意見を言うのは苦手?周囲に嫌われずに自分の意見を通す方法とは
上司や同僚に意見を言う、会議で発言をする、顧客に新しい商品を提案する…職場で自分の考えを述べなければいけないシーンは多々ありますよね。そんなとき、「自分の考えに自信がない…」「こんなことを言うと、周囲に嫌われるんじゃないか?」「上司から生意気だと思われるんじゃないか?」と、意見を言うことをためらったりしていませんか?
「意見を言うのが苦手」という人は、ぜひこの記事を参考にしてください。周囲に嫌われずに意見を通す方法を紹介します。
Contents
なぜ自分の意見が言えないの?
「会議の内容に興味がない」「自分がやっている仕事に対して改善意識がない」こんな風に何も考えていない人なら、意見が言えないのも当然ですよね。そうではなく、「自分はこうしたい!」と明確な考えがあるにも関わらず、意見を言うことを尻込みしてしまうのは何故なのでしょうか?
声の大きい人に負けてしまう
あーもうだめ、職場行きたくない。ただただ体調が悪くなるだけ。もうほんと色々直接言ってやりたいのに、過去に辞めた先輩に「上司の私がいうことが正しいんだから!!」って言ってるのを別室でもない所で怒鳴ってるのを聞いてから自分の意見を何も言えない。
— 転職したい実(9/23海27陸) (@mkk_mnr) 2017年9月6日
物理的に声が大きいということではなく自己主張が激しい人が近くにいると、その人の意見に押し切られてしまうことがありますよね。その人が人格者で、仕事の実績もきちんと出している人であれば「あの人が言うなら…」とう周囲の同調圧力に負けてしまうことが多いのでしょう。
それが上司だった場合、どんなに理不尽な主張でも部下からは何も言えないということが往々にしてあるようです。
自己主張が強いと傲慢と思われる?
退職理由の1位が人間関係なのはすごいわかる気がするなぁ
言いたいこともズバッと言えないというか言わないのが優しさだと思ってるところ(どーせ裏で悪口言うくせに)とか、上司に意見することは生意気だと見なされるところとか。縦社会すぎるんだよなたぶん日本は。— Tamami Ito (@1226_tama) 2017年9月2日
仕事をしていく上で、「多少強引なやり方であっても、きちんと主張するべきことは主張したほうが良いのか?」「他人の意見に合わせる協調性を重視したほうが良いのか?」どちらをとるのがベストな選択なのか迷うこともあるでしょう。これは男女の性別に関わらない悩み事だと思いますが、女性の場合は特に注意が必要です。
アメリカのジェンダーコンサルティング会社のCEO、アビバ・ウィッテンバーグ=コックス氏は、その著書の中で
と警告しています。
ジェンダーバイアス・フリーという考え方が進むアメリカでもそうなのですから、日本に至っては言わずもがな。「出る杭は打たれる」確率は、男性より女性のほうが高いということになります。もしも職場でそんな状況を目の当たりにしているとしたら、「意見なんて言わない方がいいのかな」なんて考えてしまうのもムリありませんね。
周囲に嫌われずに自分の意見を通す方法
女性初の東京都知事となった小池百合子氏が、雑誌「プレジデントウーマン」のインタビューでこんなことを語っています。
そのハンディを払いのけるには「この人は信頼できそうだ」「話に説得力がありそうだ」という印象を与える必要があります。それも、早い段階のほうが効果はあがります。
(中略)
開口一番にとにかく一発かます。話の内容を慎重に検討するのと同じくらい、最初にどんな仕掛けができるかを考えることが大切なのです。プレジデントウーマン2017年6月号より
小池氏の言う「一発かます」とは、「笑いをとること」。本題に入る前にギャグを1つ飛ばすことで、空気を和ませ、「この人は話せる人だな」と相手に親近感を与えるのが目的なんだそうです。
都知事である小池氏ですら、「女性のハンディ」を感じているのですから、一般のワーキングウーマンは尚のこと上手に意見を述べるためのテクが必要ということですよね。何も「毎回意見を言う前にギャグを飛ばせ」というわけではありませんよ。ギャグを考えるよりもっと簡単な方法を伝授しましょう。
