子供にDVする母親の11の特徴とは?虐待が子供に与える深刻な影響
年々子供へのDVなどといった、児童虐待の件数が増えているという悲しい現実があるって知っていますか?自分には関係のない世界だって思うかもしれませんが、もしかしたら身近なところで子供へのDVが行われているかもしれません。
もしかしたら、あなたが子供にDVをしてしまう可能性があるかもしれませんし、しつけと思ってやっているその行動が、子供にとってはDVになっているかもしれません。今回は子供にDVをしてしまう母親の特徴や、DVが子供に与える影響についてみていきます。
Contents
DVの定義って何?
DV(ドメスティックバイオレンス)というのは「家庭内暴力」のことで、子供に対する場合「児童虐待」になります。今回は子供に対するDVについて説明していきますが、DVというのは同居関係にある配偶者や内縁関係だけではなく、元夫婦や恋人など近親者間に起こる暴力を指すこともあります。
4つのDV(暴力)について
DVにはどんなDVがあるのでしょうか?児童に対するDVには大きく分けて、4つの種類が考えられます。
身体的DV
身体的DVというのは
- 殴る
- 蹴る
- 投げ落とす
- 激しく揺さぶる
- やけどを負わせる
- 溺れさせる
- 首を絞める
- 縄などにより一室に拘束する
というようなものを言います。
性的DV
性的DVというのは
- 子どもへの性的行為
- 性的行為を見せる
- 性器を触る又は触らせる
- ポルノグラフィの被写体にする
というようなものを言います。
ネグレクト
ネグレクトというのは
- 家に閉じ込める
- 食事を与えない
- ひどく不潔にする
- 自動車の中に放置する
- 重い病気になっても病院に連れて行かない
というようなものを言います。
心理的DV
心理的DVというのは
- 言葉による脅し
- 無視
- 兄弟間での差別的扱い
- 子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう
というようなものを言います。
DVを含む児童虐待はどれくらい起きているの?
ではDVを含む児童虐待が、実際にどれくらい起きているのかデータを見ていきます。
児童虐待の相談件数や死亡事例件数
画像引用元:厚生労働省
厚生労働省の調べによると、全国の児童相談所での児童虐待についての相談件数は、平成11年に比べて平成24年には5.7倍にも増加しています。
画像引用元:厚生労働省
平成24年の児童相談所における児童虐待対応件数によると「身体的虐待」が最も多いようです。次いで「心理的虐待」が多いということです。この心理的虐待ですが今後も加速する可能性が非常に高いようです。
DVをしてしまう母親の特徴とは?
一見、DVなんてするはずがないように見える女性が、実は子供にDVをしていた!なんてこともあるようです。DVをしてしまう母親にはどんな特徴があるのでしょうか?
自分も親からDVを受けてきた
DVは、世代間連鎖がかなり高い確率で起こると言われています。自分の親からDVを受けていたとか、母親が父親に暴力を振るわれているのを目撃し続けてきたという過去を持っている人は、子供にDVをする可能性が高いのです。
親に叩かれて育ってきた人は、必ずと言っていいほど自分の子供を叩きます。叩かれることで怯えている子供を見ていると、過去の自分を思い出します。それを見ていると何故だか不安になり、自分の子供を叩いてしまうのです。
感情を抑えることができない
過去にDVを受けた経験がない母親でも、感情が抑えられない母親はDVをしてしまうことがあるようです。子育てが上手くいかなかったり、子供が言うことを聞かないとイライラしてしまうのは当たり前です。
みんなイライラしながら、葛藤しながら感情を抑えて育児を頑張っているのです。ですが、その感情が抑えられずどうしようもなくなってしまい、DVをしてしまうのです。
参考記事⇒育児うつの症状は?辛い時や不安な時は一人で悩まず助けを求めよう
共感性のなさ
相手の痛みが感じられない共感性の無い人は、虐待に至る可能性が高いです。性的虐待を行う人のなかには、「子どもが喜んでいた」という人も多いです。
子育てへの認識が出来ていない人
子育てに関する知識が誤っていたり、偏っていて、それに執着する人もDVをする可能性があります。叩いて理解させるという方法が、自分の中で正当化されてしまっており、「これはしつけだ!」と譲らなくなるのです。
暴力で相手を支配しようとする人
身体的な暴力や、心理的な暴力で相手を支配するような人間関係しか取れない人は、子供にDVをする可能性が高いです。子供だって、ある程度の年齢になれば、言葉を選んでしっかり言い聞かせることで分かってくれるものです。そうではなく、暴力や恐怖で言い聞かせようとする人は危険です。
参考記事⇒子供を叱ることで自己嫌悪。育児で罪悪感や後悔に陥るお母さん達へ
何かに依存している人
アルコールや薬物など、何かに依存してしまっているとDVをする可能性があります。特に薬物依存は、怒りの感情が爆発することがあるので大変危険です。
身近なものとしては、「スマホ依存」もあります。スマホ依存はまさしく、「親として当然果たすべき注意を払わずに、子供を無視した状態=ネグレクトの問題」ということが出来るでしょう。
