子供のいじめ問題に親はどこまで介入すべき?最善の対処方法を考える
子供のいじめの問題は悲しいことになくなってはいないのが現実です。もし自分の子供がいじめにあったら、もし自分の子供がいじめる側になったら…どちらの立場も絶対ないとは言えませんよね。今回は親の立場にたって、いじめ問題を一緒に考えてみませんか?
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一年のうちで子供の自殺者が最も多い日
子供の自殺が最も多いのは、9月1日である。この話題、ニュースで観たり聞いたことはありませんか?これは内閣府の調査で明らかになった事実です。
9月1日は一般的に学校の夏休み明け初日にあたります。次いで多いのが4月11日、4月8日、9月2日、8月31日だと言います。お判りでしょうか、すべて長期休みが明ける頃に集中しているんです。
この場合、登校日の前日も家では普段と変わりなく過ごしていて、家族も気づかないことが多いようです。でも、子供の心の中には何かしら学校に行くことに対する拒否感があるのでしょう。その原因の一つとして無視できないのが、やはりいじめの問題です。
親の立場で考える子供のいじめ
昔も今も、どうしてもなくならない子供のいじめ問題。いじめに遭った時に大事なのは、相談できる人がいるか?相談して解決に向かえる環境があるか?ではないでしょうか。
子供同士ではなかなか解決しないいじめの問題では、相談できる人というのは大人の存在が大きく関わってくると言えるでしょう。親や学校の先生など、日々子供自身と接している大人の中に相談できる人がいることで、子供自身もとても安心できるものです。
肝心の親はどうでしょうか。次のようなことはありませんか?
親が他の父兄と関わらなくなった
親自身が保育園や幼稚園、小学校と子供が進む中で、他の父兄のとの関わりを昔ほどは積極的にしなくなっているということがあります。
親同士の繋がりが、日々の子供たちの状況をお互いに把握することに繋がります。何かあった時にきちんと大人同士、親同士が話せる環境作りというのは、とても重要なものです。
全てを子供まかせにしている
子供同士の問題を、全て子供まかせにしていませんか?「子供同士のことだから」「知らなかった」という理由で、トラブルがあった時に確認しなかったり、謝らない、というのはあまりに無責任です。普段から子供との関係が希薄になっているということも原因と言えるでしょう。
親が忙しいを理由に子供を見れなくなった
現在では家庭の中で共働きされている親御さんも多いですね。忙しいとついつい小さなことは見逃しやすくなってしまいます。また、子供からのサインが出ていても、気づかないということも多くなります。
親は、もちろん大事な家族のために一所懸命に働いているのですが、子供も日々色々な事があります。その出来事一つ一つは無理でも、出来るだけ子供と接して、話を聞きましょう。何かあった時に会話の中にもその様子が伺えることがあります。
小さな子供のいじめの「芽」はどこにでもある
いじめとは、些細なことから始まったり、突然やってきたりします。筆者は現在18歳の娘がいる母親ですが、今までの経験の中で「こんなことからいじめって生まれてしまうのかな」と思った事例があります。
幸い大きなことにもならず、もしかして思い過ぎであったものもあるかもしれません。小さな子供同士のささいな「出来事」で、「いじめ」に結び付くものではなかったのかもしれません。でもそのささいな「出来事」が、いじめに発展してしまう可能性はいつだってゼロではないのです。
筆者の今まで経験したケースでは、どんなささいなことでも、大人がちょっとした言葉を投げかけたり、教えたり、気にかけたりしていました。もし、これを読んでいる方だったら、どんな対応をするでしょう。ちょっと考えてみませんか?
