朝起きれない子供は病気なの?隠れた睡眠障害に今すぐできる対策を!
「うちの子、朝起きるのが苦手で~」子供が朝弱いというのは普通にどこにでもある話です。が!そんな中でも、普通の朝が弱いというレベル以上に朝起きれない子が多くなっているというんですが…。
それはもしかすると病気かもしれません。あなたのお子さんは大丈夫ですか?
Contents
朝起きれない子供が多い
朝、起きられない子供が多くなっているといいます。保育園や幼稚園を卒園し、小学校に入学するタイミングや、小学校から中学に入学したタイミングなど、きっかけは様々なよう。また、もともと寝つきの悪い子だったという場合もありますし、年齢が大きくなるにつれて徐々に起きるのが苦手になっていったという場合もあります。
きっかけは様々でも、その悪循環のパターンは大体同じ様なんです。
朝起きれない子供の悪循環パターン
・夜眠れない
・夜寝るのが遅くなる
・朝起きれない
・昼間に眠くなる
この様に一連の悪循環が日々、積み重なって悪化していくというパターンがあります。どこで軌道修正していくか、どうやって軌道修正するかは、やはり親の責任なのではないでしょうか。
では、なぜ起きられなくなってしまったのでしょう。まずはその原因をみていきましょう。
子供が朝起きれない原因
子供が朝起きれない原因はいくつかあります。中でも、親の生活習慣の問題、子供自身の行動の問題が大きく影響していることが多いです。
自分のお子さんが朝起きれないという方は、次のような理由に思い当たることはありませんか?
親の生活習慣の問題
子供が朝起きれない原因に親の生活習慣が影響している場合が多いといいます。どういうことかというと、夫婦共働きの家庭が多い事で、特にお母さんの仕事の帰りが夕方以降になる家庭では、次の様な時間の流れが起こります。
・親の帰宅が遅い
・晩御飯の時間が遅くなる
・お風呂に入るのが遅くなる
実は夕食が遅い時間になり、お風呂に入る時間もおしてしまうことが、スムーズな寝入りの妨げになったり、質のいい睡眠の邪魔をすることにもなっているといいます。
このことから、生活リズムというのがとても大事だということになります。
子供自身の行動の問題
最近の子供は小学校の頃から、スマホを自分専用として与えられている家も多いです。子供の朝起きれない原因の2番目に多いのは、このスマホに関わる問題です。
スマホを使っている=夜更かし=睡眠不足というのもありますが、スマホが入眠を妨げる理由としては次のようなことも挙げられています。
【寝る前のスマホの問題】
●寝る前のスマホは脳への刺激が起こる
スマホでゲームなどをしていると脳が刺激を受け、興奮状態になります。そのままの状態で寝ようとしても寝つきが悪く、なかなか寝付けません。
●スマホの画面からくるブルーライトの問題
スマホやパソコンの画面から出ているブルーライトも大きな問題です。このブルーライトは自然の太陽光にも含まれており、その光を浴びることで体内リズムを整える役目もしています。
ただ、目から入るブルーライトは逆に体内リズムを乱してしまう要因にもなります。特に就寝前にスマホやパソコンを見ると、メラトニンという眠気を誘うとても大事なホルモンの分泌の邪魔をしてしまうと言われています。
寝る直前だけではなく、人のカラダのメカニズムとして、実は夕方から夜にかけてすでに寝ることに対して準備体制に入っているんです。その時間帯は特に意識して気を付けた方がいいでしょう。
子供によっては寝る寸前まで布団の中でもスマホをいじっている子も多いですもんね。
子供が朝起きれない原因はこのようなことがあるという事です。そのまま朝起きられない状態が重症化していくと…病気に発展してしまうことがあるかもしれません!?
子供が朝起きれないのは病気?睡眠障害の恐れ
子供が朝起きれないのは当たり前!?子供だから朝は弱いなんて納得してはいけません。子供だってしっかりいい睡眠をとっていると、朝起きれないということにならないんです。
朝起きれない子供にはある病気が潜んでいるかもしれないという説があります。大人でも耳にすることのある「睡眠障害」です。
睡眠障害とは
簡単な説明になりますが、人のカラダはは24時間周期で基本的な働きをしています。例えば、朝にカラダが目覚め、夜になると自然と眠くなるというサイクルもその働きになります。そのことを「サーカディアンリズム」といいます。
このサーカディアンリズムがなんらかの原因で狂ってしまい、睡眠全般に関してもスムーズに行われないことを睡眠障害といいます。
子供の睡眠障害にある「概日リズム睡眠障害」
子供睡眠障害にはいくつかの種類がありますが、ここでは最近問題になっている「概日リズム睡眠障害」について探っていきます。
■ 概日リズム睡眠障害
これは時差症候群(時差ぼけ)とも言われるものです。昼と夜の体内リズムがずれたり、狂ってしまい、それを調整しない(またはできなくなった)ままでいて、朝起きれない状態が続くというのが、この睡眠障害です。
子供の睡眠障害の問題は、学校に遅刻したり休みがちになってしまうことに加え、子供の健康面や成長過程に悪影響が出ることも大きな問題になります。
睡眠障害を疑う症状とは?
