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アドラー心理学「嫌われる勇気」で人間関係の悩みを解決!仕事編

 2017/06/10 ライフスタイル ビジネス
この記事は約 19 分で読めます。 16,411 Views

SNSを見るとついため息がでてしまう…というあなた!「私だってもっとキラキラしたい…」と、友人と比較して劣等感を持ってしまったり、「リア充なキラキラ女子を演じることに疲れてしまった…」という人もいるかもしれませんね。
恋や仕事に頑張りすぎていませんか?お疲れ気味のアラサー女子たちに、もっとラクに生きるためのヒントをくれるのが、アドラー心理学です。

なごみぃ

こんにちは!ライターのなごみぃです。

今回はアドラー心理学「嫌われる勇気」を、仕事や人間関係の悩みに活かす方法を紹介します。「アドラー心理学って何?」という人は、前回の記事 アドラー心理学「嫌われる勇気」で恋の不安とサヨナラ♪恋愛編からご覧ください!

人生をシンプルに考える!「原因」より「目的」が大事

アドラー心理学

さて、前回の記事に書いたとおり、アドラー心理学の基本理念の1つに「目的論」があります。これは「人の行動には必ず目的があり、それを達成するために、出来事を都合よく解釈したり、選択したりしている」というもので、「過去のトラウマ(原因)が、人の感情や行動を左右する」という「原因論」を否定するものでした。

なごみぃ
「トラウマを否定」という考え方は、ちょっと衝撃的ではありますが、「過去に縛られない」という未来志向の考え方は、気持ちがラクになりますよね。でも、アドラーの「目的論」の衝撃はこれだけではないんです。

感情にも目的がある?

あこ
何度も同じミスを繰り返す後輩がいます。その日は生理中だったこともあり朝からイラついていて、後輩がまた同じミスをしたのを見て、ついカッとなって怒鳴ってしまったんです。

そしたら、その後輩が泣き出してしまって、まるで私がいじめたみたいな感じになっちゃって。周りからは白い目でみられるし、上司からも“感情的になるな”って叱られるし、もう最悪です…。

こんなシチュエーションって時々ありますよね。これもアドラー流にいえば、「怒りという感情に支配されてしまったわけではなく “後輩を叱りたい” “大声を出してイライラを解消したい”という目的を達成するために怒鳴った」ということになります。“同じミスを繰り返すから”“生理中でイラついていた”というのは、目的を正当化するための後付けの理由に過ぎないというわけです。
なごみぃ
う~ん、アドラー先生、かなり手厳しい意見ですよね。でも「怒り」は、一瞬のうちに湧き上がる感情で、心の中で「このシチュエーションなら大声を出しても許されるだろう」なんて考える余裕はありません。もちろん、職場で「泣く」後輩もダメだと思いますが、泣くつもりはないけど「つい涙が出ちゃった」ってことはありますよね。

アドラーは「感情は出し入れできる」とも言っています。例えば、後輩を叱っている途中で電話がかかってきたとします。最初は、やや怒鳴り気味の声で電話に出てしまうかもしれませんが、相手が顧客だとわかれば、平常の話し方に戻りますよね。

そして電話を切った後には、また怒鳴り始める…。というように「怒り」の感情は相手によって瞬時に切り替えることができるんです。つまり、感情は目的に応じて出し入れできる「道具」にすぎないのです。

「泣く」という行為もこれと同じです。
「泣く」ことで、
・周囲の同情を集めることができる
・相手がそれ以上の攻撃をしなくなる
・相手が自分の言うことを聞いてくれる
というような目的のために涙を流しているのです。「つい涙がでちゃう」というのも、泣くことで得た成功体験が身体に染みついているからなのでしょう。

もしも自分が感情的になっていると思ったら、相手の行為のせいではなく、自分が怒りたい(泣きたい)だけなのかな?と考えてみることで、一旦落ち着くことができます。なぜ感情的になっているのか?ということを言葉で説明するようにしてみましょう。

逆に相手が感情的になっているときには、「どうして欲しいのか?」を言葉で説明してもらうよう促してみましょう。それにより相手も冷静さを取り戻してくれるはずです。

今の自分は自分が選んだ結果

今の自分は自分が選んだ結果

あこ
今の仕事にやる気がでないんです。そもそも、自分はやりたかったのはこんな仕事じゃないし。女子がいくら頑張っても、どうせこの会社では認めてもらえないんですよね…。