幼稚園の時の実例
毎朝、迎えに来る幼稚園バスでの出来事です。乗って席に座るときに年長のAちゃんの横に座ろうとした年少のKちゃんに、Aちゃんが「(年中の)Mちゃんと一緒に座りたいからKちゃんはあっちに座って」と言ってしまったとのこと。
このことでいじめられたと感じたKちゃんが自分のお母さんにそのことを告げて、KちゃんママがAちゃんママに相談してきたことがありました。
この時の対応と解決法はこの様なことでした。
同じマンションに住む子供同士、Kちゃんママが相談という形で言ってきてくれたおかげで、ママ同士の話で理解し合い、その時に良い解決法で一致したのでその後も問題なく過ごせた例です。
小学生の時の実例1
4年生になった頃に、YちゃんとAちゃんが仲良くなり、交換日記をすることになりました。ある時、家の机の上にあったそのノートをAちゃんのお母さんが覗いてみると、そこにはYちゃんが他の同級生の子の悪口を書いてあって、Aちゃんも同調しているような返しをしていました。
このような件は他にもあって二つの対応をご紹介します。
対応1:ノートをみたAちゃんのママが日を置いて、一緒にお風呂に入ってるときに「お友達と仲良くしてる?」とか「お友達の悪口言ってない?もし、他のお友達で言ってる人がいても、一緒になって言っちゃダメよ」と言って様子を見ることにしました。
その後、ノートの中では悪口を書くようなことはなくなりました。
対応2:同じ様な出来事があった別件では、Aちゃんのママの立場にある方がYちゃんのママの立場にある方に「交換日記で友達の悪口を書いてるんだけど…」と相談したそうです。すると、Yちゃんのお母さんの立場の方が「いくら子供でも、子供のプライバシーである交換日記を覗き見るなんてどういうこと!?」とそちらを指摘してきたそうです。
この二つの対応を比べてみて、同じ出来事でも感じ方や考え方が親によって違うというのがわかりますね。ここで分かれるのが子供の世界とはいえ、親が介入しようとする親と、子供の自主性に任せようとする親の違いがあります。
小学生の時の実例2
小学校に入ってよく、「女の子は集団化するから…」とか、「高学年になると女の子はちょっと変わるのよね…」などという話がちょくちょく耳に入ってくるようになりました。そんなころの話です。
マンションの敷地内にある小さな公園での出来事です。同じ小学校の同学年の三人の子が公園の水飲み場の水を全開に出して遊んでいました。それをAちゃんとMちゃんが見ていて、心の中では「いけないんだ~」という感じだったのでしょう。
すると、三人組の中のリーダー的な子が「何見てるの?」と言ってきました。AちゃんもMちゃんも言い返せる様なタイプではないので、何も言わずにその場を離れて、すぐマンションの中に入って来ました。ところが、三人組が追いかけて来て、また文句を言ってきたそう。
これはただのケンカでしょうか。小さな出来事でしょうか。考え方も色々だと思います。その後の対応をご紹介する前に、この話には続きがあります。
神妙な顔で家に戻ったAちゃんの家に戻ってきたAちゃんとMちゃん。二人の様子が変なのでAちゃんのママが話を聞いてみると、そういうことがあって怖かったということで二人は泣き出してしまいました。
Aちゃんママは、Mちゃんに「お母さんにお話しできる?もし出来なかったら、私からMちゃんのお母さんにお話しするからね」と言って、自宅まで送りました。どうしようか考えていたときに、Mちゃんのお母さんから電話があって、三人組がMちゃんに話があると言って家まで来たそうです。Mちゃんから話を聞いていたMちゃんのお母さんが三人に何の話か尋ねると、さっきの話の続きをしに来たとか。
Mちゃんのお母さんはうまく諭して、「Aちゃんも怖かったと思うよ。仲良くしてね。」といって帰したそう。その後、三人組がAちゃんの家にも来たので、Aちゃんママが先に「謝りに来てくれたの?ありがとう」と言い、Aちゃんにも「わかった、来てくれてありがとう」と対応させ、その場をおさめたということでした。
話はこれで終わりではなく、その後の対応もまだあります。
Aちゃんのお母さんはその後、学校に電話して一部始終を担任に伝えました。三人組はAちゃんとは違うクラスでしたが、名前を告げると「学年でも目立つちょっと大人びた子たちですね」ということで担任も認識していました。
三人組の担任にも伝えましょうかと言って頂きましたが、Aちゃんのお母さんは、三人組は謝りに来てくれたということとして、来てくれてありがとうという対応で終わらせてはいます。
先生にお願いしたいのは本人たちに言わなくてもいいので、学校での様子だけ気を付けておいてください。そう告げて、その後何もなければそれに越したことがないという風に対応して頂くことにしました。
ここに登場したAちゃんのママは、実は私、青色です。
自分の子供がいじめる側、いじめられる側のどちらにもなりうるという事を忘れてはいけません。そして、どちらの立場になっても親は心が痛いものです。
大事なことはいじめは悪いこと。これだけは忘れてはいけません。いじめる側がいなければいじめはないということもハッキリしています。
それでも、なぜか世間の風潮として、「いじめられる側にも問題がある」と、いじめの被害者を非難する声も根強くあります。そんな中、ハッキリと「いじめる側が悪い!」と断言したV6イノッチこと、井ノ原快彦さんの発言が絶賛されています。
いじめはいじめる側が悪い
「いじめはいじめる側が悪い!」そう、発言したのは、ジャニーズのアイドルグループ・V6のイノッチこと井ノ原快彦さんです。その発言が絶賛されているというので筆者も注目しました。
