伝え方が下手で損してない?これさえ守ればOK★伝わる話し方のコツ
職場の上司や同僚との会話で「で、結論は?」とか、「結局何がいいたいの?」なんて言われた経験はありませんか?自分としては一生懸命話しているつもりなのに相手にうまく伝わらないーーーもどかしいものですよね。
伝え方・説明が下手な人は、どんなに仕事のスキルがあっても、それを正しく評価してもらえないばかりか、信頼すら失ってしまう可能性もあります。これって、とっても残念なことですよね。
相手に上手に伝えるということは、特別なスキルが必要な訳ではありません。ちょっとしたコツをマスターすれば、誰でも話上手になれるんです。
今回の記事では「伝わる話し方のコツ」を紹介します。職場で、家庭で、ママ友との会話で「自分の意志がうまく伝えられない」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
伝え方が下手で損してない?
ちゃんと伝えたはずなのに、相手から「聞いてないよ」と言われてしまった!ビジネスの場では、必要な情報が共有されないというのは致命的。社内の連絡事項ぐらいなら何とかなりますが、顧客や取引先に関わるようなことなら、大問題に発展してまう可能性もあります。
いくらあなたが「伝えた」と言っても、言われた相手が理解していなければ「伝わった」ことにはなりません。上司から「責任はあなたの側にある」と思われても仕方ありません。「それって理不尽じゃない?」と思うかもしれませんが、それがビジネスの世界なんですよね…。
だいたい、あの会社は新人の指導がなってないんですよっ!電話応対とかひっどいし、山田さんもちゃんと教えてないんじゃないのかな~?
実はABクリエイトには私の大学の先輩が一人いるんですけど、彼女が言うには…。
「伝える」と「伝わる」は違う
「伝える」と「伝わる」。たった一文字しか違いませんが、その意味はまったく異なります。
「伝える」は私が主語になる一方通行の言葉、対して「伝わる」は、「相手に伝わる」というように、相手とあなたの双方向のコミュニケーションを表す言葉です。
- 自分の言いたいことを話しただけ
- 相手の理解を確認せずに一方的に話しただけ
- 相手が納得していないのに「とにかく〇〇だから」と意見を押し付けただけ
これでは、相手に伝わったことになりませんね。伝え方が下手なのは、いつも「伝える」だけの一方通行のコミュニケーションをしているからではありませんか?
相手が自分の話を理解・納得して、次のアクションを起こすことで、初めて「伝わる」コミュニケーションになります。「伝える」だけではなく、「伝わっているか」を確認することも大切ですね。
サービス精神が旺盛すぎることも
相手に伝わらない要因の一つに、「情報量が多すぎる」ということもあります。
「できるだけ詳しく説明しなきゃ」と思うあまり、ついつい余計な情報まで話に盛り込んだり、時系列に沿って話をすることにこだわり、ダラダラと長話になってしまうことがありますよね。これでは話の要点がボヤけてしまい、重要なことがわからなくなってしまいます。
相手が気が短い人なら、イライラして最後まで話を聞いてもらえないこともあるでしょう。分かりやすく伝えるためには、「不要な情報はそぎ落とす」という勇気も必要です。
ビジネスに活かす!伝わる話し方のコツ8つ
なぜか相手と話がかみ合わない、何度も聞き返されたり、ちょいちょい質問を差し込まれる、話していると相手がだんだん不機嫌になる…
こんな経験をしている人は要注意!あなたのコミュニケーションは、ちょっと問題あり?!かもしれません。伝わる話し方のコツをマスターしましょう。
全体像・結論から話す!ホールパート法
ホールパート法とは、まず、ホール(Whole)=全体像・結論から話し、次にパート(part)=詳細を話し、最後にまとめとしてもう一度全体像を話すという方法です。よくプレゼンなどに使われる手法ですが、普段の報告・連絡・相談などにも、この方式を活用してみましょう。
最初に話の全体像や結論を話すことによって相手には聞く心構えができるので、ポイントがつかみやすくなります。
では、例題を元に考えてみましょう。
A社、B社からは滞りなく見積りが届いていますが、C社の見積書には誤りがあったため、再提出を依頼し、正しい見積りはまだ届いていません。
そんなとき、上司から「あの見積り、どうなってる?」と進捗を尋ねられました。
さて、何と答えるのがベストでしょう?