まずは自分の立ち位置・周囲との関係性を理解する
意見を言うことに尻込みしてしまうのは、「こんなことを言ったらどう思われるだろう…」と、不安になってしまうからですよね。そんな状況なら、まずは相手に受け入れてもらえる土壌づくりからスタートしましょう。
自分の立ち位置、相手との関係性を理解し、距離がある相手ならその垣根を取り払う努力をしましょう。
- 自分の意見を述べる前に、相手の話をよく聞く
- 何かお手伝いすることはありますか?と、相手の懐に飛び込んでみる
- ランチや飲み会など、仕事以外の場所でコミュニケーションを深めていく
など、相手との信頼関係が深まっていけばいくほど意見は言いやすくなるでしょう。
気難しい上司ならあえて事前に相談する
「事前に上司に言うと横やりを入れられそうだから、黙って進めちゃおう…」気難しい上司に自分のプランを潰される前に既成事実を作ってしまおうという意図かもしれませんが、相談せずに仕事を進めていると後からもっと面倒なことになってしまうこともありますね。
自分の意見を通したいなら上司を味方につけるのが一番手っ取り早い方法です。味方にするためには「事前に相談する」というのも一つの方法です。
ポイントは、相手に「主導権を握っている」と思わせること。そのためには、本命のプランの他にダミーの案を2つ用意して3つの案の中から上司に選んでもらうというのがベストです。自分のアドバイスによって事が進められていると思えば、上司は機嫌よく見守ってくれるでしょう。
不満だけを言うのではなく解決策を用意する
仲の良い同僚が集まると会社の愚痴ばかり…なんていうのはよくあることです。吐き出すだけで満足することもありますが、それでは事は解決しませんよね。不満が積もりに積もって我慢できず「上司に直談判する!」と、意を決した経験がある人もいるでしょう。
しかし、ただ不満を並べるだけでは、あなたの評価はマイナスになってしまうかもしれません。「文句を言っている」と思われないコツは、解決策も用意して提案することです。
「〇〇に困っています。××のようにすることはできませんか?」というように相談モードで提案すれば、仮に却下されたとしても、「単なる文句ではなく改善案の提案」とポジティブに評価されるでしょう。
対立している場合は相手の逃げ道を用意しておく
会議中に意見が対立してしまうこともありますよね。対立する相手を説得しようとしたり、ぐうの音もでないほど論破してしまうのはあまり得策ではありません。
力業でねじ伏せれば相手は感情的になるだけです。怒りであらぬ方向に議論がそれてしまったり、何を言っても聞いてもらえず、相手に「自分は絶対折れないぞ」と強固な意志を持たせてしまうかもしれません。これでは後々まで禍根が残ってしまうでしょう。
意見が対立してしまいそうなときには、相手の逃げ道を用意しておきましょう。要は「それなら仕方ない」と相手が思えるポイントです。
例えば
と言えば、相手が「知らない」ことに対して正当性を持たせつつ、「それなら、折れてもいいかな」と思わせることができます。対立しているときには、相手を追い詰めないことが大切です。
反論はCER話法で
逆に自分が人の意見に反論する場合のことを考えてみましょう。相手の意見を即座に否定してしまっては、その後の議論が感情論に走りがちです。
コミュニケーションスキルの専門家 箱田 忠昭氏は、著書「いつも「うまくいく人」の反論の技術」の中で、反論にはCER話法を活用すべしと述べています。
CER話法とはCushion(クッション)、Example(具体例)、Reason(理由)の頭文字をとったもので、クッション言葉で反対意見の受け止め⇒具体例の提示⇒理由を説明の3つのステップで反論する話法です。
クッション言葉とは、その名の通りこれから述べる反対意見の衝撃を和らげるクッションになる言葉です。いきなり反論するのではなく、まずは相手の意見を肯定的な言葉で受け止めます。
<クッション言葉の例>
- そう思うのは当然ですよね
- なるほど、そこがポイントなんですね
- そうですね。私もそう思います
- 普通はそう思いますよね
