幼児や子供が遭いやすい事故の原因とは?気を付けたいポイントまとめ
「公園の遊具で遊んでいて事故が起こってしまった」「子供が窓から誤って転落した」など幼児や子供が亡くなる悲しいニュースを度々目にすることがあります。きちんと見ているつもりでも、ほんのちょっと目を離した隙に事故に遭ってしまうケースが後を絶ちません。
その影響で、遊具を撤去してしまった寂しい公園に出くわすことも…。確かに遊具がなければ事故は減るかもしれません。しかし、それでは公園の楽しさが半減していまいますよね。
公園での事故を考えてみると、本来、遊具はきちんと安全を考えて設計されているはずです。それでも事故が起きてしまうのは、不運にもいくつかのことが重なってしまった場合がほとんどではないでしょうか。
また、家庭内で起こる事故は「まさかそんなことが危険だとは思わなかった」ということが多いようです。
今回は、少しでも事故につながるリスクを減らすために、気を付けたいポイントをまとめました。子供が楽しく安全に毎日を過ごせるように、参考にしてみて下さい。
Contents
遊具で起きた事故について
まずは、公園での事故について見ていきましょう。実際に遊具での事故はどのくらい起きているのでしょうか。
By popolon
東京消防庁のデータによると、東京消防庁の管轄内における12歳以下の遊具での事故による救急搬送は毎年600人以上となっており、2007年~2011年で計3281人の子供が救急搬送います。
救急搬送された子供の性別と年齢
次に、救急搬送された子供の性別と年齢を詳しく見てみましょう。
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遊具による事故が最も多いのは6歳代ですが、入院が必要とされる中等症以上の事故の発生は10歳代が最も多いそうです。
どの遊具での事故が多いのか?
次に、事故による救急搬送人数を遊具別に見てみましょう。
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実際に起こった遊具での事故
最後に、実際に子供が遊具で事故に遭ったという方の話をご紹介します。
遊具での事故を防ぐ為に気を付けたいポイント
本来、安全であるはずの遊具で事故が起きてしまうのには、いくつかの要因が考えられます。遊具で安全に遊ぶために気を付けたいポイントを紹介します。
服装
着ている服が原因で遊具での事故につながるケースが多く報告されています。具体的にどのような服が危険なのか見ていきましょう。
パーカーのひも | ひもが遊具に絡まり、窒息の恐れがあります。 |
パーカーなどのフード | 遊具に引っ掛かりやすく、窒息や転倒の恐れがあります。 |
大きなポケット | |
編み目の大きいセーター | |
ベルト | |
リボンなどの装飾 | |
サスペンダー | |
スカート・ズボンの丈 | 長すぎると転倒しやすくなります。 |
特に事故につながりやすいひものついた服については、2015年よりJIS(日本工業規格)が制定されています。それによると、7歳以下用の子供服は「頭部および頸部にひもが付いた衣料をデザイン、製造、提供してはならない」となっています。
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少しでも危険な要素がある服は、特別なお出掛け用にして公園や学校などには着ていかないようにすることが大切です。リボン付きの服やパーカーを着ないのではなく、TPOに合わせて服を選ぶようにしましょう。
ランドセルやバッグ
ランドセルを背負ったまま遊んでいて、遊具に挟まって窒息してしまったというケースも後を絶ちません。こうした事故を防ぐために大切なのは、まず寄り道をさせないこと。子供は一度公園に行ってしまえば、テンションが上がりランドセルを背負っていることなど忘れて遊び始めてしまいます。
もちろん家庭でも学校でも、下校時の寄り道は禁止している場合がほとんどですが、中には言う事を聞かずに寄り道をしてしまう子も当然います。そうならない為に、低学年のうちから厳しく繰り返し寄り道をしないよう言い聞かせましょう。また、いつもより下校が遅いなと感じたら、学校に問い合わせたり、通学路をチェックするなど早めに行動を起こすようにしましょう。
目を離さない
子供が3歳位になると親が側に付いていなくても公園で遊べるようになるので、少し離れたベンチに座っていたり、ママ友と会話をしていて子供をあまり見ていない親が増えてきます。しかし、子供は何をするのか予測不能です。ちょっと目を離した隙に、高さのある遊具から転落してしまう可能性も大いにあります。
父親がいつもスマホばかり見ていて子供のことを全然見ていないんじゃないかと考えた母親が、ユーチューバーに協力してもらい、父親の前から子供を誘拐しようと試みます。結果、子供は簡単に連れ去られてしまいました。父親は子供に知らない人が近寄って行くのも、お菓子を与えられているのにも全く気付きませんでした。
