上手な断り方★上司・友だち・ママ友に角を立てずにNOと言う方法
「頼まれるとイヤと言えない」「上司が自分ばかりに雑用や残業を押し付ける…」「友人やママ友の依頼や誘いに振り回されてばかりで、自分のやりたいことが全然できない…」こんな人は意外と多いものですよね。
ストレートに「やりたくない」「行きたくない」と言えればラクなのですが、それができないのが大人の世界。人間関係を壊さずに、依頼や誘いを断るにはどうすれば良いのでしょうか?
今回の記事では、角を立てずにNoを伝える「上手な断り方」について解説します。
断れない人の心理
今日は早く仕事を終えてショッピングに行くつもりだったのに残業を振られてしまった。
休日は家でのんびりしたいのに、友人から興味のない映画に誘われてしまった。
ママ友から「今から子どもを連れて遊びに行きたい」との電話。部屋が散らかったままなのにどうしよう…。
こんな依頼や誘いを断れないのは、単に「お人よし」だからなのでしょうか?なぜ断れないのか?まずはその理由を考えてみましょう。
評価を下げたくない・嫌われたくない
断れない人がまず考えるのは相手の気持ち「NOと言ったら、相手はどう思うだろう?」ということです。断ったりしたら、上司の評価が下がるのではないか?友人に嫌われてしまうのではないか?と心配になってしまうんですよね。
相手の機嫌を損ねたら、その噂が広がって周囲からも白い目で見られてしまうのではないか?そんなことになるぐらいなら、「今ちょっと我慢すればよい」と考えてしまうのでしょう。
周囲に流されやすい
「みんながやるなら仕方ない」「悪目立ちしたくない」と、周囲の同調圧力に負けてしまう人もいるでしょう。よく言えば「協調性が高い」ということですが、裏を返せば、周囲に流されてばかりで自分の考えを持てない人と言い換えることもできます。自分のやりたいことを我慢してばかりだと、ストレスが溜まって精神的に追い詰められてしまうこともあるでしょう。
困っている人を放っておけない!優しい人
困っている人は放っておけない、つい手助けしたくなっちゃうという人もいますよね。「頼まれると断れない」と言うより「頼られる」ことに喜びを感じるタイプの人。
他人の荷物を引き受けることが苦にならないのなら良いのですが、自分でも気づかないうちにストレスをため込んでいる場合があります。また、自分で思っているほど周囲から感謝されてはおらず、単に「都合のいい人」になっている場合もあるので要注意!です。
言いたいことが言えない、断れない状態は、自分の気持ちを押さえつけている状態です。精神的にはストレスが溜まり、物理的には自分の時間を失っている状態です。
抑圧された状態が続けば、仕事のクォリティは下がり、結果的に依頼した相手に迷惑をかけてしまうことにもあるでしょう。また相手が友人であれば「あまり会いたくないな~」など、ネガティブな気持ちが先にたち、その人を嫌いになってしまうかもしれません。
断り方の基本形をマスターしよう
お断りのシーンには様々なケースがありますよね。相手やその時の状況によってケースバイケースなのですが、まずは上手な断り方の基本形をマスターしておきましょう。
相手の気分を害さずに断るコツは、クッション+No+理由+フォローの4つのステップを踏むことです。
ステップ1―クッション
いきなり「あっ、今日はダメです」「ムリです」と否定から入られると、誰でもムッとしてしまいますよね。NOと言う前に衝撃を和らげるクッションになる言葉をはさみましょう。
お断りの際に使えるクッション言葉には
・あいにくですが
・申し上げにくいのですが
・せっかくですが
・残念ですが
などがあります。これにプラス
・誘ってくれて(頼りにしてくれて)ありがとうという「感謝の気持ち」
・行けない(できない)ことに対する「残念に思う気持ち」
を、添えてあげましょう。
「誘ってくれてありがとう!行きたいのはヤマヤマなんだけど(感謝!)、残念ながら今日は…」
「〇〇さんのお仕事ならぜひお手伝いしたかったんですが(残念!)、あいにく今日は…」
ステップ2―NOの伝え方
「それはちょっと…」「う~ん…」なんて、口ごもっていると、相手が察して「じゃ、いいや」と言ってくれることもありますが、語尾を濁したまま会話を終わらせてしまうと、お互いに嫌な感情が残ってしまいますよね。
逆に相手が鈍い人なら、自分の都合のよいように解釈して「じゃあお願いね!」と、強引に押し付けられてしまうこともあるし、「もうちょっと押せばやってくれるかも」と期待を持たせ、さらに依頼の言葉を畳みかけてくるかもしれません。
クッション言葉を言ったら、すかさずNOの言葉をはっきり語尾まで言い切ってしまいましょう。