A社とB社の分はできてるんですけど、今のところ、A社のが一番コスパがいいような気がするんですよね…。
上司が聞きたいことは、「明日までに見積りが揃うかどうか?」ですよね。Aさんは、質問の答え(=結論)の前に、まず自分が話したい事、「C社から見積もりが届かなくて困っている」という(部分)から話してしまっています。経過を伝えることも大切ですが、これではできていないことの言い訳をしているようにしか聞こえません。
対してBさんは、まず「申し訳ありません。まだできていないんです」と、結論を話し、次に「なぜならば~」という理由や経過を話ています。そして最後にまとめとして「明日までに報告します」と、期日を守ることを説明しています。
「予定通り進行していない」というのは言いにくいことですが、相手が知りたいこと、聞きたいことには、簡潔に答えるようにしましょう。
ホールパート法は、意見を述べるときにも有効です。
その場合は、「私は●●だと思います。理由は3つあって、1つは〇〇、2つは〇〇、3つめは、〇〇だからですす。〇〇というのは・・・。」というように、まず概略を話してから詳細を説明していきます。こうすれば、相手は話の全体像を分かった上で話を聞くことができますから、「今、どの部分を話しているのか」が分かり、理解度もアップします。
さらにPREP法と言って、Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(まとめ)の順で話す方法もあります。具体例を加えることで、より説得力が増しますよね。自分の主張を通したいときや、顧客へのプレゼンテーションなどに適しています。
プレゼンの構成については、こちらの記事に詳しくまとめていますので、参考にしてくださいね。
⇒初めてのプレゼンを成功させるコツとは?ー上手な構成と資料作り編
要点を整理してから話す
伝え方が下手な人は、話の要点が整理されていないまま話し出してしまうことが多いようです。
時系列で起こったことをすべて話そうとしたり、途中で思い出したことを付け足し、付け足ししているような話し方では、相手は何が重要なのかがわからなくなってしまいます。
最悪なのは、自分が理解していない状況で「とにかく伝えよう」として話始めてしまうこと。これでは「論点は自分で考えて」と、課題や判断をすべて相手にぶん投げてしまっていることになります。友人関係なら「話ながら考えを整理していく」というのもアリですが、ビジネスではNGです。
話しかける前に内容を整理し、伝えるべき要点を絞ることは、自分の理解を深めるためにも必要な作業です。
ダラダラと話を続けない・脱線しない
話している途中で、「あっそう言えば…」と別の話を切り出したり、堂々巡りの話を延々と続けてしまったり…。これでは、相手は何の話をしているのかわからなくなってしまったり、本題に戻るまでの時間をロスしてしまうことになります。
途中で別の案件を思い出しても、一旦1つの話題を終わらせてから、次の話題に移るようにしましょう。また、その場で結論が出ない話は、いつまでも執着せずに区切りをつけるようにしましょう。時間を置くことが新しいアイディアに繋がることも多いですよ。
曖昧な表現を使わない
危険!こそあど言葉の多用
「あれ、やってあるよね?」「あ~、あれですよね。バッチリです!」と、まさに「阿吽の呼吸」とも言える間柄。こんなパートナーがいると、仕事もスムーズに進みそうですよね。その反面これは大きな危険をはらんでいます。
これ・それ・あれ・どれなど、指示代名詞を表す「こそあど言葉」。「あれ」「あの人」などの代名詞は、具体的にどれ(誰)を指しているのかが伝わらないなので、勘違いやトラブルの原因になってしまいます。「いつもやっていることだから、わかるだろう」というのは、伝える側の思い上がり。「〇〇の書類」、「経理の〇〇さん」というように、具体的な名詞を入れて話すようにしましょう。
主語を省かない
気心が知れた相手との会話でありがちなのは、「誰が」「何が」という主語を省いて話してしまうこと。
唐突に「すごいよね~。●●したらしいよ。あなたもやってみれば?」なんて言われても、「えっ?誰が、何を?」と聞きたくなりますが、本人は今、頭の中で考えていたことを口に出しているだけなので、「Aさんのことに決まってるじゃん。他に誰がいるのよ」と、相手が混乱していることに気づきません。
自分本位な人や考え事をしている時などは、主語を省いて話をする傾向が強くなります。こそあど言葉と同様に、トラブルに発展しやすいので注意しましょう。
