昼寝がいいって本当?短時間でも劇的効果をもたらすパワーナップとは
ランチの後、眠くて眠てたまらなくなることってありますよね。コーヒーを飲んだり、目覚ましガムを食べてみたり、「シャッキとしなきゃ!」と思うんだけど、一向に眠気が覚めない…困りますよね。
そんなときには、コーヒーでもガムでもツボ押しでもなく、思いきって昼寝をするのがベスト!です。昼寝なんていうと、仕事をさぼってるような感じがしてしまいますが、午後の短時間の仮眠が仕事効率をアップさせることは、NASAの研究でも実証済。日本の厚生労働省も「健康づくりのための睡眠指針」の中で、昼寝を推奨しているんですよ。
少しの時間でいいから、お昼寝したいよぉ。厚労省が推奨しているならいいですよね。応接室のソファでも借りちゃおうかな。空いてるか見てこよぉっと。
昼寝を効果的行うためには、時間や寝方などにちょっとしたルールがあるんです。睡眠効率を最大限に生かす、正しい仮眠法それがパワーナップです。海外企業も積極的に取り入れているというパワーナップの効果、そして正しいやり方を紹介しましょう。
Contents
午後になると眠くなるのはナゼ?
しっかり寝たはずなのに午後になると眠くなることがありますよね。これは何故なのでしょうか?
食事をすると眠くなる
「ご飯を食べると眠くなる」と言いますが、これは覚醒作用があるオレキシンというホルモンの分泌が食事によって抑制されてしまうからなのだそうです。夜寝る前に極端な空腹状態になると「お腹が空いて眠れない」と感じますよね。これは空腹時にオレキシンの分泌が増加して、覚醒作用が強く働いてしまうためです。逆にお腹いっぱいに食べてしまうと、オレキシンの分泌が抑制されるため覚醒する力が弱まり眠くなってきます。
1日2回眠くなるのは体内時計のサーカディアンリズムによるもの
人の体内リズムにはいくつかの周期がありますが、睡眠に大きく関わっているのが、25時間周期で訪れるサーカディアンリズムです。サーカディアンリズムとは、睡眠と覚醒を初め、血圧、ホルモン分泌、体温の変動などのリズムのことで、一般的には体内時計と呼ばれています。体内時計は、朝の光によってリセットされ、1日24時間の生活リズムと同調されるようになっています。
体内時計の睡眠リズムは、午前2時~4時の間に眠気のピークを迎え、このときが一番眠気を生じる時間になります。そして就寝から15時間後に2回目のピークが訪れます。24時に就寝したとすると、午後3時がピークということになりますね。
パワーナップがもたらす劇的効果とは?
昼寝や仮眠のことを英語でナップ(nap)と言いますが、昼間15分~20分の仮眠を行うことで、仕事のパフォーマンスを高めようというのが、パワーナップ(power-nap)です。パワーナップは、単に「眠気を覚ます」だけではなく、仕事の効率アップや健康に関わる5つの効果があると言われています。
脳の疲労を回復して創造力をアップ
午前中は頭がクリアな状態なので、身体を動かす作業より頭を使う「思考」の時間に当てているという人が多いかもしれません。その分脳は疲れているはず。眠気が襲ってくるのは、脳が疲労を感じている証拠ですよね。疲れた脳では新しいアイディアやクリエイティブな発想は生まれません。仮眠で脳を休憩させることで創造力アップが期待できます。
認知能力、注意力を高める
宇宙飛行士が宇宙に行くと、30分~2時間半ほど睡眠時間が短くなってしまうのだそうです。このためNASA(アメリカ航空宇宙局)では、1995年頃から仮眠に関する研究が進み、様々な実験が行わています。このNASAの実験によると、昼に26分間の仮眠をとることで、認知能力が34%上昇し、注意力も54%上昇したという結果が出ています。
記憶力の向上
最新の研究では、仮眠によって脳の記憶スペースに空きができるという結果も出ています。
カリフォルニア大学のマシュー・ウォーカー准教授が行った実験は、被験者を2つのグループに分けて両者に複数の事柄を記憶するよう指示し、その後片方のグループには仮眠を取らせ、もう片方は起きたままでいるよう指示し、さらにその後、両グループに同様の作業を行ってもらうというもので、仮眠をとっていないグループの成績は、仮眠をとったグループより明らかに劣っていたのだそうです。