ステップ3-理由
理由はくどくどと説明する必要はありません。特に「嘘も方便」で事実と違う言い訳をする際には、長く話せばその分嘘が多くなり、バレたときが大変!事細かに説明するのではなく、サクッと一言で済ませてしまいましょう。特に相手が男性の場合は、「この人がダメなら次!」と、切り替えが早いですから話を長引かせない方が得策です。
状況によっては、理由を先に言ってから、その流れで「お断り」の言葉を言うケースもありますよね。その際は特に端的に理由を告げるようにしましょう。長々とした言い訳は相手をイライラさせるだけです。
ステップ4-フォロー
最後はフォローの言葉で締めくくります。
お誘いであれば、「また誘ってください」「次回は必ず参加しますね」など、次に繋がる言葉、依頼であれば「明日の午前中でよければ対応できます」「〇〇さんができるか聞いてみましょうか?」など、代替案を提示します。このようなフォローまできちんとできれば、相手の気持ちに寄り添った断り方になりますね。
ビジネスシーンでの上手な断り方
では、具体的なシーンごとの断り方の例をみていきましょう。まずはビジネスシーンでの上手な断り方からです。
仕事の依頼・残業を断る
仕事行きたくねえー!しんどいー!
昨日残業するんじゃなかったー!
断れない性格だからしんどー!— 猫李(めうり)☁ (@meu_ri_) 2017年9月11日
さぁ帰ろう!と立ち上がりかけたその時、上司がファイルを手に近づいてくる姿を見てがっくりうなだれる…。職場のアルアルですね~。「残業は出来ません。今日は帰ります!」ときっぱり言ってしまいたいところですが、それでは仕事の評価が下がってしまいます。
残業の依頼を断るには、家庭の事情や体調不良などのやむを得ない事情を盾に断るのがベスト。
・実家から両親が出てきている
・大家さんが自宅の〇〇を確認しにくることになっている
・病院の予約をしている
・頭痛と寒気がするので、風邪の前兆かもしれない
さらに、「残業できない代わりに〇〇します」という代替案をプラスします。
納期を確認してみたら、案外「明日でも大丈夫」という場合も多いです。また、例え急ぎの案件であっても、「誰に頼んでもよい」という仕事もあります。まずは、どんな内容の仕事でいつまでに仕上げなければいけないのかを確認してみましょう。
「今日は残業できませんが、明日の午前中でよければ対応できます」
「〇〇の部分だけ(〇時まで)ならお手伝いできます」
あなたが断ったことで、別の誰かがその仕事を請け負った場合には、翌日その人に「昨日はありがとう。手伝えなくてごめんね」とフォローしておけば完璧です。
その他、依頼された仕事を断る理由としては、「クオリティや納期に自信が持てない」という点をアピールする方法もあります。
「お声をかけて頂いて光栄です!でも私にはちょっとまだ荷が重いようなので今回は辞退させてもらえませんか?今の実力では中途半端な出来になってしまいそうです」
「今〇〇と××のプロジェクトが進行中です。こちらの先に進めるとなると、〇〇の進捗に影響が出てしまうかもしれません」
相手が上司なら、あなたの業務内容はある程度把握しているはずです。優先度の判断は上司に任せてしまっても良いでしょう。
飲み会の誘いを断る
たまには職場の「飲みニケーション」も良いですが、度重なると疲れてしまいますよね。相手を不快にさせずに上手に断るには、理由そのものより最初のクッションと後のフォローが大事です。
「行けなくて残念!」という気持ちと「また誘ってください」という次に繋がる言葉を必ず添えるようにしましょう。理由は「仕事が終わらない」「体調がすぐれない」「別の予定がある」などが無難です。
「え~今日ですか!残念~。今日は大学の同期と約束しちゃったんですよ。次回は必ず参加しますから、早めに言ってくださいね!」
「お誘いありがとうございます。あいにくその日は家の用事があって早く帰らなければいけないんです。また今度お願いします」
「いつもお声をかけていただきありがとうございます。▲▲(家庭の用事や習い事など)があるので、飲み会はあまり参加できないんです。今回は1時間ぐらいなら参加できそうですが、それでも大丈夫ですか?」
顧客に対する断りの常套句
仕事をしていれば、お客様や取引先に対して「お断り」をしなければいけないシーンも多々ありますよね。社内であれば多少くだけた表現でも許されますが、相手が顧客となると言い回しにも気をつかいますよね。ビジネスシーンで使える丁寧な断りの常套句(決まり文句)を紹介しましょう。