井ノ原 快彦さんプロフィール
井ノ原 快彦(いのはら よしひこ)さん、1976年5月17日生まれ。ジャニーズグループ「V6」のメンバー。1988年12歳でジャニーズ事務所にはいり、1995年にV6でデビュー。
現在では、V6での活動の他に、個人でもバラエティー番組のMCや俳優としてドラマに出演されたりと、多方面に渡って活躍中です。
いじめについて井ノ原 快彦さんの発言
井ノ原さんがいじめについて発言されたのは、自身がMCを務めるNHK情報番組「あさイチ」。この番組では、2017年2月6日と2月20日の両日で「いじめ」についてのテーマを取り上げていました。
番組内で彼が言った発言に、絶賛の声が寄せられています。いじめられた側に対してよく言われる「いじめられる側も悪い所があるんじゃないか」という言葉に対して、「ありえない」「いじめる人が絶対悪い」とハッキリ言い放ったことです。
私も同感なんです。先ほども述べましたが、いじめる人がいなくなれば、いじめはなくなるんです。
井ノ原さん自身が小学生の時にいじめにあった経験から、「人の心の動きとか痛みに敏感になった」と語っています。だから、人に優しく、そして気遣いが出来るのだと思います。
子供のいじめ問題を相談できる場所を広めましょう
子供たちの相談する場所はどこなのか。親がその役割を担えればで一番なのかもしれません。学校の先生でもいいでしょう。子供同士だとしても誰かに話すことで救われる命も絶対あります。
でも残念なことに誰にも相談しないで、またはできないで悲しい結果に至ってしまうことがある事実もあります。
いじめ問題を社会でする対処法
2017年8月25日の読売新聞の朝刊でこのような見出しを見つけました。「夏休み明け 自殺防げ」。
この記事の初めにも触れましたが、18歳以下の自殺者が夏休み明けの9月1日に最も多いというのは事実です。新聞でもそこに触れており、間もなく終わってしまう夏休みのこの時期に、相談窓口の場所を広めるための新聞での内容でした。
この新聞記事によると、小学生から大学生までの自殺者全体では前年比で減っているのに、小学生は変わっていないどころか倍にもなっているとのことです。
自殺者の年齢が低年齢化しているという心苦しい事実をどうしたらいいのか、大人がすべきことは?と改めて思わされます。
親や周りの大人が出来る事
2017年8月27日配信の西日本新聞でも9月1日に自殺する子供が多いことに触れています。その中で対処法として書かれていることをまとめてみました。
●本人のは話を最後まで聞いてあげてください。
●途中で話を遮って、意見を言わないでください。
●説教は言わないでください。
●自分の体験談や成功例は言わないでください。
●無理しないでずる休みしてもいいんだよくらいに、死を選択しかねないくらいなら学校は休んでもいいという気持ちで大人が着ることも大事です。
この様な対応で子供は自分で答えを見つけると書かれていました。心の辛さは一人一人違います。「こうしなさい」ということが重荷になったり、逆効果の場合にもなることを周りの大人も知っておくべきではないでしょうか。
いじめの相談窓口を広めて!
小学生や中学生の子供でも親に言えない、大人に言えない、でも実はSNSで独り言の様に呟きを書き込みしていたり、顔の見えない相手に何となく心の声を発信していたりしていることはあるようです。
そんな中で電話やSNSを利用した相談窓口がある事を広めましょう。筆者も一人の子を持つ親なので、親である自分には言ってくれるだろうと思いたい半面、子供の心の中はわからないこともあります。
普段から親も社会も「あなたを助けられるよ」という環境を表すことも大事なのではないかと思います。
名称 | 受付時間等 | 連絡先 |
文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」 | 24時間受付。保護者もOK | 0120-0-78310 |
チャイルドライン支援センター「チャイルドライン」 |
●電話/月~土曜日。16:00~21:00(一部地域で日曜日) ●チャット/8月29日~9月6日。16:00~21:00 |
0120-99-7777 (チャット)「http://www.childline.or.jp」「ネットでつながる」 |
ダイヤル・サービス「子ども110番」 | 8月27日~9月9日・16:00~21:00 | 「http://www.kodomo110.jp/」でLINE IDを公開 |
引用:2017年8月25日現在読売新聞より
このような場所がある事を広めていく事も大人の使命の様に思います。
子供同士の問題に親の介入はどこまで?
昭和の頃と違い、社会全体をみても子育ての状況も親の考え方も変わってきてるのでしょうか。いえ、時代が変わっても親が子供を思う気持ちや守り方が変わったとは思えません。
見守ることと放置は違います。言えないことと言わないことも違います。自分の子供を守るのは親です,そして周りの大人です。
子供同士の問題を自主性云々というより、まずは親もちゃんと我が子の状況を把握しましょう。周りの大人もみてみない振りしないように。子供の心のシグナルを見落とさない為です。親や大人は介入していいんです。
そういうことを肝に銘じていたいですね。いかがですか?
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