子供の年齢に関わらず、公園で遊んでいる時は子供から目を離さないということを徹底するだけで、減らせる事故が沢山あります。
・どうしてもスマホをチェックしなくてはいけない時は、子供も飲み物休憩にして、一旦ベンチに座らせる。
・ママ友との話が盛り上がってじっくり話したいなら、カフェや家などに移動する。
・疲れていたり、体調がいまいちで集中力に欠けている時は、無理に公園に行かない。
遊具の危険性を教える
子供が小さいうちは、親が目を離さないことで遊具での事故を減らすことが出来ますが、子供が成長して親抜きで公園へ行くようになるとそうもいきません。そこで大事なのが、小さいうちから遊具の危険性をきちんと教えることです。
「スケートボードや自転車ですべり台を滑るとコントロール出来なくなり危険」「うんていの上に登ってふざけると転落の危険がある」など、具体的にどのように危険だからしてはいけないのかを子供に説明しましょう。
家庭内で子供が遭いやすい事故
本来、安全であるはずの家の中でも、注意を怠れば子供が命を落とす可能性が出てきてしまいます。「今まで大丈夫だったから」という考えを捨てて、もう一度きちんと安全を見直しましょう。
食べ物による窒息 【ミニトマト・ブドウは切る】
誤飲や窒息によって、東京消防庁管轄内だけでも毎年1000人以上の子供が救急搬送されています。子供が小さいうちは、誤飲の恐れがあるものは手の届く範囲に置かないなど対策をしている家庭がほとんどかと思いますが、意外と見落としがちなのが、子供が少し成長してから起こる食べ物による窒息です。
以前、給食に出た白玉が原因で窒息死してしまった事件がありましたが、それ以外にも気を付けたい食べ物があります。内閣府の教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインには、ミニトマトは誤嚥や窒息を引き起こす可能性があると記載されています。また、イギリスでもミニトマトとブドウ(マスカットなど皮つきで食べるタイプ)を幼稚園や小学校低学年に食べさせる場合は、切って提供するように呼びかけています。
窓からの転落
家庭内で起こる高所からの転落事故というと、ベランダからの転落が多いイメージですが、東京消防庁によると実際は窓からの転落事故の方が多いそうです。注目すべきポイントは、「まだ、しっかりと歩けないから大丈夫」と思いがちな1歳代や、「危険だと分かっている」と思いがちな5歳代でも転落事故が起きていることです。
ベランダの室外機の危険性(子供が登って転落の原因となる)については周知されていますが、このように、窓からの転落も油断出来ません。窓枠に登れないように、家具は窓から離して置くようにしましょう。また、ほんの一瞬であっても子供を残してその場を離れる時は窓(鍵も)を閉める習慣を付けましょう。
お風呂での溺水
少し前に、家庭内での溺水(気道内に水などの液体が入り、窒息すること)についてこんなツイートが話題になりました。
乳幼児の不慮の事故で2番目に多い「溺水」。溺れる時、バシャバシャもがくのは映画の世界だけです。溺れた状況を理解できず、もしくは呼吸に精一杯で声を出す余裕もなく、静かに沈みます(本能的溺水反応といいます)。隣の部屋にいれば音で分かると思ったら大間違い。入浴中は気を付けましょう。
— 教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ (@oshietedoctor) 2017年9月27日
さっきの溺水のツイートを、制作チームのイラストレーターがイラストにしてくれました。 pic.twitter.com/adpqSDkeih
— 教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ (@oshietedoctor) 2017年9月27日
東京消防庁の発表によると、お風呂で子供が溺れる事故が多発しているそうです。実際に母親が5分間目を離した隙に、4歳の子供が溺れて救急搬送された事故も起きています。
安全な毎日を過ごすために
「子供のうちから多少危険なことをすることで、自然と危険を回避する能力が身に着く」「過保護過ぎると、成長しても何が危険かわからない」など耳にすることがありますが、筆者はこれらの意見には賛成できません。子供は成長していけば、理解力が高まり想像力も働くようになるので、実際に体験していないことでも、何が危険なのかわかるようになるのではないでしょうか。
「車に轢かれた経験がないから、車にぶつかるのが危険だということがわからない」という大人はいませんよね。子供が小さいうちは、事故につながるリスクを取り除くのが親の責任だと思います。
子供たちが楽しく安全な毎日を過ごすために、身の回りには危険なことが沢山あるということをもう一度しっかり認識しましょう。
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