・お気持ちはわかりますが・・・相手が食い下がってきたとき ・ご容赦願えませんか・・・無理難題を言われたとき ・お気持ちだけ頂戴いたします・・・贈り物、提案・譲歩などを受け取れない場合 ・残念ですが、今回は見送らせていただきます・・・「今回はダメ」と、次回に含みを持たせる言い方 ・一旦持ち帰えらせていただきます・・・自分では判断できずに、上司の指示を仰ぎたいとき
また、相手方から提案や要望を受けたとき、「それはできません」と即答してしまうのが申し訳なく感じてしまうことがありますよね。そんなときに「上司に確認してみます」や「スケジュールを確認してご連絡します」と、その場を濁してしまうこともあると思いますが、ペンディングの状態が長引かないように注意しましょう。
相手は時間が経てばたつほど「できるかも」と期待してしまいます。引っ張るだけ引っ張って「やっぱりダメでした」となるが、一番ダメージが大きくなります。持ち帰る案件は、「●●までにお返事します」と期限を伝えておくか、なるべく早く返事を返すようにしましょう。
友人・ママ友の依頼や誘いを上手に断るには?
親友と呼べるほど仲の良い友人ならば、「行きたくない」、「できない」と正直に自分の気持ちが言えると思いますが、腹を割って話せるほどの仲ではない友人や、子ども同士の付き合いにも影響が出そうなママ友となると、思ったことをそのまま告げるわけにはいきませんよね。友だちやママ友の誘いを角が立たずに断る方法を紹介しましょう。
ランチやお茶を断る
明日ママ友とランチだけど気が進まないー
でも一回前日にドタキャンしたから断れないし行くしかないか…
私いつもそう。
予定が決まった時はなんとも思わないけど
前日になると猛烈に行きたくなくなる。
友達が嫌いとかでなくて自由な時間がなくなるのとめんどくさいのと— みぃ₍ᐢ•ﻌ•ᐢ₎ (@IyyUh0xkMXF2Pc4) 2017年6月20日
友人やママ友からのランチやお茶のお誘い。気乗りしないこともありますよね。こんなときも断り方の基本、誘ってくれたことに対する感謝+NO+理由+フォローの4つのステップを踏めばOKです。
参加できないときに、まず「ごめんなさい」と謝ってしまう人がいますが、参加するしないは個人の自由なので謝る必要はありません。「ごめんなさい」というネガティブな表現から入ると、どうしても場の雰囲気が暗くなってしまいます。それより「誘ってくれてありがとう」というポジティブな表現から入った方が、気まずくなるのを防ぐことができます。
理由の例としては「体調がすぐれない」、「家の用事がある」というのが無難ですが、相手がママ友なら「夫に頼まれた用事がある」「姑が来ることになっている」など、「それは大変!」と共感できる内容なら、参加できないことに納得してくれるでしょう。多少ざっくばらんに話せる相手なら、「今月お金がピンチなのー!」でも良いかもしれません。
「誘ってくれてありがとう!参加したいだけど、今日はちょっとムリなの。夫に頼まれた用事があってこれから〇〇まで行かなきゃいけないんだ。また次回誘ってね」
「いいな~みんな行けるの?残念だけど私は今日は早く帰らなきゃいけないの。明日お姑さんが来ることになっているから、これから大掃除しなきゃ~。じゃあ、またね!」
興味がないお誘いを断る
興味がない映画やコンサートの誘い、知らない人ばかりが集まるパーティ、行きたくないですよね。でも、強引な友だちは「これ、絶対あなたのためになるから」なんて恩着せがましい言葉を添えて誘ってくることがあります。
「行きたくない」と思いながらも、つい話に乗せられて、「どんな映画?」「どんな人が集まるの?」「へー面白そうね」なんて、関心があるようなそぶりを見せるのは絶対NGです。
相手は「興味があるんだ」と勘違いして、益々強引に誘ってくるかもしれません。そうなると引っ込みが付かなくなり、ズルズルと誘いに乗ることになってしまいます。行きたくないのであれば、詳しい話を聞く前にお断りをしてしまいましょう。
押し切られてしまいそうになったら、「予定を確認するね」と一旦時間を空けるのも一つの方法です。
というように後日改めて連絡し、自分の都合ではなく第三者がからむ用事で、調整しようと頑張ったけどムリだったというニュアンスが伝わればOKです。
別な誘いならやぶさかでないというのなら、「また、誘って」のような次に繋がるフォローの言葉が必要ですが、あまりお付き合いしたくない相手ならフォローの言葉は不要です。
セールスなどの勧誘を断る
「あなたにぴったりの商品があるんだけど…」「これ使うと肌の調子がすごくよくなるよ」「絶対儲かるから…」こんな甘い言葉で保険、化粧品などのセールスやマルチ商法などに誘ってくる友人がいたら、なんと言って断るのがよいでしょう?