精神科医エリック・バーンの交流分析によれば、子供が成長するに際し、身体の成長には、食物を通じて栄養の補給が必要であると同様に、心の成長にも栄養の補給が必要であるとされています。
しかし、心の栄養素の供給源である母親が、スマホに夢中になって、心の栄養を十分に与えなければどうなるでしょうか?それはすなわち、心の栄養を供給できない状態、つまり「心の飢餓状態」に陥っていることを意味します。
参考記事⇒スマホ依存症を治したい人へ!症状チェックや対策方法を徹底解説
参考記事⇒スマホ育児はいけないの?非難される理由と子供に与える影響を考える
うつ状態など精神病を患っている人
うつ状態など、何かしらの精神疾患症状が出ている人は、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまい子どもに適切な愛着行動をとることができなくなることがあります。
うつによる苛立ちや不安、焦りが強くなると身体的DVをしてしまったり、ネグレクトに繋がる可能性があるのです。特に産後の女性はうつになりやすいので注意が必要です。
周りから孤立している
筆者の友人が子供を産んだのですが「可愛いけど、ずっと二人きりだったら息が詰まりそうになる」と言っていました。このように、子供と母親だけという孤立した子育てをしていると、苛立ちが大きくなり、気持ちの逃げ場もなくなってしまうため、DVに繋がる可能性があります。
発達障害である
高機能広汎性発達障害や学習障害・注意欠陥・多動性障害などの発達障害がある人の場合、生活する中で柔軟な対応が出来なかったり、状況判断が出来ず苛立ちが大きくなり、ネグレクトに繋がることがあります。
このような精神の遅延のある人は、基本的な子育ての知識を得ることができず、自己評価が低くなることもネグレクトに繋がるようです。
経済的に厳しい状況に陥っている人
若くで結婚してしまい、お金がないというように経済的に厳しい状況に陥っている人は、家族間の心を荒ませDVにつながることがあります。
夫婦間の関係が良くない人
子供をDVする母親の中には、旦那さんとの仲が悪いという人が多いようです。旦那さんへの苛立ちが、子供への暴力につながってしまうのです。
また、旦那さんからDVを受けている場合、旦那さんの暴力を恐れるあまりに、旦那と一緒に子供へのDVに加担するケースもあります。
DVが子供に与える深刻な影響
DVを受けた子供は、さまざまなところで深刻な影響がでてくると言われています。
体の発育に影響を及ぼす
DVを受けた子供は体の発育が遅れるようです。食事や栄養を十分に与えられていないと、もちろん体の発育が遅れます。DVを受けることで脳下垂体の活動が低下してしまい、成長ホルモンの分泌不全が引き起こされ、低身長低体重になってしまうこともあります。
また、幼少期に受けたDVの影響が寿命を縮めたり、老化を速めてしまうこともあるようです。
知的発達に影響を及ぼす
激しいDVにより、頭部への外傷が増えると脳に障害が出て知的障害になってしまうこともあるのです。知的障害がでなかったとしても、DVによる心への悪影響や、子供らしく遊べなかったということで知的発達がおくれてしまうのです。
心理的な影響を及ぼす
DVは子供の心に大きな傷を残すこととなります。DVによる心理的な影響には次のようなものがあります。
- DVがトラウマとなり、突然繰り返し思い出して苦しむ
- DVに関係する人や場所などを避けるようになり記憶がなくなる
- 些細なことで怒り攻撃的になる
- 自閉症になってしまう
- 自分自身を傷つける、自殺を図る
- 劣等感や無力感を強く持つようになる
- 良い人間関係を築けなくなる
- 非行や徘徊をし始める
どれもとても深刻な影響で、それが癒えるにはかなりの時間が必要です。
子供との望ましい5つの関わり方
DVを防ぎ、子供と望ましい関わり方をするために、知っておくべき5つの点をあげてみたいと思います。なぜなら、「より良い関係を築く」という積極的なアプローチこそ、実は最大の虐待防止法になるためです。
子供の個性を伸ばせる関わり方をする
子供にとって一番大切なことは自分は親から愛されているという実感であり、自分は価値のある存在だという認識です。そのためには子供の全人格をありのまま受け入れるという姿勢が、とても大切になります。
学業や成績・運動能力や性差を兄弟や友達、クラスメイトなどの間で比較する様な言葉をかけたり、態度をとったりしないことはとても大切です。
子供の個々人を評価し、昨日の状況と今日の状況を評価することに注力しましょう。大切なのは、子供同士での比較を絶対にしないことです。そうすることで、子供の個性を伸ばせる様になることでしょう。
子供の話を良く聞いてあげる
子供をしつけるという名目で、説教する時間が多いのに比して、親はなかなか、子供の話に耳を傾けることが出来ないようです。家事や行事の多忙さに、あえて意識をしなければ、ゆっくりと時間をとって話を聞いてあげることがなかなか出来ないのが、親の現状です。
子供の言葉に耳を傾けず、一方的に親の気持ちをぶつけてみたとしても、子供が親の気持ちを正しく受け止めることは出来ません。子供にとって必要なことは「親に自分の気持ちをわかってもらえている」という思いを持てるように導いてあげることです。