仕事に対するモチベーションが下がる原因は色々ありますよね。

アドラー心理学の「目的論」では、このように「●●だからできない」という原因にスポットを当てることを否定しています。やる気が出ない原因の1つに、配属や会社の体質の問題があることは否定しませんが、「仕事をしたくない」という目的があって、その目的を補強するために理由を作っているだけだというのです。

大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである。嫌われる勇気

「もし●●だったら」「●●していれば」というタラレバの考えは、可能性を残しておくことで出来ない自分を慰めているだけです。可能性の中に生きているうちは自分を変えることはできません。

自分の望む仕事に就きたい、管理職を目指したいと思うなら、まずは今の仕事を頑張ってみて、上司に認められるような実績を積み上げることから始めてみてはどうでしょう?「仕事をしたくない」という目的に向かって進むより、よっぽど幸せな仕事人生が送れると思いませんか?

「そんなことはすでにやっている」というならば、転職という選択肢もあります。転職情報誌をパラパラとめくるだけではなく、専門スキルを学ぶためにスクールに通う、実際に転職を希望する会社を訪問するなどの行動を起こし、「転職」という目的に向かって進むのです。それが出来ないのは、「自分は変わらない」という決心をしているからです。

もしもこのままの私であり続けていれば、目の前の出来事にどう対処すればいいか、そしてその結果どんなことが起こるのか経験から推測できます。(中略)新しいライフスタイルを選んでしまったら、新しい自分に何が起きるかもわからないし、目の前の出来事にどう対処すればいいかもわかりません。(中略)人はいろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。嫌われる勇気

「今の自分は、過去の出来事や他者からの影響を受けている」という原因論に対して、目的論は「今の自分は自分自身が選択した結果である」としています。自分で決めたことだからこそ、変えることができるんですよね。必要なのは、「変わるんだ」という決断をする勇気だけです。

「劣等感という思い込み」からの脱却

劣等感

アドラーは、「劣等感は主観的な思い込みである」と言っています。
例えば、「太っているからモテない」という劣等感を持っている人がいたとしましょう。「太っている」というのは、誰と比較して太っているのか?「太っている」というのは、あくまでもその人の主観ですよね。また「モテない」というのも、判断しているのはその人自身です。「ぽっちゃりしている女性のほうがなごむ」「一緒にいて安心感がある」という人もいますよね。

自分では嫌だと思っていることが、人によっては羨ましいと思うこともあり、それは客観的な事実ではなく、あくまでも主観的な解釈にすぎないわけです。

また、「学歴が低い」というようなコンプレックスも、「だから人の2倍、3倍頑張ろう」と考え、劣等感をバネにして成功に結び付けることもできます。このように、与えられたものをどう使うか?という目的論で考えていけば、劣等感も克服することができますね。

劣等感と劣等コンプレックスは別物

なごみぃ
でも、劣等感をかなりこじらせちゃっている人もいますよね。「どうせ私なんか…」と、はじめから諦めちゃっている人とか…。

アドラー心理学では、自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態のことを劣等コンプレックスと言い、劣等感とは明確に区別して語られています。「学歴が低いから出世できない」というように、何等かの理由をつけて行動することをあきらめてしまうことは、ライフスタイルを変えることを拒否しているからに過ぎないというのがアドラー流の考え方です。

また、「学歴が低いから出世できない」というのは、裏を返せば、「学歴さえ高ければ出世できるのだ」というように「本当の自分は優秀なのだ」ということを暗示しています。このような劣等コンプレックスは優越コンプレックスという形に発展していくことがあります。

強い劣等感に苦しみながらも、努力や成長といった健全な手段によって補償する勇気がない。かといって、「AだからBできない」という劣等コンプレックスでも我慢できない。「できない自分」を受け入れられない。そうなると人は、もっと安直な手段によって補償しようと考えます。あたかも自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸るのです。嫌われる勇気

例えば、会社であれば社長や役職者など、プライベートならグループのリーダー的な人や芸能人など、いわゆる権力者と懇意であることをアピールし、自分は特別な存在であるように見せかけたり、ブランド品や有名店に出入りする自分を自慢することも優越コンプレックスです。これらの根底には強烈な劣等感があると考えられます。SNSでのキラキラアピールも、劣等感の裏返しの優越コンプレックスと言えるかもしれません。