あなたのお子さんは大丈夫?この様な症状がありませんか?
●眠りたいのに眠れないという状態が続く
●日中、頭痛やめまいを多く感じる
●いつも疲れている様な感じ
●昼間に異常に眠くなり居眠りする
●休みの日、朝起きられずいつもより長く寝る
この様な症状が続くときは要注意です。基本は質のいい睡眠をしているとこのような症状になることがほぼないという事です。
子供の睡眠障害がカラダに及ぼす影響
成長期の子供に睡眠がとても大事なことだという話をご紹介します。成長期の子供に大事な「成長ホルモン」があります。成長ホルモンが出る場所は脳の 脳下垂体前葉というところです。成長ホルモンはどのように大事なのでしょう。
成長期の子供に成長ホルモンが大事な理由
カラダの組織・脳の構築、新陳代謝を促すホルモンとして、成長ホルモンは大人にとっても大事なものですが、成長期の子供にとっては、健康なカラダの成長のために特に重要な役割を果たすものです。成長ホルモンは寝ているとき(正しくは寝入ってから2~3時間後のノンレム睡眠時)にたくさん分泌されます。
つまり、スムーズな寝つきから質のいい眠りすることで、成長ホルモンがしっかりと分泌されることが大切ということです。心身共に成長する大事な時期「赤ちゃんの時から思春期に」特に親が子供の睡眠についてきちんを考えてあげる必要があります。
成長ホルモン不足による症状
充分に質の高い睡眠が得られずに成長ホルモンの分泌が妨げられると、子供の「成長促進作用」と「代謝調整作用」に影響が出てしまいます。「朝起きれない子供の悪循環パターン」でも述べた様に、「眠れない~朝起きれない」の悪循環で学校に遅刻する・休みがちになるというもの以外の、身体や精神面に及ぼす症状をまとめてみました。
身長が伸びない
成長期に成長ホルモンが十分分泌されないと骨の成長の妨げになることから、身長が伸びないという問題が現れる場合があります。身長が高い低いというのは、親からの遺伝的なものありますが、成長期の睡眠不足などによっても左右されるという事です
日中眠い
子供の睡眠障害は、学校に行っている時間帯に眠くなってつい居眠りしてしまうという問題もあります。朝無理やり起きて、朝ごはんを食べずにとりあえず急いで登校する子供も多く、その様な状態で学校に行っても授業に集中できないという状態になりかねません。
倦怠感
日中眠い状態というのは、カラダのだるさにも繫がっています。倦怠感が抜けないと元気も出ないですし、友達と楽しく過ごすこともできなかったりします。
気力低下
やる気のないまま学校で過ごすことになると、日中眠い・倦怠感に続いて気力低下も加わり、学習意欲もなくなってきます。この様な状態が続くと学校が楽しくなくなったり、より休みがちになったりしてしまい、更なる悪循環が起こってしまいます。
子供に多い「概日リズム睡眠障害」の2つの実例
TVのNews everyで子供の睡眠障害の実例を紹介していました。それぞれの状態によって、家庭で出来る事と病院での治療なくして改善されないことを比べてみましょう。
ただ朝が弱いだけなのか、昨日寝るのが遅かっただけのことなのか、日常的にその様な状態なのか見極めていかなくてはいけません。
生活の中で改善した例
小学2年生のH君の例
夜寝るのは22時前後で起きるのは8~9時。学校の授業中や友達と遊んでいても寝てしまう。
生活習慣の見直しで改善
家庭で生活時間帯を見直して改善方向に向かっています。外来で訪れた病院の指示が次の通りです。
●睡眠時間を19時~7時で10時間以上確保させる。
●夕食を寝る2時間前までに済ませる。
これで1か月半で昼間の居眠りがなくなるという結果が出ていました。
親が工夫することで、何とか子供の睡眠リズムを取り戻したいですね。このお母さんは食事を作り置きしておいて、帰ってから温めるだけにしてすぐ食べさせるように工夫していました。
入院して改善した例
中学1年生のT君
中学校に入学して部活や塾に頑張っていた中で、異変が起きたのは9月頃から。眠りたいのに眠れないという状態。
【ある日のT君の睡眠状況】
0:30に布団に入るが寝れずに寝たのが4:00a.m~9:30a.m。
0:00にスマホでゲームをする。寝たのが5:00a.m~夕方の16:30。
