30代からの浴衣の柄選びで注意することは?体型別のオススメの浴衣も!
浴衣を買おうと思うのだけれど、30歳も過ぎた今どんな柄を選べばいいのか、何か注意することがあるのかわからない!という貴方。浴衣の柄選びのポイントや、体型別のオススメの浴衣をご紹介します。
Contents
浴衣の色の基本
浴衣はもとは木綿の白地を藍で染め抜いた柄、もしくは藍色の地に白の柄と、白と藍色の色の組み合わせが基本でした。柄は大胆なものが多かったようです。
浴衣の生地の基本
もとをただせば麻から始まりますが、基本は“木綿”です。現在ではそれに麻を混ぜたもの、ポリエステルを混ぜたものなどが出回っています。浴衣の良い点は自宅でザブザブ洗えるところです。夏着としてはありがたいですね。
30代以降の浴衣の柄の選び方
着物の柄は日本には四季があるということが前提になります。その季節のもの、もしくは季節を少し先取りするというのが着物の世界では常識となっています。
浴衣の柄の基本
現在、浴衣で“桜柄”というのは珍しいものではありませんが、本来ならば夏に桜の柄というのはありえません。浴衣(着物)の柄はその月の柄か、次の月の柄を先取りするものです。ということは7月か8月の柄になります。
7,8月の柄は次のようなものがあります。
しかし普段着物に余り興味のない人でも、夏には浴衣を着たいという人は多いですよね。着物業界でも7,8月の短い期間に浴衣を購入する方が多いため、客の好みを優先するようになっていったのです。そのため浴衣には日本人が好む“桜の柄”などの季節が夏でない柄もあり、色もさまざまな色が浴衣に染められています。
本来は湯上がりの着衣としての浴衣であったという歴史も踏まえ、現在の浴衣はとても自由になりました。浴衣を着る時期も6月から9月まで浴衣を楽しむ人も増えました。
30代以降の女性としては、そのような基本を頭におきつつ、浴衣を選ぶと楽しみも増えると思います。
7,8月の元来の浴衣の柄
基本的には7,8月の浴衣の柄はどんなものか、代表的なものをご紹介します。
朝顔
夏といえば朝顔の花を真っ先に連想する人もいらっしゃると思います。夏にぴったりの柄ですね。
金魚
金魚が水にたゆたう姿がとても涼しげで、しかも赤ではなく緑の金魚が大人っぽいですね。
とんぼ
トンボの図柄はこんな風にポイント的に使われることも多いです。スーッとしたトンボの姿は秋をも感じさせて涼やかですね。
月うさぎ
こちらはアンティークの帯です。“うさぎ”は跳ねるので飛躍や出世の願いを表します。“月”は、古い仏教説話にこんな話があります。
猿、狐、兎の3匹が山中で老人が倒れているのに出会い、猿と狐は老人に食料を与えることができたが、兎は何も採ってくることができなかった。
どうにか老人を助けたいと思った兎は、火の中に飛び込み我が身を食料として捧げた。
実は老人は帝釈天であり、兎の慈悲の行いを後世に伝えるために月に昇らせた。
流水
流水の模様がはいっていると、浴衣のデザインに動きを感じます。流水の模様は川に落ちた花などをイメージしやすい為か、他の模様と一緒に使われることが多いようです。こちらの写真では帯にも流水の模様が入っていておしゃれですね。
雲
奈良時代から雲の文様は使われてきました。お寺などの装飾などにも使われることもあり、割と見慣れた柄だと思います。
波
波の動きが自由自在にうねっていて、これが全体にあしらわれていると見栄えがしますね。
緑のもみじ
白地にスッキリとしたシンプルな緑のもみじは夏の暑さを忘れそうですね。
秋の七草
夏の暑い盛りに来る秋の様々な花が散りばめられていて、見ているだけでも風情がある柄ですね。
雪輪
赤い絞りの部分が雪輪の基本的な形です。江戸時代に雪の結晶は6角だと分かり、6つの窪みのある形となっています。雪の結晶なのに赤、赤なのですが絞りが入っていて涼やかという、とても大人っぽい遊びのある柄です。実は“秋の七草”でご紹介した柄も“雪輪”の中に草花が描かれている柄です。
体型別おすすめ浴衣の柄と色
人の体型はそれぞれです。体型別に似合う浴衣や帯の柄や色をご紹介します。
