大人向け絵本をプレゼントに♡心をリセットしてくれる話題の絵本12選
キングコング西野さんが描いた絵本「えんとつ町のプペル」が、ネットで全編無料公開され話題になりましたよね!公開時には、今まで絵本とは無縁だった大人たちから「泣ける」「感動した」「悩んでいることがあったけど、背中を押された」「読んでて鳥肌がたった」など、多くの称賛の声が上がりました。
絵本は子どもだけのモノ?いいえ、大人だからこそ読みたい絵本は実はたくさんあるのです。大人がハマる絵本の魅力、そして大切な人へのプレゼントにも最適なとっておきの絵本12選を紹介しましょう。
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なぜ大人が絵本にハマるの?
絵本というと、シンプルな図案のものやペールトーンの優しい色調のものが主流だと思うのですが、「えんとつの町のプペル」は、すごーく緻密で立体的な絵なんですよね。まるでジブリのアニメを見ているような感覚でした。
クラウドファンディングで資金を集め、33人の作り手が分業で作業を行い、4年半の歳月をかけて制作した作品ということです。絵本ってどんどん進化しているんですね。
さて、こんな新しいスタイルの絵本にも、昔ながらの絵本にも、共通することが1つあります。それは「絵本には人の心を癒す作用がある」ということです。
子どものために読み聞かせをしている親は多いと思いますが、実は読み聞かせで癒されているのはママのほう…ってこともあるんですね。絵本が大人に与える効果とは何か?考えてみましょう。
子どもは絵本で想像力が豊かになる
絵本はその名のとおりイラストが中心の本。文章はごく短くストレートな表現になり、ストーリーを伝えるのはイラストの役割です。大きく描かれたキャラクターや色鮮やかな風景など、子どもはインパクトのある絵に惹かれて絵本の世界に没頭していきます。
中には読み聞かせの言葉がほとんど聞こえていな子どももいるかもしれませんね。それでもページをめくるたびに様々な疑問・興味・関心を持ちながら想像力を働かせて自分でストーリーを紡いでいきます。キャラクターに感情移入して、泣いたり、笑ったり、怒ったりしながら、絵本が示す「教訓」を自分なりに解釈するようになります。
大人は絵本に自分を投影する
大人は絵よりもまず文章に注目する人が多いでしょう。小説などの書籍を読みなれた大人にとっては、絵本の文章は短く物足りないと感じるかもしれません。だから大人は、文章の行間を経験・価値観などで埋め、自分を投影していきます。
絵本のレビューや口コミ評価を読むとわかりますが、評価の良し悪しが極端に分かれている作品があります。ある人はイメージを膨らませて絵本の中に深いメッセージを見い出し、ある人はその作品に何の魅力も感じず、「子どもに読ませる価値がない」と切って捨てます。これは、洞察力や感受性の問題だけではなく、経験値や人生観の違いによるところが大きいのだと思います。
絵本は自分の心を映し出す鏡のようなものです。子どもの頃に読んだ絵本を大人になって読み返してみると、まったく違ったメッセージが受け取れるかもしれません。また、当時の記憶がスーっと蘇り、読み聞かせてくれた親の愛情やぬくもりさえも感じることができるでしょう。
主人公に感情移入することで感じるカタルシス効果
カタルシスとは心の浄化作用のことで、抑圧された感情を思い切り吐き出すことができたときに感じる爽快感をさす言葉です。例えば、カラオケで大きな声を出して歌ったり、誰かに愚痴を聞いてもらったりすると、それだけで「すっきりした」と感じることがありますよね。これがカタルシス効果です。
悲しい絵本、心を揺さぶられるような絵本を読んで思いっきり涙を流したり、主人公に感情移入する中で、自分ではうまく言葉に言い表せなかった感情を代弁されたと感じると、心の中のモヤが晴れたようにスッキリとした感覚=カタルシスを得ることができます。
また、ミステリーなどを読んでいて、謎や伏線が回収されすべてが結末に繋がったときに「あぁそうだったんだ」と、納得することでもカタルシス効果を得ることができます。絵本でもこれに近いことが起こります。
絵本って子ども向けに描かれているので、大人から見ると意外な方向に話が進んだり途中まで何が主題なのかわからないことがあるんですよね。それが最後の1ページで「なるほど」と腑に落ちる。これがカタルシスに繋がります。
カタルシス効果は、映画や小説でも感じることができますが、絵本の場合、より短い時間でその効果を得ることができるのがいいですよね。
絵と音読によるリラックス効果
絵本「おやすみロジャー」に代表されるように、絵本には子どもを寝かしつける入眠効果があります。秘密は、絵と単純なフレーズの繰り返しで、心をリラックスさせることができるから。