劣等コンプレックスや優越コンプレックスを克服するにはどうしたらよいか?それは与えられたものをどう使うか?を見つめ直すことです。もっとポジティブに考えれば良いのか?というとそうではなく、自分の不完全さを認める「自己受容」の心が大切になります。

自己肯定と自己受容の違い

自己肯定自己受容。似たような意味を持つ言葉ですが、アドラー心理学では明確に使い分けられています。

自己肯定感とは、「自分は大切な存在」「かけがえのない存在」であると自分を認める心のことです。それはそれで大切なことなのですが、行き過ぎた自己肯定感は、ときに優越コンプレックスへとつながっていきます

行き過ぎた自己肯定感とは、裏付けとなる知識や行動力もないのにポジティブ思考というスパイスを振りかけて、「自分は出来る」と暗示をかけてしまうことです。その結果、失敗しても「今回はたまたまダメだったけど、本当の自分はできるんだ」と虚勢を張り、偽りの優越感に浸ってしまうのです。自分の心の奥底の不安や迷いにフタをしている状態では、本当の自分を見失ってしまうでしょう。

自己受容とは、「できない自分も受け入れる」ことです。自分の不完全な部分から目をそらさずに、ありのままの自分を受け入れること。「変えられる」ものと「変えられない」ものがあるのなら、変えられるものに注目すること。それは、いわば健全な劣等感であり、そのスタートラインに立つことが劣等感を克服する近道となります。

健全な劣等感とは、他者との比較から生まれるものではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。嫌われる勇気
他者との比較ではなく、「なりたい自分」という目標を明確にすることが大切なんですね。

すべての悩みは対人関係の悩みである

すべての悩みは対人関係の悩み

アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と断言しています。

なごみぃ
確かに職場では、仕事そのものより人間関係に悩む人が多いですよね。でも、「すべて」というのはどうでしょうか?劣等感や仕事の悩みの中には、内面的なものやスキルについての悩みもあるはずですよね。

劣等感は主観から生まれるということは説明しましたよね。例えば「背が低い」という劣等感も、世界に自分ひとりしか存在していなければ、劣等感にはなりません。他者と比較するから劣等性を感じるのです。

スキルアップについても同様で、スキルアップしたいと悩むのは、それによって地位や名誉を得たいとか、新たな仕事に就きたいという目的があるということですから、結局は対人関係の悩みに帰結するという訳です。

社会では、縦横の複雑な人間関係の糸が絡み合っているものですよね。アドラー心理学は、この糸をどう解きほぐしてくれるのでしょうか?

他人の課題まで引き受けない

あこ
今のチームでなんとなく自分が浮いているような気がするんです…。自分は戦力として評価されているのか?が常に気になっちゃって、仕事に自信が持てないです。

こんなふうに会社での自分の存在意義について疑問を感じてしまうことってありますよね。承認欲求が満たされないと、人は誰でも不安になるものです。

この不安は、前回の記事で紹介した「課題の分離」という考え方で解消することができます。「課題の分離」とは、他者の課題と自分の課題を切り離して考えるということでしたよね。

この場合、あなたの課題は与えられた仕事をミスなくやり遂げることで、その仕事に評価を下すのは上司の課題です。評価のことばかり気にして、あれやこれや気を揉むのは無意味なことで、やるべきなのは、失敗を恐れず今の仕事に全力を尽くして取り組むことだけです。

なごみぃ
そうは言っても、仕事をしている以上自分の評価は気になりますよね。「仕事は頑張っているのに、上司とソリが合わなくて正当な評価をしてもらえない」っていうこともありますしね。

会社の評価=人間の価値ではありません。上司の下した評価は、今の会社・今の部署での評価です。会社や部署が変われば、まったく違う評価が下されることもあるのですから、「評価が低い」ことを理由に後ろ向きになることは止めましょう。

また、「上司のせいで自分の評価が下がった」というのは原因論ですよね。目的論で考えるなら「できない自分を認めたくないからソリの合わない上司を作り出している」ということになります。「そうじゃない」というのなら、上司との関係改善のために動きましょう。

「良好な人間関係を結ぶためには、ある程度の距離が必要だ。密着してしまうと、向い合って話すこともできない。しかし、距離が遠すぎてもいけない」課題の分離は、他者を遠ざけるための発想ではなく、複雑にからみあった対人関係の糸を解きほぐしていくための発想なのだと考えてください。嫌われる勇気