あやふやな表現を使わず語尾まで言い切る
「だいたい出来てますけど…」「たぶんそうだと思うんですけど…」「もしかすると、〇〇かもしれませんが…」といような、フワッとしたあやふやな表現を使ってしまうのは、
- 事実を誤魔化したい
- 責任を取りたくない
- 自信がない
などの心理状態の表れです。そのような心理は敏感に察知され相手に不安を与えてしまいます。
- 「だいたい」ではなく「〇〇までは出来ています」と、具体的な表現に言い換える。
- 「たぶん」は使わない。不確定要素があるなら「〇〇の可能性があります」「〇〇のリスクも考えられます」というように補足事項として伝える。
- 「〇〇します」「思います」と言い切る。
上記のことに気を付けるようにしてみましょう。特に日本語は語尾まで聞かないと意味が通じない言葉です。最後まで言い切らないと、まったく逆の意味に受け取られてしまうこともあるので要注意です。
大事なことは繰り返す
相手が話の内容をすべて覚えているとは限りません。最後に大事なポイントは繰り返して確認しましょう。特に相手に何か依頼した場合や納期が決まっているものについては、
「では、〇〇さんへの電話、よろしくお願いします」
「〇日の午前中までに提出お願いします」
というように、やって欲しいアクションを具体的な動作に示して確認すると、間違いや忘れを防ぐことができます。
相手のペースに合わせ理解の度合いを確認しながら話す
焦って早口で話してしまうと、相手は何を言っているかわからなくなります。逆に一言一言区切りながらゆっくり話すのも、忙しい相手であればイライラさせてしまいますよね。相手の状況や話すテンポに合わせて話をすると、聞き手は心地よく集中して聞けるようになります。
また、専門用語や流行の横文字なども多用しないこと。社内の共通言語として通じる言葉を社内の人だけに使うのはかまいませんが、顧客や取引先の方にはまったく伝わらない会話になってしまいます。
難しい言葉を使うことが賢さの表現だと思っている人もいますが、決してそうではありません。難しい言葉や難しい内容をいかにわかりやすく伝えることができるか?が重要なのです。自分の親や小学生の子どもが聞いても理解できるかを考えながら、話すようにしましょう。
相手の顔を見ながらジェスチャーを交えて話す
会話をするときは、相手の目を見て話すのが基本です。とはいえ、じっと見つめ過ぎるのは相手に威圧感を与えてしまいますから、リラックスした表情で顔全体を見るようにしたほうが良いでしょう。
また、耳から入る情報より視覚情報のほうが印象に残りやすいものです。「1つ目は…2つ目は…」という言葉に合わせて指を立てたり、「こちらをご覧ください」と、見て欲しい物を手のひらで指し示すなど、ジェスチャーを効果的に使っていきましょう。
話しかけるタイミングにも注意!
伝言を預かっている場合や、上司の決裁待ちで自分の仕事が滞っているときなど、少しでも早く内容を伝えたいと思ってしまいますよね。
しかし、外出先から帰って来た早々や集中して仕事をしているときに、唐突に「あのーこれなんですけど…」と話かけられたら、相手はどう思うでしょう?聞く準備ができていない状態で話しかけられて困惑してしまったり、集中を切られてしまったことに対して怒りを感じる人もいるでしょう。そんな状況ではまともに話は聞いてもらえないですよね。
急ぎの案件でなければ、相手が一息ついたタイミングをみて話かけるようにしましょう。またその際は、いきなり本題に入るのではなく、
「〇〇の件でお伝えしたいことがあるのですが、今お時間よろしいでしょうか?」
「ご相談したいことがあるのですが、今日お時間いただけますか?」
など、相手の時間を配慮する言葉を添え、了承を得てから話し始めるようにしましょう。
伝え上手になるためのレッスン
伝え方のコツを覚えても「やっぱりうまく話す自信がない」という人のために、伝え下手を克服するための練習方法を紹介します。
相手に対する思いやりを磨くレッスン
電話で道案内をしてみよう
土地勘のない人に電話で道案内をするのは、意外と難しいものですよね。
筆者はコールセンターで管理者をしていたことがあるのですが、研修を終えた新人さんの最終テストは道案内。これが上手に出来ない人は、どれだけ業務知識があってもデビューはおあずけです。
道案内には、上手な伝え方に必要な要素がたくさん詰まっているんです。最寄駅から会社、あるいは自宅までの道のりを、相手が迷子にならないように説明できるでしょうか?ぜひ、あなたもチャレンジしてみてください。