特に、声に出して読むことで意識が絵本に集中し、イライラや不安などの感情が鎮まってきます。また、擬音や同じフレーズの繰り返しは、副交感神経の働きを高め心の緊張を解きほぐす効果があります。
自分ひとりで読むときには、抑揚などはあまり気にせず少し小さな声で読んでみましょう。催眠術にかかったように眠くなってきますよ。絵柄も癒し効果があるグリーンやブルー系の色調のものを選べば眠りへの体制は万全です。
心をリセットしてくれる絵本12選
大人向け絵本を選ぶのにルールはありません。表紙と中身をパラパラとめくって「何か心惹かれる」とインスピレーションを感じたら、それを選べばよいのだと思います。
でも、「本屋さんに行く前にちょっと下調べをしておきたい」「大切な人にプレゼントしてあげたい」という方のために、今話題になっている大人向けの絵本を紹介しましょう。
心の忘れ物を取り戻すための絵本
年を重ねる度に子どもの頃の思い出をどこかに忘れてきている気がしませんか?絵本を読むことで、その忘れ物を取り戻すことができるかもしれません。
■遠い町から来た話
■あらすじとおすすめポイント
「覚えている?街はずれに住んでいた水牛のこと、異次元からのちっちゃな交換留学生のこと、そしてお兄ちゃんはいつも正しいということ」
あっちの世界とこっちの世界の奇妙な接点を紡いだ15編の短編小説。
■購入者レビュー
- この本を知っているというだけで、何かうれしいきもちになります。
- お話ごとにペン描き、モノトーン、絵具と絵のテイストが変わっていて変化があって楽しめました。
- 優しいのに心がちょっと痛くなる、そんな不思議なお話でした。
■おおきな木
■あらすじとおすすめポイント
大きなりんごの木と少年はとても仲良しで、毎日かくれんぼをしたり木登りをして遊びました。時が流れ少年は成長すると、木に会いに来なくなってしまいます。
久しぶりに木のところにやってきた少年。りんごの木が「遊んでおいき」と言いますが、少年は「買い物をするお金が欲しい」と木にねだります。木は「私の実をとって売ってお金にしなさい」と実をすべて与えてしまいます。
大人になった少年は「家が欲しい」と言って木の枝をもらい、「船が欲しい」と言って幹まで切ってしまいます。切株だけになったりんごの木に年老いた少年が訪ねてきます。そして…
旧版の訳者は本田錦一郎氏です。訳者によって作品のイメージが変わるので、両方読み比べてみるとよいかも。同じ作者の「ぼくを探しに」もおすすめです。
■購入者レビュー
- 考えれば考えるほど奥が深いストーリー。大人向けの絵本のような気がします。
- 子どもの捉え方と大人の捉え方はまったく異なります。奥深い本です。
- 結末が空白になっていて、解釈は読者に委ねられています。木は幸せだったのだと思いたい。
身近な人の死と向き合うための絵本
祖父母の死、ペットの死など、子どもが否が応でも向き合うことになる身近な人の死。絵本には「死」をテーマにしたものって意外に多いんですよね。2015年に発売されて話題になった「ママがおばけになっちゃった」は、子どもに読ませることに賛否両論がありましたが、「死」や「別れ」は、生きてく上で外せないテーマでもあります。
■ずーっとずっとだいすきだよ
■あらすじとおすすめポイント
男の子と犬のエルフィーは大の仲良しでした。赤ちゃんのときから一緒に成長していきましたが、エルフィーのほうが早く大人になっていきます。男の子は毎晩エルフィーに向かって「エルフィー、ずーっと、だいすきだよ」と言葉をかけて眠りにつくのでした。ある日朝起きると、エルフィーが死んでいました。
家族はみんな悲しみ、男の子もすごく悲しくなりましたが、他の家族と比べて少しだけ気持ちがラクでした。それは毎晩エルフィーに「ずーっと、だいすきだよ」と言ってあげていたからです。
動物だろうと人間だろうと、心のありたったけで愛することは、日々の幸せを持たらすだけでなく、別れた後も心を慰めてくれます。言葉で気持ちを伝えることの大切さを教えてくれる絵本です。
■購入者レビュー
- 命の大切さや一日一日の重みなどが伝わってきます。
- 寝る前に「ずーとずっと大好きだよ」と家族で言い合うようになりました。
- 切ない話だけど、不思議と悲しくはならない。
- この本でペットロスだった心が癒されました。
■おじいちゃんがおばけになったわけ
■あらすじとおすすめポイント
ある夜、亡くなったはずのおじいちゃんが突然少年の前に現れます。おじいちゃんはおばけになってしまったのです。少年はおばけになったおじいちゃんに「何か忘れ物をしているんじゃない?」と問いかけ、おじいちゃんとともに忘れ物を探しに夜の街へ出て行きます。さて、おじいちゃんの忘れ物とはいったい何だったのでしょうか?