アドラーは人間関係の縦の繋がりを否定し、横の関係を築くことを提唱しています。上下関係で成り立つ社会には、競争という原理が働き「敵」が生まれます。優劣を競いあうことは承認欲求につながり、人は幸せになることができません。

横の関係では競争や対立がなくなり「仲間」として協力関係を築くことができます。もちろん会社では、上司・部下という上下関係が存在しますが、それは役割や責任の重さの違いだけで「人間としては対等」と考えることが大切であると説いています。

もちろん、上司にタメ口をきいてもよいとか、友人と同じように対応してよいという意味ではありません。「同じではないけれど、人間として対等」と考えて、上司との距離を少し縮めてみましょう

嫌い・苦手という感情が先に立つと、できるだけ距離を置こうという意識が働き、報告や連絡も必要最低限にとどめてしまいますよね。これでは対等な人間関係は築けません。仕事上の「報告・連絡・相談」は、今まで以上に密に行うようにしてみましょう。

また、一度「嫌い」と思ってしまうと、自分の感情を補強しようとして嫌な面ばかりが目についてしまうものです。でも、上司の性格や人格改善はあなたの課題ではありませんから、そこはしっかり切り分ける必要があります。

誰が言っているのか?ではなく何を言っているのか?に注目するのです。その上で、自分の仕事の障害になることや間違っていると思うことがあれば、きちんと自分の意見を伝えることです。「言いにくいな」と思うこともあるでしょうが、上司の顔色を伺っているうちは、縦の関係から抜け出すことはできません

上司がどれだけ理不尽な怒りをぶつけてこようと、それは「わたし」の課題ではない。理不尽なる感情は、上司自身が始末すべき課題である。すり寄る必要もないし、自分を曲げてまで頭を下げる必要はない。わたしのなすべきことは、自らの人生に嘘をつくことなく、自らの課題に立ち向かうことなのだ。嫌われる勇気
このように課題の分離をしっかり行うことが、対人関係の悩みを改善する入口になります。

丁度良い距離感を保つ

職場の縦の関係には、部下や後輩との関係もありますよね。アラサー女子の中には、やる気のない後輩や自由奔放な新人に振り回されて困っているという人も多いのではないでしょうか?

世話をやき過ぎたり、自分のやり方を押し付けることは、相手の課題に介入することで、部下のやる気を失わせる要因の1つです。かといって放置してしまえば、部下との距離はどんどん離れていきます。丁度よい距離感を保つためには、「見守り」「援助する」という姿勢を保つことが大切です。

「援助する」とは、

  • 必要な情報を与える
  • 手助けが必要なときにはいつでも言って欲しいということを伝える
  • 実際に助けを求められたときには、援助を惜しまない

という姿勢です。
例えば、新しい仕事を部下に依頼したとき、一から十まで自分のやり方を指導するのではなく、 必要な資料やデータ・過去のサンプル・納期など、仕事に必要な情報を提示して「わからないことがあったらいつでも言ってね」と、必要な時にはいつでも支援することを伝えます。

そして大切なのは、実際に部下が質問をしてきたときに、「今忙しいから」と後回しにしないことです。 もし、本当に手が離せない仕事中ならば、「今、急ぎの案件をやっているので、30分後に聞いてもいい?」というように、時間を決めて話を聞く気持ちがあることを伝えましょう。

なごみぃ
でも、中には何も聞いてこない人もいますよね。「課題に踏み込んじゃいけない」って口出しするのを我慢してたり、「聞いてこないなら大丈夫だろう」って放任していて、いざ納期になって提出されたものを見たら、「ぜんぜ違うものが出来てきた」なんてことになったら大変!

相手が何も言ってこないからといって放置することは、相手に無関心になっているということです。これでは距離が離れすぎてしまいますね。

「どこまでできた?」「何かわからないことはない?」など、適宜状況を確認していくことが「見守り」です。その仕事が自分にも責任が発生することならば、「共通の課題」としてとらえ「一緒にやろう」という姿勢を見せるのも1つの方法です。対人関係の悩みを解決するには、相手と丁度よい距離感を保つことが大切なんですね。

「ほめる」より「勇気づけ」というアプローチ

ほめるより勇気づけというアプローチ

部下育成や子どもの教育などには「ほめて伸ばす」というアプローチ法が良く使われますが、アドラー心理学では、「ほめる」ことも「叱る」ことも否定しています。

ほめるという行為には「能力がある人が、能力のない人に下す評価」という側面が含まれています。 われわれが他者をほめたり叱ったりするのは「アメを使うか、ムチを使うか」の違いでしかなく、背後にある目的は操作です。嫌われる勇気
なごみぃ
めることも叱ることもダメだとしたら、いったいどうすればいいのでしょうか?