この実験により、仮眠(*ノンレム睡眠ステージ2)中は、脳内のキャッシュメモリがクリアされ、新たな記憶を入れるための空きスペースができることもわかりました。新しい知識を吸収するためには、寝ずに勉強するより寝てから勉強するほうが効果的ということなんですね。
*レム睡眠とノンレム睡眠については、「眠りたいのに眠れない…その原因は?誰でも熟睡できる8つの不眠対策」の記事に詳しく記載しています。こちらの記事も参考にしてくださいね。
イライラやストレスをリセット
仕事が忙しくなると、イライラやストレスを感じることが増えてきますよね。イライラしているときは、ちょっとしたことでミスを生じたり、他人の言動が必要以上に気になって、さらにイライラする…というようにイライラの悪循環が起こります。脳がオーバーヒートしているときには、そんな状態になりやすいんですね。おススメは、忙しくなる前に脳の疲れをリセットすること。早めの仮眠で脳がオーバーヒートする前にクールダウンしてあげましょう。
心臓病のリスクも低減
アテネ大学で行われたシェスタ(昼寝)と心臓病に関する調査によると、30分間の昼寝を週3日以上している人は、そうでない人に比べて心臓病のリスクが37%も低下するという結果が出ています。睡眠をとると、血圧も低下することから、脳梗塞や糖尿病の予防にも繋がります。
昼寝は仕事効率アップだけではなく、健康にもいいんですね。
パワーナップー正しい昼寝のやり方
海外ではパワーナップを推奨する企業がどんどん増えていて、グーグル、アップル、マイクロソフト、ナイキなどの大手企業では、静かな仮眠部屋を用意して社員にパワーナップの活用を促しています。
上のインスタ画像はグーグル社で使われている仮眠用のポッド。仮眠に最適な姿勢がとれ、外の音や光を遮断してリラックスするための音楽も流れるという優れもの。仮眠のためにこんな専用チェアまで用意してくれるとは、羨ましい限り!ですよね。
日本でも、パワーナップを推奨する企業がチラホラと出てきていますが、仮眠スペースまで設置してくれているのは、ほんの一部の企業だけです。一般的なオフィスでもできるパワーナップの方法を紹介しましょう。
タイミングはランチの後がベスト
午後の眠気のピークは午後2時~4時ぐらいにやってきます。パワーナップは、眠気を先取りすることがポイントなので、眠気のピークの1~2時間前にとるのがおススメ。昼休み、ランチの後がベストなタイミングです。
眠気がピークのときに寝てしまうと、深く熟睡してしまうことがあるので注意しましょう。また、午後3時以降に昼寝をすると、夜の睡眠に影響が出て眠れなくなってしまうことがあります。正午~3時の間に行うのがポイントです。
時間は15分~20分!30分以上の昼寝はNG
人の睡眠にはリズムがあります。ウトウトしているような浅い眠りから始まり、スヤスヤぐっすりというような深い眠りに到達し、そしてまた浅い眠りへと移行していきますが、この眠りのサイクルは90分周期になっています。
入眠から30分というのは、浅い眠りから深い眠りへと移行するタイミング。ここまで寝てしまうと更に深い眠りに入ってしまって起きられなくなってしまいます。また、ムリに起きると目覚めが悪く、起きても頭がボーとして仕事に支障が出てしまうことにもなりかねません。パワーナップは、15分~20分を目安に行うようにしましょう。
横にならずに座った状態で。デスクに突っ伏してもOK
ソファーやベッドなどに完全に横になってしまうと、ついつい深い眠りに入ってしまうため、オフィスで行うパワーナップは座った状態で行うのがベストです。耳栓やアイマスクを使って光と音を遮断し、リラックスした状態をつくりましょう。環境が許せば、デスクに突っ伏して寝るのもOKです。腕がしびれたり顔に痕がつかないようお昼寝専用枕などを上手に活用してくださいね。
寝る前にはカフェインを
緑茶やコーヒーには眠気を覚ますカフェインが含まれていますよね。カフェインの覚醒作用は飲んでから20分~30分後に現れるので、寝る前に1杯飲んでおけば、目覚めのタインミングで効き目が出てくるということになりますね。すっきりとムリなく目覚めることができるので、ぜひお試しください。
