高齢者の交通事故対策は可能?急増する事故の事例から防止方法を考える
最近ニュースでよく耳にするのが「高齢者ドライバー」による交通事故です。昔はそこまで聞かなかったような気がするのですが、最近やたらと耳に入ってきます。それには少子高齢化だけではなく、様々な原因があるということが分かりました。
これから自分たちもどんどん年齢を重ねていき、いずれは高齢者ドライバーになります。また、両親も高齢者になっていきますよね。自分や身内が高齢者になったとき、どうすれば交通事故を防ぐことができるのかを見ていこうと思います。
Contents
高齢者の交通事故
高齢者ドライバーというのは「原付以上(特殊車を含む)を運転している65歳以上の人」のことを言います。高齢者による交通事故が増えているという話をよく耳にしますが、実態はどうなのか見ていきます。
増加する高齢者の交通事故
高齢者の事故は年々増加しています。以下のグラフをご覧ください。
by bitomos マリモ(参考:福岡警察本部)
こちらは福岡警察本部が調査した高齢運転者による事故の状況を参考に作ったグラフです。青い棒グラフは全事故で、オレンジの折れ線グラフが高齢者による事故を示しています。
高齢者の交通事故が増えている原因
高齢者による交通事故が増えている原因としては
- アクセルとブレーキを踏み間違えた
- 前進と後進を間違えた
- 信号無視をした
- 高速道路での逆走
などが挙げられており、判断力・集中力・注意力が低下していることが原因となっています。
高齢者による交通事故のニュースが増えている
2017年1月28日には北海道函館市宝来町のスーパーマーケット駐車場で、78歳の男性が運転する乗用車が軽乗用車に衝突し、車内の女性が頭に軽いけがをしました。運転していた男性は「どのように事故を起こしたか記憶がない」と言っていたそうです。
また同日に静岡市駿河区西脇では、近所に住んでいた74歳の無職女性が運転する乗用車が、バックで薬局の出入り口に突っ込んだ後、逆方向に急発進しました。道路を走行中の車とぶつかり、店内にいた50代の男性客が巻き込まれてしまいました。
高齢者の交通事故の防止対策とは?
子供が減り、運転免許を取らない若者が増えているので、これからも高齢者による運転は増えていくことでしょう。もちろん事故も増えていくことが予想されています。
ですから、国や政府は事故防止のための対策を進めていますし、高齢者ドライバーを家族に持つ人たちも、防止対策を練らねばなりません。
国や政府での対策も進んでいる
高齢者の交通事故がどんどん増加していることを受けて、国でも様々な対策が取られています。例えば、乗用車の安全運転支援システムの開発を進めていたり、国土交通省では「乗用車の自動ブレーキ装着の義務化に向けた国際基準の作成」を検討しています。
また2017年の3月には
<1>一定の違反行為をした75歳以上の高齢運転者に対する臨時認知機能検査の導入
<2>臨時認知機能検査で認知機能の低下が自動車等の運転に影響を及ぼすおそれがあると判断された者に対する臨時高齢者講習の導入
<3>運転免許の更新等の際の認知機能検査で認知症のおそれがあると判断された者に対し,その者の違反状況を問わず,臨時適性検査(専門医の診断)を行い,又は医師の診断書の提出を命ずることを可能とする制度の見直し
というような内容の認知症対策を強化した改正道路交通法が施行される予定です。
運転免許証の自主返納を推進
政府や警察は、65歳以上になった高齢者に、運転免許証の自主返納を進めています。運転免許証を自主返納すると「運転経歴証明書」というものが発行されます。この運転経歴証明書は身分証明書として使うことができます。
また、運転免許証の自主返納することで、公共交通機関を安くで利用できるようにしている自治体も多いです。
高齢者ドライバーの家族にできること
高齢者ドライバーと生活している家族が、高齢者の交通事故を減らすためにできることがいくつかあります。
運転免許返納を進めてあげる
高齢者の中には、「自分はまだまだ運転できる」というプライドがあり、なかなか運転免許証の自主返納をできないでいる人がたくさんいます。ですから、家族がゆっくりと優しく説得してあげる必要があるでしょう。
Twitterで話題になったのが、コチラのツイートです。