ただのホムパだと思って参加したら、商品のデモンストレーションが始まり、周囲の人がドンドン購入していくので、つい釣られて自分も買ってしまった…なんていう経験がある人もいるのではないでしょうか。
マルチ商法などの場合、本人が盲目的に商品を信頼して熱心に進めてくるケースが多いですから、ちょっとやっかいですよね。
勧誘を断るときには、次に繋げるフォローの言葉は不要です。「今回は遠慮するわ」「今は別のを使っているから、次までに考えておくね」などと言葉を濁してしまうと、「じゃあいつなら大丈夫?」「今使っている〇〇より、こっちのほうが安心よ」と、ドンドン突っ込んでくるので要注意!断るときには、はっきりとNOと言いましょう。
保険の勧誘の場合は、「家族や親せきに保険会社に勤めている人がいる」というのがベスト。「他人のシマは荒らさない」のが勧誘員のルールですから、簡単に引き下がってくれるはずです。
その他、化粧品、健康食品、下着などのマルチ商法の場合は、一貫して「その商品には興味がない」という姿勢を貫きましょう。「セミナーに参加するだけでも…」と食い下がってくるかもしれませんが、「参加したら最後」だと思ってきっぱり断りましょう。
それでも相手が引かない場合は、
このように家族に反対されているということを伝えましょう。「怪しい会社じゃない」「大手だから大丈夫」「購入だけでも」と言ってくるかもしれませんが、マルチという販売形式そのものに抵抗があるのだということを相手に理解してもらえるように話してみてください。
お金を貸して!を断るには
お金の貸し借りによるトラブルで友人関係が壊れたという話もよく聞きますね。
「小銭が足りない」「お財布忘れちゃった!」というときに数百円~せいぜい2,3千円程度なら良いのですが、万単位のお金となるとちょっと考えてしまいますよね。例え相手が信頼できる人で自分にお金の余裕があっても躊躇してしまう人が多いのではないでしょうか?
「貸した金はあげたと思え」なんて言葉もありますが、「あげてもいい」と諦められる金額以上はきちんとお断りしましょう。
断る理由としては
・お金の管理は夫がやっているので、自由になるお金がない
・うちも家計が厳しいんだけど、親の介護(子どもの進学)の資金のために必死で節約しているところ。今は貸せる余裕がない。
・友人の結婚ラッシュで出費が多くて今は余裕がない。
などの理由をあげる人が多いようです。「貸せない」と突き放してしまうことが心配ならば、「なぜお金が必要なのか」を確認し、それが妥当な理由なら「お金以外のことであれば協力は惜しまない」ということを伝えてあげましょう。
相手とよい関係を築くために…
「やりたくない」「行きたくない」と自分の気持ちをストレートに伝えるより、「〇〇だからできない」「〇〇だから行けない」のように「〇〇のせいでNG」と、誰かのせいにしてしまったほうがNOを伝えるハードルは低くなります。
だからと言って、いつまでも自分の素直な気持ちを伝えられずに我慢した状態が続けば、その相手との関係はそれ以上発展することはありません。いい関係を築きたい相手だからこそきちんと本音を伝えたいですよね。
「嫌われたくない」「評価が下がったらどうしよう…」と臆病になるのではなく、きちんとNOを伝えましょう。そのための「角の立たない断り方」です。覚えておいてくださいね!
告白されたときの断り方はこちらの記事を参考にしてください。
⇒告白されて傷つけない断り方は?山路徹の言葉と綾野剛の対応の違いとは
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