目を閉じているだけでもOK
「せっかくパワーナップの体勢を整えたのに、あんまり眠れなかった…」そんなときもありますよね。でも大丈夫。目を閉じて、視覚情報を遮るだけでも脳は十分に休息できています。
また、昼寝の時間や場所がとれないときには、1分間目を閉じているだけでもOKです。ちょっと頭が疲れてきたかな?と感じたときや、大切な会議の前などに試してみてください。
オフィスで使えるお昼寝グッズ
お昼寝のための専用ルームやゆっくり眠れるチェアがなくても大丈夫!オフィスで使えるお昼寝お助けアイテムを紹介しましょう。
すっぽりかぶって音と光を遮断!オーストリッチピロー
【OSTRICH PILLOW】オーストリッチピロー お昼寝用
デスクでのうつぶせ寝に最適なオーストリッチピロー。クッションを頭からすっぽりかぶることで音や光を遮断するという画期的なお昼寝専用ピローです。スペインの世界的なデザイン会社STUDIO BANANAによるおしゃれなデザイン。シェスタ(お昼寝)文化のあるスペインの会社らしい、アイディアとセンスが感じられるピローですね。
▼商品名:オーストリッチピロー
▼価格: 13,704円(2017年6月21日現在)
腰あてクッションと腕枕の2役!MOGUホールクッション
ビーズクッションのふにゃ~とした感触って、抱えているだけでも癒されますよね~。このMOGUクッションは中央に穴が開いているため、クッション部分はその穴に向かって自然に傾斜がついています。だから腰・お尻・頭にピッタリフィットするんですね。ビーズが柔らかく自由自在に折り曲げられるので、一番ラクな体勢にフィットさせることが出来ますよ。
▼商品名:MOGUホールピロー
▼価格:2052円(2017年6月21日現在)
TVで話題!テンピュールのスリープマスク
「明るいところでは眠れない」という人には、アイマスクがおススメです。普通のアイマスクなら1000円以下で買えるものが多いですが、おススメなのはあのテンピュールが作ったスリープマスク。値段はちょっと高めですが、それだけの価値があるんです。目元にしっかりフィットするので、その遮光性の高さは他のアイマスクとは比べ物になりません。
肌ざわりや装着感も抜群!快眠にこだわるテンピュールならではのアイマスクと言えますね。日テレ系「しゃべくり007」でも紹介されたため、現在品薄状態です。ご注文はお早めに!
▼商品名:テンピュールスリープマスク
▼価格: 2,424円(2017年6月21日現在)
進化した耳栓!デジタル耳せん
普通の耳栓ではあまり効果が感じられない…でも、オフィスでイヤーマフは大げさすぎる…という人におススメなのが、キングジムから発売されているデジタル耳栓MM1000です。「耳栓でデジタルって何?」と思いますよね~。実はこれ、高級ヘッドフォンなどに搭載されているノイズキャンセリングの機能がついているんです。
騒音はシャットアウトしてくれるけど、呼びかける人の声などはちゃんと聞こえるようになっています。これなら昼寝タイムだけではなく、仕事に集中したいときにも使えますね。
▼商品名:キングジムデジタル耳栓MM1000
▼価格:3,980円(2017年6月21日現在)
パワーナップで午後のパワーをしっかりチャージ!
いかがですか?一昔前は「さぼってる」「だらしない」と思われていた昼寝ですが、今ではその効果が認められ、昼の仮眠を推奨する企業が増えています。午後のパワーをチャージする短時間の昼寝タイム、毎日の習慣に取り入れてみてくださいね。仕事の効率が驚くほどアップしますよ!
昼間眠たくなるのは夜の不眠が原因…という人は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
⇒「眠りたいのに眠れない…その原因は?誰でも熟睡できる8つの不眠対策」
bitomos編集部プロフィール
そのライターの経歴や性格を知れば、今後どんどんbitomosの記事を読むのが面白くなるかも!?この記事ではライターそれぞれの自己紹介と、記事を彩るゲストキャラクターたちを紹介していきます。あなたのお気に入りのライターが見つかりますように♡