そのためには何よりも、しっかりと話を聞いてあげましょう。その際とても大切なことは、どんなに幼い考えであったり、親の意見と違う内容の話だったとしても、内容自体を否定したり、話を遮らないことです。
意識して子供の言葉に耳を傾ければ、子供は「親は自分の話をよく聞いてくれる」と安心して、親子の信頼関係がだんだんと築かれていくようになるのです。
成長に合わせてわかりやすいアドバイスをしてあげる
子供の話をよく聞いてあげると同時に、自分が何をしたらいいのか、どんな方向性に向かっていけばいいのか、判断材料の乏しい子供に対して、親は適切なアドバイスをしてあげる必要があります。
親のアドバイスが抽象的なものであったり、曖昧であったりすれば、親の意図は子供に正しく伝わりません。ですから、アドバイスは、なるべくわかりやすく、明確なものであることが重要です。
ただし、子供が成長し、主体性が育ってくれば、具体的な表現から抽象的な表現に切り替えていくことも大切です。子供の発達段階に合わせて、はじめはわかりやすいアドバイスを、徐々に自分自ら考え、主体性が育つようなアドバイスを心がけましょう。
子供と一対一の時間を持つようにする
親は何かと忙しい毎日を過ごしていますので、子供との時間を持つことはついつい後回しにされがちです。特に子供がたくさんいる親の場合は、なおさらです。
しかし、最初でも説明しましたが、子供の心の成長には心への栄養が必要です。子供のことをしっかり認めてあげるためにも、親は子供と一対一の関係を持つ時間を大切にするべきなのです。
子供が多い家庭の場合、たとえ1週間に1度、わずか30分でもいいので、子供1人1人と一対一の関係を持ってあげてください。子供の好きな遊びや、子供のやりたいことに一緒になって取り組んであげることで、「自分は愛されている、自分は存在していても良い存在なんだ」という自尊感情が育っていくようになるのです。
怒鳴ったり脅したりせずに、話し合う
親の気持ちや時間に余裕がない時に限って、言うことを聞かないのが子供です。つまり「やってほしくない時」に「やってほしくない事」をピンポイントでやってくれるのが子供ではないでしょうか?
そんな時に、ついつい大声で怒鳴ったり、脅かして親の言うことに従わせがちです。なぜなら、その方が即効性があるため、どうしても安易な方法を選んでしまいたくなるものです。しかし、この親の行動は、長い目で見たときに、かえって逆効果であると言えます。
なぜなら、親に脅されて育った子供は、かつて自分自身が親から扱われた方法で自分の子供に接する可能性が非常に高いからです。先にあげた「虐待の連鎖」によって、脅されて育った子供は、親になったら子供を脅す親になってしまう危険性が極めて高いのです。ですから、子供とのコミュニケーションにおいて大変重要なのは、「話し合う」という方法です。
子供が成長して大人になったときに、他者との関係において円満なコミュニケーションを成立させられるようにも、小さい時から話し合う習慣を身につけさせていきましょう
DVは絶対ダメ!子供としっかり向き合おう
いかがでしたか?DVを行う親=特殊な親というイメージは間違いであり、だれでもDVする親になる可能性があることが分かったのではないでしょうか?
DVすることで子供に与える影響というのはとても深刻なもので、子供の人生に悪影響を及ぼしてしまいます。自分が気が付いたらDVをしていた!なんてことにならないように、最後に紹介した子供との関り方を参考にしてくださいね。
補足:
先に紹介した内容に加え、DV(ドメスティック・バイオレンス)が子どもに与える影響について、少し捕捉します。
DVは、身体的な暴力だけでなく、心理的、経済的、社会的、性的な暴力も含まれ、これらはすべて子どもに大きな影響を与える問題です。DVの本質はパートナーへの「支配とコントロール」にあり、子どもはその影響を受け、不健全な人間関係の形成を学んでしまう可能性があります。
子どもがDVの影響を受ける形は多岐にわたります。加害者から直接的に暴力を受けるケース、被害者からの暴力やネグレクト、DVの目撃といった心理的ストレス、これらはすべて子どもの心に深刻な傷を残します。DVを目撃した子どもは、被虐待児と同様の症状を示すことがあり、これには頭痛、腹痛、夜泣き、夜尿、うつ症状、情緒不安定などが含まれます。
また、DVが原因で、子どもが自己評価が低下したり、対人関係において親密さを築くことが困難になる場合もあります。特に思春期以降、DVの影響は深刻化し、将来的に自身がDV加害者または被害者になるリスクも高まります。
DV問題に直面している場合、特に深刻な暴力がある場合は、警察や配偶者暴力支援センターなどの専門機関への相談が推奨されます。緊急でない場合でも、自治体の女性相談窓口などを利用し、自分の気持ちの整理や今後の対応について支援を求めることが重要です。
このような状況を抱える家庭では、子どもに対して「話をすること」「助けを求めること」が重要であり、DV加害者の更生プログラムなど、問題解決に向けた取り組みが必要です。
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