■購入者レビュー
- 52歳ですが、親の死に対するショックが尾を引いています。そんな私に娘がこの本をプレゼントしてくれました。「おやじ、心に区切りをつけなよ」という意味なんでしょうね。
- 夜中のおじいちゃんとの会話、昼間のパパとママとの会話、その対比にホッとさせられます。
- 老若男女問わず、必ずお勧めしたい本。近年では一番良い絵本だと思う。
ママになった人に贈りたい絵本
子どもを授かった喜びを感じながらも、新しい出来事に不安を感じているママ。無事に出産した後だって子育ての悩みは尽きることがありません。ちょっとお疲れ気味の新米ママたちをそっと癒し、勇気づけてくれる絵本があります。母の日のプレゼントとしても最適ですよ。
■ちいさなあなたへ
■あらすじとおすすめポイント
「あのひ、 わたしは あなたの ちいさな ゆびを かぞえ、 その いっぽん いっぽんに キスを した」で始まるママ物語。すくすくと育ち青春の日々を共に過ごし、大人になって家を出て行く我が子。いつか長い年月の果てにはあなたの髪が銀色に輝く日も来るのだろう…。
「わたしの いとしいこ。 そのときには、どうか わたしの ことを おもいだして」
■購入者レビュー
- 毎日「子育てしんどい」と愚痴っていたことを後悔しました。
- 自分たちもこんな想いで育てられたのかと思うと、親に対する感謝の気持ちでいっぱいになりました。
- 子育てが一段落した今でも、読むと号泣してしまいます。一生大事にしたい絵本です。
■今日
■あらすじとおすすめポイント
「今日わたしはお皿を洗わなかった…」で始まるニュージーランドの子育て支援施設に伝わる作者不詳の一遍の詩。詩人の伊藤 比呂美さんがわかりやすく、心に響く言葉に訳してくれました。
■購入者レビュー
- 育児に悩んでいた時、目に留まった一冊でした。素朴な文とオシャレなイラストが目を引きます。
- 育児をしていたのは昔の話だけれど、この本を読んで気がつきました。「私は認めてもらいたかったんだ」と。今成長した我が子がその答えなんですよね。
- 出産祝いに絵本を贈るのは押し付けがましいかなとも思ったのですが、この本ならシンプルな内容なので万人受けすると思います。
胸キュン!恋愛癒し系の絵本
恋愛に悩む人、とにかく癒されたいという人におススメな絵本です。初恋を思い出してほっこりしてください!
■しろいうさぎとくろいうさぎ
■あらすじとおすすめポイント
広い森の中に住む白いうさぎと黒いうさぎ。二匹はとっても仲良しでいつも一緒に遊んでいます。あるとき黒いうさぎがとても悲しそうな顔をしていました。「どうしたの?」と尋ねると「ぼく、願い事をしているんだよ」と答えます。その後も黒いうさぎは度々悲しい顔をします。黒いうさぎの願い事とは「いつも いつも、いつまでも、きみといっしょにいられますように」。さて、二匹の結末はどうなるのでしょうか?
■購入者レビュー
- 大人になって読み返したときに、この本がロングセラーになっている理由がよくわかりました。
- 子どもはハッピーエンドとなるこのお話を単純に楽しむことができるし、大人は短い台詞に隠された複雑な気持ちを感じ取る。
- 年齢に沿った読み方のできる、すばらしい美しい絵本です。 「いつも一緒にいるよ」というのは究極のメッセージ。ずっとそばにいたいと思う人に贈りたい。
■サウスポー
■あらすじとおすすめポイント
野球が大好きな少女ジャネットと野球チームにいるリチャード。二人はとっても仲良しだったのに、リチャードの野球チームには女の子のジャネットは入れてもらえない…。そんな些細なことで喧嘩してしまった二人が、メモを使って可愛いバトルを始めます。
「あんたの誕生日パーティ、呼んでくれなくていいからね。あたし、いないから。もと友だちのジャネット」
「ださいディズニーランドのトレーナー返せっていうなら返すよ。そのかわりボクがかしたマンガ返してくれよな。まだ読み終わってなくても。もと友だちのリチャード」
さて、こんなやりとりはいつまで続くのでしょうか?