それは「勇気づけ」というアプローチです。何かをしてくれたことに対して「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えることや、「うれしい」「助かったわ」という素直な気持ちを伝えることが横の関係を作る第一歩です。

また、指導をしなければいけない場面では、「あなたは~したほうがよい(するべきだ)」というようなYOUメッセージを使わずに、「私は~したほうが良いと思う」というIメッセージを使うようにしましょう。こうすると「やるかやらないか」決めるのは相手の判断に委ねられることになるので、課題の分離も行えます。

ほめられるということは、他者から「よい」と評価を受けているわけです。そして、その行為が「よい」のか「悪い」のかを決めるのは、他者の物差しです。もしもほめてもらうことを望むのなら、他者の物差しに合わせ、自らの自由にブレーキをかけるしかありません。 一方、「ありがとう」は評価ではなく、もっと純粋な感謝の言葉です。人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知ります。嫌われる勇気

部下の育成は子育てと共通する部分がたくさんあると言われていますよね。アドラー流の子育てについては、こちらの記事に詳しく書いています。ぜひこちらも参考にしてください。
「アドラー流「褒めない・叱らない子育て」がママと子どもをラクにする」

ゴールは「共同体感覚」

アドラーは「対人関係のゴールは共同体感覚」だと言っています。横の関係を意識していれば「仲間」が生まれます。仲間がいれば、人はそこに自分の居場所を見つけ、その共同体のために貢献しようとするでしょう。これが「共同体感覚」です。

共同体感覚を得るためには、「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の3つの要素が必要になります。
自己受容は、ありのままの自分を受け入れること。
他者信頼は、他者を仲間として認め、無条件に信頼すること。
他者貢献は、仲間のために働きかけをしていくこと、貢献しようとすることです。

もっともわかりやすい他者貢献は仕事でしょう。(中略)労働とは金銭を稼ぐ手段ではありません。われわれは労働によって他者貢献をなし、共同体にコミットし、「わたしは誰かの役に立っている」ことを実感して、ひいては自らの存在価値を受け入れるのです。嫌われる勇気
なごみぃ
会社で働くということは、会社という共同体に所属するということになりますよね。自分の唯一の共同体である会社で目標を見失ってしまったり、疎外感を感じてしまったときにはどうすればよいのでしょうか?

自分が所属している共同体は職場だけではありません。仕事でいえば、グループ会社や業界といったものも共同体になりますし、プライベートで考えれば、家族や学生時代の友人、住んでいる地域も共同体です。もっと言えば、国や世界という大きな共同体にも属していることになります。

もしも、「ここには自分の居場所がない」と感じるのならば、「より大きな共同体の声を聴け」というのがアドラーからのアドバイスです。内向きの小さなコミュニティに逃げ込んでしまうことは、自分の行動範囲を狭めるだけです。もっと大きな共同体は必ず存在します。

未来を変えるのは「いま、ここ」の自分

いま、ここの自分

アドラーは「人生における最大の嘘、それは“いま、ここ”を生きないことだ」と言っています。過去の出来事に縛られ「自分の未来はきっとこうなるだろう」と、先が見えた気になれば、その通りの人生を送ることになります。自分、そして未来を変えることができるのは、「いま、ここ」の自分だけなのです。

いかがですか?アドラー心理学「嫌われる勇気」から、仕事に役立つメッセージをほんの一部だけ紹介しました。もっと詳しく知りたいという方は「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」をぜひ一度読んでみてください。幸せに生きるためのヒントがたくさん詰まっていますよ。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

タイトル:嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 単行本(ソフトカバー)
著者:岸見 一郎,古賀 史健
価格:¥1,620(6月9日現在)

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そのライターの経歴や性格を知れば、今後どんどんbitomosの記事を読むのが面白くなるかも!?この記事ではライターそれぞれの自己紹介と、記事を彩るゲストキャラクターたちを紹介していきます。あなたのお気に入りのライターが見つかりますように♡

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