こんな説明では、迷ってしまいそうですよね。
■道案内のポイント
- 起点を明確にする
まずは、「今、どちらにいらっしゃますか?」と、相手の現在位置を確認しましょう。最寄り駅のホームにいるのか?改札を出たところなのか?外出前に確認しているのか?起点によって説明の方法が変わってきます。また、相手によっては最寄り駅までの交通手段について説明が必要な場合もあります。
- 最初に全体像をイメージしてもらう
「弊社は北口から徒歩〇分程度です」と、最初に大まかな位置を知らせることで、相手に聞く準備をしてもらいます。複雑な道順になるときには「少し分かりにくい場所なのですが、メモは取れますか?」などの気遣いをしてあげましょう。
- 進む方向は明確に伝える
間違った方向に進んでしまわないように、出だしは特に丁寧に説明しましょう。単に「右」「左」「真っ直ぐ」と言うのではなく、「改札を背にして右側」、「向かって左側」「線路と平行に」というように、方向を伝えるときには、相手がどこを向いているのかを意識しながら話ましょう。
- 曲がり角は目印を使う
曲がり角などでは、目印を入れてあげましょう。〇つ目の信号、目立つ看板のあるお店、公共の建物など、誰にでもわかりやすい目印を使うのがベストですが、ちょうどよいものがなければ、「ガラス張りのビル」「青い屋根の家」など、視覚的な情報を伝えてあげましょう。また、目印の手前なのか先なのか、交差点を渡るのか渡らないのかなどもきちんと伝えます。
- 主観的な表現を使わない・数字を使って具体的に表現する
「少し歩いたところ」「広い道」のように、人によって感覚が異なる表現は使わずに、「100m先」「3つ目の交差点」「〇〇の信号」というように、具体的な数値、固有名詞など、客観的な情報を使って表現しましょう。
- 簡潔に話す
分かりやすくするためには、一文を短くまとめ、簡潔に話すよう心がけましょう。
まず、改札を背にして右に進んでください。200mぐらい歩くと信号がある交差点に出ます。交差点を渡らずに左に曲がってください。そうすると、進行方向左手にファミリーマートがあります。ファミリーマートの一つ先の青いビルが弊社です。お気をつけてお越しくださいませ。お待ちしております。
Bさんの説明なら、お客様も迷わずに来社できそうですね。
話の構成を考えるレッスン
ドラマや映画のあらすじを説明してみよう
「全体⇒詳細⇒まとめ」という構成を作る、要点を絞るレッスンとして、映画やドラマのストーリーのあらすじを一定の型にはめて作ってみましょう
全体像…最初に物語の設定、主要な登場人物、物語の始まりを説明します。
詳細…ストーリーのポイントを3つに絞ってみましょう。
- イベントの始まり・トラブル勃発
- 主人公がどう立ち向かうのか
- 結果どうなったのか
まとめ…このストーリーから何を感じたのか、どこが良かったのかという自分の感想を説明します。
2時間の映画やドラマを1分~3分程度のあらすじにまとめてみましょう。起こった出来事をすべて網羅する必要はありません。ストーリーの軸になる代表的なエピソードだけを抜き出すのがポイントです。
賢そうにみせる話し方のレッスン
語尾・「てにをは」はテキパキと
話し方の癖の1つや2つは誰にでもあるものですが、特に気になるのが、
「それで~」「〇〇したんですけど~」というようにてにをは(助詞)を伸ばす喋り方や、「〇〇なんですぅ~」というように語尾を揚げたり下げたりする喋り方。
てにをは、語尾を伸ばさないように話すだけで、テキパキとした賢そうな印象になりますよ。普段の会話でも意識してやってみてください。
伝えるコミュニケーションから伝わるコミュニケーションへ
「伝える」ことばかりに気をとられてしまうと、つい自分本位の話し方になってしまいがちです。相手に伝わるコミュニケーションをするためには、相手の立場になって考えることが大切です。
上司への報告・連絡・相談といった日常的な会話でコミュニケーションを磨いていけば、社内提案や意見の上申、顧客との商談なども自然とスムーズになっていくでしょう。伝わる話し方のコツ、ぜひマスターしてくださいね!
bitomos編集部プロフィール
そのライターの経歴や性格を知れば、今後どんどんbitomosの記事を読むのが面白くなるかも!?この記事ではライターそれぞれの自己紹介と、記事を彩るゲストキャラクターたちを紹介していきます。あなたのお気に入りのライターが見つかりますように♡