認知症の男性。家族が「運転卒業式」を開催。「おじいちゃん、長い間運転ご苦労様でした」と孫から感謝状+記念品贈呈+写真撮影→床の間に飾る。車を売却→自宅駐車場にご近所と歓談用ベンチ。「俺の車どうした?」と聞くたび妻は記念写真を指差し「そうだったな」と納得。ご参考になれば。#認知症
— satomi_inoue (@satomiot) November 13, 2016
ただ「運転免許所を返せ!危ないだろ!」というのではなく、長年の運転を労い、卒業式を行ったそうです。
高齢者講習を受けさせる
高齢者の中には、どうしても免許を返したくない!という人もいるかもしれません。そんな時には定期的に高齢者講習を受けさせてあげるようにしましょう。
75歳以上の方になると、高齢者講習の前に講習予備検査があります。講習予備検査というのは、記憶力や判断力を測定する検査のことです。
時間の見当識・手がかり再生・時計描画の3つの検査項目についてを検査用紙に記入して行っていきます。検査の実施、採点、結果の通知全て合わせて、約30分ほどで終わる検査です。
家族が送り迎えを積極的にしてあげる
運転免許証の自主返納を進めて終わりでは、高齢者の人が困ってしまいます。交通の便が良い地域だと、バスやタクシーで移動すればいいかもしれませんが、交通の便が悪い地域ではそうはいきません。
運転免許証の自主返納したら、家族が車で買い物に連れて行くなどして、高齢者の移動をサポートしてあげる必要があります。
「あじのひらき」を教えてあげる
交通事故防止の合言葉である「あじのひらき」ってご存知ですか?この合言葉は、高齢者はもちろん、全ての年代の人の交通事故を防止するために埼玉県警交通企画課によって作られました。
「あじのひらき」の意味は
- 「あ」…歩く人
- 「じの」…自転車に乗る人
- 「ひ」…左側からくる車と衝突
- 「ら」…ライトのつく頃に多発!
- 「き」…近所で油断してしまう
です。どれも事故が多発しやすい状況を示しています。この合言葉を、高齢者ドライバーに伝えて、意識して運転するように促してみてくださいね。
高齢運転者の交通事故についてのみんなの声
高齢者による交通事故多発について
自動運転が実現すれば、解決するだろうという意見がありますが、運転すること自体を快感や信頼を持つ高齢者は果たして自動運転に切り替えることができるのでしょうか。— りょうへい (@2jtSCnNDa9mmOYp) 2017年6月23日
高齢者の交通事故と芸能人の運転に関する不祥事多いから、高齢者も芸能人も全員まとめて免許返納したら?(極論)
— 緑のダイチ (@daichi___green) 2017年6月20日
[type=”ln” subtype=”L1″ icon=”kasi3.png” name=”bitomos編集長”]高齢者も芸能人も!!たしかに極論ですね~(笑)でも、車がなくなったら何かと不便だろうし、自分が高齢者になった時すんなり免許返納出来るのかな?って考えちゃうね。[/speech_bubble]
昔は3世代が1つ屋根の下で暮らしてたから皆が助け合ってバランスが取れてたんだろうけどね。待機児童問題も高齢者の運転による交通事故も大元の問題は核家族化が原因なんじゃないの?
— 硬茹ウヱッジ@眠れる森の中年男子 (@Katayude_Wedge) 2017年5月10日
だから高齢者の交通事故を減らしたいならさっさと運転免許に年齢上限を導入しろよ。#nhk
— マウントエレベスト (@sgmt8848) 2017年5月2日
[type=”ln” subtype=”L1″ icon=”kasi2.png” name=”bitomos編集長”]そうね、国がそういう制度にしたら高齢運転者の事故も減るかもしれないよね。[/speech_bubble]
高齢者の事故予防には周りのサポートが大切です
高齢者の事故について、いかがでしたか?今は若いから関係ないって思っている人も、いつかは自分が高齢者となっていきます。
また、高齢者ドライバーをもつ家族も、考えなければならない問題だと思います。国や政府の政策だけを頼りにするのではなく、周りがサポート出来ることはしっかりとしていくべきだと感じます。
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