、-15℃以下では低下します。よって冷蔵庫は10度以下、冷凍庫は-15度以下を保つようにする。
bitomos編集長
スーパーの帰り道で、たまたま会ったママと外で立ち話…なんて危険行為ってことね。
 
mika
ママ友との付き合いも大事ですけど、寄り道しないでまっすぐ帰るようにします!

3.調理前

・食品に触るには手をよく洗う。
・肉・魚・卵を触ったはその都度手を洗う。
・冷凍した食品を解凍する場合は、使う分だけ解凍するようにし、冷凍や解凍を何度も繰り返さないようにする。
bitomos編集長
手に傷がある状態での調理は、傷の中の菌によって食中毒を引き起こす原因になることもあるそうよ 。
飯田菜緒
ケガをしたら食事の準備をしなくても良くなる環境が理想だわ…。
mika
現実うちではありえません…。

4.調理

・肉や魚は中心部までしっかりと加熱する。※一部の菌を除いて、ほとんどの細菌は加熱によって死滅する。中心部が75℃で1分以上が目安
・電子レンジで加熱する場合は、ときどきかき混ぜながら加熱ムラがないように温める。
・肉・魚などを調理する際に使用した調理器具は良く洗って熱湯消毒を行う。
 

5.食事

・食べる前には石鹸を使って手を洗う。
・清潔な食器を使用する。
肉類は生で食べない。
・半熟卵など十分に加熱していない卵料理は調理後2時間以内に食べる。
飯田菜緒
知っているようでいて、意外とできていないことが多いかも。
 

特に注意したい!作り置き保存

食品中で菌が発症しやすいのは10℃~55℃です。保存の際は10℃以下にするか55℃以上に保つようにすれば、菌の発症を防ぐことができます。よって作り置きする際には、1分1秒でも早く10℃以下に冷却して、菌の増殖に適した温度を短くすることが重要です。
 
 
bitomos編集長
保管の際は、大きな容器のままだと冷めるまでに時間がかかるから、小さな容器に小分けするようにするわ。
 
mika
冷凍したものを解凍する際には冷蔵庫で解凍するか、一気に電子レンジで解凍することで菌の好む温度を避けられますね。
 

もし食中毒に感染してしまったら

 

食中毒の多くは、ウィルスが体内に侵入し胃腸の機能を低下させることが原因なため、辛いですが嘔吐や下痢によって毒が排出されることで数日程度で自然に治癒します。

 
ただし症状がひどい場合や早く体調を回復させたい場合は、病院へ行って診察をしてもらいましょう。特に脱水状態に陥ってしまうと、命の危険を伴う場合もあります。
 
また食中毒の際に、吐き気止めや下痢止めの薬を個人の判断で服用することはNGです。ウィルスを体内から排出させづらくしてしまい、症状を悪化させてしまう危険性があるため避けましょう。 
bitomos編集長
あの恐ろしいノロウィルスも治療薬はなく、結局はウィルスが体内から出るのを待つしかないのよね…。私は数年前にハマグリでノロになっちゃって。2日間はベッドとトイレの往復だけで終わったわ…。

 病院へ行く目安

  ・乳幼児や高齢者の方
・嘔吐や腹痛がひどい場合
・水分が摂れない場合
・吐血や血便の症状がある場合
・呼吸困難や意識障害がある場合など
その他、明らかにいつもと違う症状が現れたら直ちに病院で診察を受けましょう。
 

家族に感染させない!

できたてアツアツの食事であれば、多くの食中毒を防げることでしょう。しかし、それを実践できる家庭は多くないのが現実です。
 
食中毒という名だけで恐れず、防ぐポイントをしっかりおさえていれば、真夏の食中毒も怖くありません。今日も万全の食中毒対策をしつつ、家族のために「作り置き」していきましょう♪
飯田菜緒
まずは冷蔵庫にスペースを作る作業から始めたいと思います!
 
mika
私も出しっぱなしにしてきた夕飯、冷蔵庫に入れたいから今すぐ帰ります!

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