学校も10月から休みがちになるという状態。T君は精神的にも追い詰められていた状態で病院を受診し、「睡眠リズム障害」と診断されました。病気だと言うことがわかって、気持ち的にも楽になったと言います。
入院して改善方向
入院して行われた治療
1.高照度光療法
毎朝、同じ時間(6:00)に蛍光灯の光の10倍以上の明るさで目覚ましなしで強制的に起こす方法。光を浴びることで脳やカラダが時間を感じられるようにするというものです。これによって朝の時間を取り戻せるというもの。
入院して3日目から、朝起きてもまだ眠たいと感じながらも自分で起きられるようになっていました。
2.低温サウナ療法
普通、人のカラダは起床から体温が上がり始め、日中に高くなり、だんだんと下がってくる状態です。これに対して、T君は一日の体温変化がほどんとなく、夜に体温が上がってしまう状態になっていました。
これを正常に戻すために低温サウナ療法15分→保温シート30分の治療をし、これによって自律神経を整える効果を得るようにします。
3.食事と運動治療
決まった時間に食事をとる事と運動もとても大事だといいます。これによってカラダにリズムをつけることもできます。
T君の場合はこの治療3週間続けた時点で改善が見られています。カラダのリズムが出来てきて、夜も布団に21時に入って、30分程で寝られるようになったと言います。入院は4~8週間くらいですが、退院後も継続してカラダのリズムを維持できるまで半年~1年程かかるそうです。
他に薬を使っての治療法もありますが、基本的に「自分で眠れる力」がある場合には薬物療法は使わなくてもいいとのことです。自分で眠れる力というのがキーポイントですね。
すぐできる!子供の睡眠障害を改善する生活習慣
子供の睡眠障害の改善には親の管理がとても大事になります。まずは生活習慣を見直して、良い睡眠に向かえる習慣をつけましょう。良い眠りにつくためのポイントをまとめてました。
食事は寝る最低でも2~3時間前までに済ませる
寝る直前に食事をすると、胃や腸が食べ物を消化しようと活発になってしまいます。活発になると、脳や神経が休むことができないので眠りに入っても浅い眠りになってしまうことになります。
お風呂は寝る1時間前までに入る
これは寝入りの状態にとても大事なことで、お風呂上りすぐに布団にはいっても、カラダが冷めてしまった状態でも、寝入り状態はよくありません。人が眠るときは体温は下がり始めた時が一番いい眠りへ導かれると言います。この仕組みを利用すると寝つきがいい状態になれます。
お風呂を出て1時間弱、少しほてりが収まったなと感じるあたりで布団に入るようにしましょう。
太陽の光を浴びる
朝起きて、カーテンを開けたり外に出たりして太陽の光を浴びることも大事です。カラダに時間の感覚を取りいれることはもちろん、心やカラダの安定を整えてくれる三大神経伝達物質の一つ「セロトニン」の分泌を促すことにも繋がります。
▼セロトニンの働きや、分泌を活性化する方法については、こちらの記事をどうぞ♪
セロトニンを増やす方法!セロトニン不足で心や体に起きること決まった時間に食事を摂る
決まった時間に食事を摂ることは生活のリズムを作ることにも繫がります。特に子供の頃の朝ごはんは一日の始まりにとても大事です。親子でしっかり朝ごはんを食べる習慣をつけましょう。
一日一回運動をする
なんでもいいでしょう。なにか運動をしましょう。子供だったら学校で昼休み時間に校庭に出て遊ぶのもいいですね。
入眠儀式を決める
寝る前にこれをするとそろそろ寝るモードに入る合図の様なものがあるといいですね。小さな子供の場合は歯磨き~絵本の読み聞かせも効果的です。
お風呂に入った後からはTVやスマホ、パソコンの利用はやめましょう。いい睡眠というのは一連の流れによって出来るものだというのもとてもよく分かります。子供のカラダや脳の健康に気をつけるのも親次第なのではないでしょうか。
子供の睡眠障害は早めの対策で改善を
いかがでしたか。子供の睡眠障害は意外と他人事ではないことです。朝起きるのが苦手だから早く寝なさいというだけではなく、どういたらスムーズな寝入りになれるか、質のいい眠りになれるか考えてみることも大事だということです。
▼お母さん、お父さんもしっかり眠れていますか?不眠の対策はこちらの記事も要チェックです!
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