このように相手の考えを肯定することで、対立の構図をなくし気持ちを和らげておきます。
「反論される」と思っていた相手は「うん?なんで同意するんだろう?」と不思議に思うかもしれません。そこで話が終わってしまうと、あなたの主張は通らないことになってしまうので、すかさず次のステップに進みましょう。
ステップ2は具体例や成功事例の提示です。
例えば、提案したことに対して「それはムリ」と反対されてしまった場合、
上司「その案はちょっとムリだと思うよ。前例もないしね」
あなた「やっぱりそう思われますよね。私もムリだと思ったのですが、〇〇課では前例のない××を導入して成功しているんですよね」
ここでのポイントは、事実を伝えることで相手の興味を惹きつけることです。事例がなければ、データ、著名人のコメントなどでもOKです。相手に「もっと詳しく聞きたい」と思わせる具体的な内容を考えてみてください。
相手が聞く耳を持ってくれる状態になったところで、自分がこの意見を通したいと思う理由を述べます。理由は「自分の思い」を語るのではなく、相手のニーズやメリットにかなうものを軸に考えましょう。
あなた「どの部署もやっていないからからこそ、メリットがあると思いませんか?うちの課が先行で始めれば、そのやり方がスタンダートになるわけだし、成功すれば社内での発言権も強くなりますよね」
CER話法を成功させるポイントは、肯定的な言葉で会話を繋いでいくことです。イエス・バット法のように「そうですね。しかし…」というように肯定してから否定するという話法より、イエス・アンド法 「そうですね。それについては…」「そこで、少し説明すると…」というように、肯定的な言葉を続けるようにしてみましょう。
断定的な話し方に注意!
前回の記事「伝わる話し方のコツ」では、「あやふやな表現を使わずに語尾まで言い切る」と説明しました。意見を言うときもこの点は同じですが、もう一つ注意したいのが、断定的な話し方をしないということです。
- 「絶対〇〇です!」
- 「この方法しか考えられません」
- 「〇〇に決まってます」
こんな物言いでは、自分の意見をゴリ押ししている自己中な人にしか見えません。周囲と調和を守りながら自分の主張を通したいなら、断定的な表現を使いすぎないように注意しましょう。事実やデータを提示することで十分説得力を高めることができます。断定的な話し方をしなくても、あなたの意見は伝わるはずです。
本当に通したい意見は最後まで貫き通す
何度却下されても一貫して同じ主張を繰り返していると、反対意見を持っていた人も「もしかして自分の考えが間違っているのかも…」と考えはじめ、意見を覆すことがあります。これが心理学でいう「モスコビッチの方略」です。
ポイントは、却下されても「折れない」こと、最初から最後まで意見を変えずに「ブレない」ことの2つです。一貫して自信に溢れる態度で主張することが、相手に「考え直してみようかな」と思わせるコツです。
ただし、その主張が明らかに間違っている場合は、単に「ウザい人」と思われてしまいますので、正当性や妥当性があると確信を持って言える主張だけにしてくださいね。
職場での自己主張は”押し”と”引き”を上手に使って
会社である程度のポジションを目指すなら、自分の意見を通す=自己主張は必要です。ただし、強すぎる自己主張は、ゴリ押し、傲慢、気が強いなど、周囲から反感をかう結果に繋がるので要注意!特に女性が男性と同じように行動しようとすれば、まだまだ風当たりが強いというのが実情です。その点は意識して行動するようにしましょう。
大切なのは、意見を貫くときと周囲との調和を優先するときを見極めること。要は”押し”と”引き”を上手に使い分けるということです。自分が意見を言った後のことに想像力を働かせ、「この主張を通すことがチームのためになるか?」を基準に考えてみましょう。
意見を通すには伝え方も大事!
⇒「伝え方が下手で損してない?これさえ守ればOK★伝わる話し方のコツ」
プレゼンで自分の意見を通したいなら
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