猫の膀胱炎の治し方は?原因や症状と対策を知って愛猫の健康管理を
現在、空前の猫ブームと言われています。家族として迎えいれた小さな命、元気でいてくれるのがいちばんですが、やはり生き物ですから病気もします。今回は猫が膀胱炎になった場合の治し方についてご紹介します。
Contents
猫が普段と様子が違うことに気づいたら
トイレにいく回数が多い
筆者が猫の異常に気がついたのはトイレです。ウチではドーム型のトイレをつかっているのですが、いつもトイレにいっておしっこをする回数は1日にせいぜい3、4回です。それが頻繁にトイレに入っていることに気がつきました。しかもトイレに入っている時間が長いのです。やっとトイレから出てきても、またトイレに入ります。おしっこをした後の砂が少し赤いように見えました。
尿道付近を何度も舐める
トイレから出ると、何度も何度も尿道付近をなめていました。
トイレに行く回数
猫はもともと砂漠で生きる動物であったため、あまり水を飲みません。しかし、猫が1日に1度もおしっこをしないというのも、それはそれで病気の可能性があります。
その他に病気が疑われる症状
普段より極端におとなしい、食欲不振や嘔吐を繰り返す、水をいつもより飲んでいるのにおしっこが出ないなどの症状がある場合も、それが続くようであれば病気の可能性があります。
自己判断で対処しない
現在では通販で猫の薬を安く購入することや、人間用の薬もありますが、勝手に病気を判断して猫に飲ませるのは絶対にやめましょう。素人では分からない病気にかかっている場合もあるのでとても危険です。
なるべく早く動物病院に連れていきましょう。
病院ではどのような診察をされるのか
病院でどのような診察をされるのか不安ですね。筆者の猫の場合を紹介しまので、参考としてご覧下さい。
1.触診
まずは診察台に猫を載せて、猫にどんな異常があったのか医師に説明します。医師は話を聞きながら、猫の全身の様子を触りながら確かめていました。
2.エコー検査(超音波検査)
次にエコー検査(超音波検査)で医師と一緒に画像に映し出される猫の腎臓と膀胱の様子を見ます。エコー検査は調べたい部分に超音波を当てその反射を映像化するもので、内臓の様子を猫に痛みを与えずに見ることができます。
筆者の猫の腎臓には石(腎臓結石)がありましたが、小さいので大丈夫だろうとのこと。膀胱に炎症や腫瘍などもないとのことで安心しました。
エコー検査は猫を横にしてお腹の部分を医師の方に向けてじっとしていなければならないので、病院嫌いな猫は暴れてしまう場合もあります。そういう場合はエリザベスカラーなどをつけて検査するそうです。
3.尿検査
エコー検査が終わると、尿道から管を差し込んで(カテーテル)採尿しました。先生が上手だったのか、筆者もカテーテルで採尿するのだと気づかないうちに、もう採尿中ですぐに終わりました。女の子の猫の多くはカテーテルで採尿されるのをとても嫌がるそうで、注射で採尿されることが多いそうです。
4.尿検査でわかること
猫の尿検査では、尿ph値・尿蛋白・潜血・尿糖(グルコース)・白血球の異常を調べます。検査の結果に基づいて猫の病気を発見し、治療方針を決めます。
成猫(生まれて1年を過ぎた猫)の一番かかりやすい病気は猫の体の構造上、下部泌尿器症候群、つまり尿石症・膀胱炎・尿道閉塞です。また高齢の猫では腎不全があげられます。
猫の膀胱炎とは
猫がかかりやすいと言われる膀胱炎。その原因と症状についてご説明します。
猫の膀胱炎の原因
猫が膀胱炎にかかる原因としては大きく分けて3つあります。1つは尿道からウイルスが入り込んで膀胱に達し、炎症を起こすことで発病します。2つ目は尿のph値に異常があったり潜血があり、尿結石や尿結晶が出来てしまい、膀胱の粘膜を傷つけて炎症が起こる場合です。
3つ目は“突発性膀胱炎”と呼ばれ、原因が特定できない膀胱炎です。猫の膀胱炎の約半数はこの“突発性膀胱炎”だと言われています。これは主にストレスや肥満が原因ではないかと考えられています。
猫の膀胱炎の症状
猫も膀胱炎になると人間と同じように、排尿する際に痛みや不快感を感じるそうです。そして頻繁にトイレに行くのにおしっこが出ない、血尿が出る、細菌が繁殖して白濁したおしっこが出ることもあるそうです。またお腹を触ると痛がることもあるそうです。また、膀胱炎は残尿感があるため、トイレ以外の場所でおしっこしてしまうこともあるようです。
動物病院での所見と対応について
筆者の猫の場合、ウイルス感染が考えられる膀胱炎ということで、抗生物質の薬を一週間分処方されました。そしてその他に猫の食事を見直すという提案をされました。
今まで筆者の猫は普通の安いカリカリしたキャットフードを食べていました。しかし猫の膀胱炎は再発しやすい病気だそうで、食生活を変えるというのは、猫のおしっこの成分を正常にし、尿結石や尿結晶が出来ないようにして膀胱炎を予防するということだそうです。キャットフードのサンプルをいただきました。
動物病院で勧められた食事療法食
食べ物の選り好みが激しい猫もいるということで、動物病院で5種類のキャットフードのサンプルをいただきました。筆者の猫の症状には“ROYAL CANINの猫用pHコントロール+CLT”というものが一番合うと言われました。