身長が低い人
身長の低い方は、浴衣と帯の色を暖色系の淡い色合いで統一する、もしくは帯を浴衣の主な色と同色にすることをオススメします。
浴衣の柄は小ぶりのもの、目安としては手の甲ぐらいの柄が全身に散りばめられているようなものを選びましょう。縦模様の柄が入っているのも良いと思います。こうすることで全身が帯のところで分断されずに、スラリとした印象になります。
こちらはSOUSOUさんの浴衣です。全体的に淡いあたたかな色合いで、柄は手の甲ぐらいの大きさで遠目からも分かります。帯の色もトータルイメージの紫色で、見る人に優しくふんわりとした印象を与えます。
こちらはつゆくささんの浴衣です。全身にさまざまな絞りの技法が使われています。甘くなりすぎない紫よりのピンクでほんわりとした優しい色合いで、帯も浴衣の色の一色を使っており統一感があります。
柄も全体的に縦に流れていてすっきりとした印象に。柄のなかにはハートも隠れていて、小柄の女性の可愛らしさも表現できる浴衣です。
身長の高い人
身長の高い人は、浴衣の柄は大きめなハッキリしたものを選び、帯はメリハリをつけて浴衣の反対色や無地のものを選ぶととても映えます。身長の高いのがコンプレックスという人は、帯の下に柄のあると目線が下にいくのでカバーできます。
こちらは着物作家・重宗玉緒さんの浴衣です。着物の半身にレース柄が入っており、反対側は黒の無地。帯もパキッとした色合いです。背の高い人はこういうインパクトのある浴衣も重くなく着こなせます。
こちらはろっこやさんの浴衣です。印象的な青色にシャボン玉が全身に散りばめられ、帯も同色という、身長の高さよりも浴衣の美しさに目がいく浴衣だと思います。
痩せている人
痩せ型の人は、あまり色の淡い浴衣を着ると少し寂しい印象になりがちです。浴衣の色はある程度色味のあるものを選びましょう。
浴衣全体に大振りな柄が入っているデザインも視線を分散させ華やかに見せてくれます。帯は柄の入ったものを選ぶと、胴回りの薄さが目立ちません。
こちらは芸艸堂(うんそうどう)さんの浴衣です。全体的に赤い椿が散りばめられていて、見る人の視線を分散させます。
帯も“博多献上”と呼ばれるもので、仏具の“独鈷”と“華皿”の文様が施された繊細な美しさがあるもので、これもまた見る人の目が柄へと行きます。その結果、貧相さを感じさせません。
こちらは撫松庵さんの浴衣です。全体的にインパクトのある色で全身に麻の葉柄の変形のような印象的な柄が施されているので、デザインの強さが貧相な感じを与えません。帯にもワンポイントの図柄と帯地にも織り模様が施されているので、帯自体の存在感を感じさせます。
ふくよかな人
ふくよかな人は、浴衣の色は暖色系を避け、しまった濃い色を選びましょう。全体的に縦柄の雰囲気のシャープな柄を選ぶとすっきり見えます。小さめの柄が全体的に施されているものなどは、重さを感じさせるので避けましょう。
こちらは撫松庵さんの浴衣です。紺黒系の色に縦縞は全体的にしまります、しかも帯に金魚柄が入ったものを合わせ、本来浴衣には必要のない帯留めに金魚鉢の小さな飾りを使うなど、おしゃれに関心のある方なら、思わず見てしまうものが沢山あり、目線の集中を散らします。
こちらはゆかた三勝さんの浴衣です。コーヒー豆という斬新な柄が縦に並んでいて縦縞の印象を与え、白と黒のはっきりとした色が交互に並んで、パキッとした色合いになっています。この組み合わせがしまった色合いを印象づけています。
現代の浴衣はこんなに自由です
現代では、浴衣の柄にタブーはないと言ってもいいでしょう。浴衣自体にも色々なものが作られています。ご自分の好きなものを選ぶ自由があるというのが現代の浴衣の選び方です。
これはさく研究所さんの浴衣です。袖がスカラシップレースになっています。現在ではこのような浴衣もアリなのです。あなたの好きな浴衣を選べばいいのです。それでも自信がなかったら、古典柄をベースに選ぶのが一番無難です。どうか楽しんで浴衣を選んで下さい。
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