■購入者レビュー
- アメリカっぽい、おしゃれな絵本。絵の中にも仕掛けがいっぱいあります。
- 憎まれ口をきくのは好きな証拠!二人の手紙を読めば読むほど、仲の良さが伝わってきます。
- すごくいいです。手元に置いておきたい1冊です。
飾っておくだけでもステキ!アートな絵本
絵本のイラストはどれも個性があってステキなものばかり。本棚にしまわずに、リビングに立てかけておくと、ちょっとしたインテリアになりますよね。
■こどもと絵で話そう ミッフィーとフェルメールさん
■あらすじとおすすめポイント
ある日ミッフィーが「フェルメールさん」という画家の絵に出会います。子どものミッフィーはフェルメールさんの絵に何を感じ、どんな解釈をしたのでしょうか?子どもの目線から名画を楽しむための絵本です。
筆者がちょうどこの記事の初稿を書いていたとき(2017年2月)に、ミッフィーの作者であるディック・ブルーナ氏の訃報が報じられました。ミッフィーシリーズは世界50ヵ国以上で翻訳され、世界中の子どもたちから60年以上に渡って愛されてきたキャラクターです。ディック・ブルーナ氏の功績を忍び、謹んで哀悼の意を表します。
■購入者レビュー
- フェルメールが描く繊細な絵と、ミッフィーの洗練されたシンプルな線の対比がとても新鮮です。
- 子どもだけでなく、大人もいろんな目線から楽しめる一冊です。いい本に出合いました。
- アートをいつもと違う目線で観れるのがいいですね。
■わたし、お月さま
■あらすじとおすすめポイント
ひとりぼっちでさみしがりやのお月さまが、昔会いにきてくれた宇宙飛行士に会うために、小さくなって地球に降りてきてしまいました。お月さまが宇宙飛行士を探している間、人は夜空に月が輝いてたいたことを忘れてしまったかのようでした。でも本当はみんな待っていたのです。
■購入者レビュー
- 思わぬ展開と刀根の幻想的できらめく画が素敵。 絵と文のハーモニーが素晴らしかったです。
- 青色の美しい世界にも魅了されました。 大人テイストの幻想的なストーリーです。
- イラストの刀根 里衣さん、さすがの空気感です。
絵を見てお勉強?!大人が学べる絵本
絵本の中には子どもの「学び」を目的としたものがありますが、大人だからこそ読みたい学びの絵本があります。楽しみながら、時に考えながら…絵本を教科書にしてみませんか?
■MAPS
■あらすじとおすすめポイント
4000以上のイラストを使って世界42ヵ国の見どころ、食べ物、偉人、動物、植物などを紹介した現代版「世界図絵」と言うべき絵本です。絵本作家のご夫婦が丸3年も費やして描き上げただけあって見どころ満載。紹介されている国は、誰でもよく知っている国からあまり馴染みのない国まで様々。選んだ基準は「私たち自身が興味があり、また地図を広げて子供たちに話すときに良さそうな国々やトピックを取り上げたんです」なんだそうです。
世界198ヵ国の国名と首都の場所が記載されている他、巻末には198ヵ国の国旗と正式名称も記載されているので、オリンピック前に世界を勉強するのに役立つかも。
■購入者レビュー
- 大人でも十分世界を楽しめる本で買って満足。その国に行きたくなる。
- 親子で地図の調べ方を教えながら一緒に開き、イラストの中からどちらが先に見つけるかゲームをしています。何度も繰り返していると興味を持ったらまずは自分から調べるようになり、イラストがあることでその国の特徴を覚えるようになります。
- 見てるだけで楽しくて、世界史やら地理の授業は面白くなかったですが、この地図は面白い。世界から見た日本ってこんな感じなんだな~ということを知ることができました。
■世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ
■あらすじとおすすめポイント
「世界で一番貧しい大統領」として知られるウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領。2012年にブラジル・リオデジャネイロで開催された「Rio+20地球サミット2012」での彼のスピーチが世界中の人々に感動を与えたことは皆さんよくご存じだと思います。そのスピーチが一冊の絵本になりました。大人だからこそ読みたい絵本です。
- 大人も子どももこのメッセージを知ること、伝えていくことが大切だと思いました。
- 絵本なのでとても読みやすく、シンプルでしかも重要な事が書いてあり、誰にでもオススメできます。
- 人間の原点を考えさせられる名演説。
コチコチの頭と心を絵本でストレッチ!
いかがですか?気に入った絵本は見つかりそうですか?
「絵本を読んでも何も感じない」という人は、普段、右脳を使っていないのかもしれません。頭も心もコチコチになっている人こそ、絵本を使って脳のストレッチをしてみてくださいね。
今回紹介した絵本のいくつかはネットで試し読みすることもできますが、やっぱり実物の本を手にするのが一番!会社帰りにちょっと本屋さんの絵本コーナーを覗いてみてはいかがでしょうか?きっと心に響く1冊が見つかると思いますよ。
bitomos編集部プロフィール
そのライターの経歴や性格を知れば、今後どんどんbitomosの記事を読むのが面白くなるかも!?この記事ではライターそれぞれの自己紹介と、記事を彩るゲストキャラクターたちを紹介していきます。あなたのお気に入りのライターが見つかりますように♡