phote by onewoman
これには猫のおしっこのpHバランスを整え、更に猫のストレスを和らげる成分が含まれているそうです。これは健康な猫が食べるキャットフードではありません。特定の猫の病気用に調整された食事療養食です。そのため通販での販売はなく、処方箋をもらった動物病院でしか購入できません。2kgで税込5,720円です。正直、安いものではありませんが、効果はあるのではと感じています。
猫の膀胱炎を再発させないためには
猫の膀胱炎の再発を防ぐために飼い主が気をつけなければならないことは、猫の“食事、水飲み、トイレ、ストレス”に関してです。
食事管理について
動物病院に通っていて、もう今までの病気療養食から通常のキャットフードに移行しても大丈夫だと言われた場合、今後のキャットフードについてお薦めのものを紹介してもらったり、サンプルをもらって猫に食べさせることが出来たら理想的ですね。
しかし、紹介してもらうことができたとしても高額過ぎるとか、猫が食べないなどの問題がある場合は、自分で探さなければいけません。その場合一番気をつけなければいけないのは、キャットフードの安全性です。そのためには必ずパッケージの原材料や成分表を確認して、何が使われているのか確かめましょう。
1.キャットフードの安全性とは
まず“原材料は全てヒューマングレイド(人間用)です”と表示・公表されていれば一番理想的でしょう。つまり人間でも安心して食べられる品質のものであるということだからです。原材料として“肉類”などと曖昧な表示がされているものは注意が必要です。“骨抜き鶏肉”“サーモン”などと具体的に表示されているものにしましょう。
また猫は肉食動物です。原材料の中に穀物が多く含まれているものがありますが、猫は穀物を消化する酵素をもっていないので、長期にわたり食べ続けると病気を引き起こす原因になりかねません。
そしてキャットフードに関しては国産のものが良いとは言えない状況にあるようです。
2.キャットフードの注意すべき添加物
キャットフードが店頭で販売される限りは、腐敗を防ぐため添加物はどうしても必要です。しかし必要以上に入っているものや化学合成添加物(人工添加物、化学合成されたBHA、BHT、エトキシキンといった酸化防止剤)の明記があるものは避けた方がよいでしょう。また、“赤色○号”などの合成着色料を使ったカラフルなキャットフードも猫の体には毒になります。
3.食事の与え方
膀胱炎を繰り返す猫は、膀胱の中のおしっこのpH値が高く、細菌や結晶が出来やすい状態になっています。おしっこのpH値は食後に高くなります。そのため餌を常に置きっ放しにしておいて、猫がだらだらと食事をし続ける状態になると、常におしっこのpH値が高い状況が続き、膀胱炎になりやすくなってしまうのです。猫が1日食べる食事量を2回~4回程度に分けて与えるようにしましょう。
水飲み
特に膀胱炎を患った猫は、沢山水を飲んでおしっこをして膀胱の中を清潔にすることが大切です。しかし前にも述べたように猫は砂漠で生活していた動物なので、もともとあまり水を飲みません。そのためいつも新鮮できれいな水を入れた容器を家の中のいくつかの場所に置いたり、キャットフードをドライのものではなくウエットタイプにするのも有効です。
また蛇口から流れる水を飲んだり、流れている水を飲んだりする猫も多いので、猫用の自動給水器などを使うのもよいでしょう。
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トイレについて
猫のトイレの数は、理想としては猫の頭数プラス1と言われています。頭数分しかない場合はもう1つトイレを用意してあげましょう。またトイレの場所は静かで落ち着けるなるべく寒くない場所にすると最適です。猫は寒かったり面倒だったりすると、おしっこを我慢してしまいます。
また猫はとてもきれい好きな動物です。猫がおしっこをする時に、前回おしっこで濡れた砂が、猫のおしっこの排尿口部分に当たらないように、砂をまめに取り替えるなど、トイレはいつも清潔に保ちましょう。
とにかく猫がおしっこをしたくなったときにストレスを感じないトイレ環境を作ることが大事です。
ストレスを与えないようにする
猫は基本的に自分のテリトリーを大事にしますので、猫の居場所を変える時や知らない人が訪ねてくる時などは、お気に入りのタオルと一緒に移動させたり、なるべく安心感を与えるようにしましょう。
また騒音や寒さもストレスの原因になりますので、テレビなどの音量や部屋の温度調節にも注意しましょう。先程のトイレにスムーズに行けない状況もストレスになります。猫がリラックスして生活できる環境づくりを心がけましょう。
愛猫の健康管理は飼い主の義務
よく言われることではありますが、猫は病気にかかっても“ここが痛い”などと伝えることは出来ません。だからこそ飼い主が猫の食べ方やトイレなどに注意して早く変化に気づいてあげたいですね。
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