さくらねこTNRの意味や方法は?不幸な野良猫や殺処分を減らそう!
先日「さくらねこTNR」のボランティアをしてきました。さくらねこTNRという言葉を初めて知ったという人も多いかもしれませんが、筆者はこの活動をたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。
野良猫を見つけると、ついつい餌をあげてしまいませんか?筆者もつい最近までそうしていました。でもさくらねこの存在を知ってから、餌をあげることは止めました。
今回さくらねこTNRというものについて詳しく解説していくので、家の周りに野良猫ちゃんがいる!という人はぜひ読んでほしいと思います。
さくらねこTNRって一体何?
さくらねこTNRというのは、公益財団法人どうぶつ基金が2005年から行っている動物愛護事業の1つです。具体的には、飼い主のいない野良猫を捕獲し不妊手術をし、手術をした目印として耳を桜型に切って元居た場所に猫を戻すという活動です。
どうして不妊手術が必要なの?
さくらねこTNRは、野良猫への苦情や殺処分を減らすために不妊手術を行っています。
猫は交尾排卵といって、交尾をすると必ず妊娠する生き物なんです。1度の出産で5~7匹の子供を産み、1年に3回出産することもあります。不妊手術をされていない野良猫たちは、交尾を繰り返しどんどん繁殖を続けていきます。
飼い猫であれば不妊手術を飼い主さんがしますが、不妊手術にはお金がかかります。野良猫の不妊手術を自らする人はいません。そこで「さくらねこTNR」を実施し、無料で野良猫の不妊手術を行い、野良猫の繁殖を防止しているのです。
さくらねこって何?
さくらねこというのは、TNRによって不妊手術をした猫のことです。耳の先を不妊手術の時に桜の花びらの形にカットするので「さくらねこ」と呼ばれています。
引用元:どうぶつ基金HP
この目印はとても大切で。耳の先をカットしておかないと次のTNRのときに再度捕獲され、手術されてしまうことがあるからです。
耳をカットするのは可哀相?
野良猫の耳を桜の形にカットすることを可哀相だ!と非難する人もやはりいるようです。ですが、日本では現在なんの罪もない猫たちが、1年間で45,574頭も殺処分されているのです。(環境省HPより)
殺処分されることを考えると、耳をカットしてでもその不幸の連鎖を止める方が良いのではないか?と筆者は個人的に思っています。
TNRの意味は?
TNRの意味は以下の通りです。
Trap(トラップ)→ 捕獲すること
TNRの「T」はトラップで、野良猫を捕獲することです。野良猫を捕獲するときの注意点は
- 猫がけがをしないように気をつける
- 連絡先、目的など書いた張り紙をつける
- 捕獲機を仕掛けている間、その場所から離れない
- 猫が捕獲機に入ると速やかに布で捕獲機全体を包み込んで猫を安心させる
(どうぶつ基金HPより引用)
です。
Neuter(ニューター)→ 不妊手術のこと
TNRの「N」はニューターで、捕獲した野良猫の不妊手術をすることです。不妊手術の注意点は
- 不妊手術済みの目印として、猫の耳先をvカットします
- 全身麻酔がかけられているので、猫は痛くありません
- 出血もほとんどないです
(どうぶつ基金HPより引用)
です。
Return(リターン)→猫を元の場所に戻す
TNRの「R」はリターンで、捕獲して不妊手術をした野良猫を元居た場所に返すことです。猫を元の場所に戻すときの注意点は
- 猫ボランティアさんは術後経過観測をすること
- 餌は置き餌をせず、猫が食べ終わるのを待ち、あとかたづけと掃除をすること。
- 捕獲もれの猫は速やかに捕獲してTNRを行う事
(どうぶつ基金HPより引用)
です。
さくらねこTNRの実績は?殺処分0は可能?
では、さくらねこTNRはこれまでにどれくらい実施されているのでしょうか?
さくらねこTNR実績 | ||
29年12月手術数 | 29年度累計 | これまでの累計 |
2,395匹 | 19,191匹 | 60,577匹 |
(どうぶつ基金HPより)
このように毎年確実に野良猫の不妊手術を行っています。またTNRでは殺処分0を目指して、即行・徹底・継続をモットーに活動を続けています。
画像引用元:どうぶつ基金HP
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さくらねこTNRの方法や流れ!ボランティアで見たTNRの実情は
では実際に、筆者がTNRのボランティアに行った時にみたTNRの方法や流れを紹介していきます!
実施会場に捕獲した野良猫が集まる
まず、TNRが実施される会場に捕獲された猫たちが集められます。野良猫を捕獲した人は、
- 捕獲した場所
- 猫を戻す予定の場所
- 猫の呼び名
- 性別
を記入し受付をします。受付が終わった猫たちは、ボランティアさんの手によって会場内に運ばれ、並べられていきます。
画像引用元:NPO法人・犬猫みなしご救援隊・代表ブログ・みなしご庵へようこそ
捕獲機には毛布やタオルをかけて、猫達が少しでも安心できるようにしていました。
獣医師が猫に麻酔をかけていく
捕獲機に入れて並べられた猫たちに、麻酔を打っていきます。私が行ったボランティア会場では10匹ずつに分けて、どんどん麻酔を打っていました。なかなか麻酔がかからない子もいますが、ほとんどの猫が数分で麻酔にかかり眠っていきます。
麻酔がかかったらメス猫の毛刈りをする
麻酔がかかったことを確認したら、猫の頭に番号を書いたテープを貼り、オス猫はそのまま手術室に運ばれます。メス猫は手術のために、ボランティアスタッフがお腹の毛を刈っていきます。
毛刈りが終わったら不妊手術と耳カット
オス猫は麻酔がかかったらすぐに、メス猫は麻酔の後毛刈りが終わったら手術室に運ばれていきます。手術室の中はボランティアスタッフは見れませんでしたが、5~6人の獣医師さんによって素早い手術が行われていたようです。
ちなみに手術跡は1cm程度だというから驚きです…
画像引用元:どうぶつ基金Facebook
麻酔が覚めるまで安静にして見守る
麻酔を打った猫たちは、見守り部屋に移動され温かい空間で安静にしておきます。
画像引用元:NPO法人・犬猫みなしご救援隊・代表ブログ・みなしご庵へようこそ
捕獲機に戻して元にいた場所に返される
手術が終わった野良猫たちは捕獲機に入れて捕獲した場所に戻され、ボランティアスタッフさんにより経過を観察します。
不幸の連鎖を止めるための私たちができること
筆者は今回初めてTNRのボランティアスタッフをしてきましたが、野良猫の命を助けるためにこんなに動いている人がいるんだと感動しました。
それと同時に、「猫が可哀相だから」と餌だけをあげ続けてきた自分を恥ずかしく思ってしまいました。このTNRという活動、正直まだまだ広まっていないと思います。
家の近くに野良猫がたくさんいてどうにかしたい人や、猫の殺処分を減らしたいと考えている人がいたらTNRに参加してみてください!
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