“半分青い”の劇中歌“あなたの～♪”と歌われる曲に込められた想いとは

ある日、NHK朝の連ドラ「半分、青い。」で、“あなたの、こと想うと～♪”と歌が流れてきたとき、筆者は何か引っかかったような気がしたのですが、一瞬気が付きませんでした。しかしその歌が“シーナ＆ロケッツ”の「ユー・メイ・ドリーム」という曲だと分かった時、即座に感じたのは、シーナさん、天国で喜んでいるだろうな、ということでした。

onewoman

みなさん、こんにちは。bitomosライターのonewomanです。私は“シーナ＆ロケッツ”の大ファンです。例えば、私の住んでいる近くの街でライブがあれば必ず観に行きます！そんな私がライブを観て感じたこと、生で見た“シーナ＆ロケッツ”をご紹介したいと思います！

西川美穂

え？あの曲、私も気になってたんですけど、“シーナ＆ロケッツ”って今も活動してるんですか？

onewoman

みほちゃん、何言ってるのよ～！“シナロケ”は今年結成40周年記念ライブツアー中のバリバリの現役よ！

西川美穂

け、結成40周年！？

ユー・メイ・ドリーム

この動画が「半分、青い。」で主人公の友人・裕子が“あなたのこと想うと～♪”と歌った、“シーナ＆ロケッツ”というバンドの“ユー・メイ・ドリーム”という曲です。歌詞の一部をご紹介します。

西川美穂

なんだか、初めて恋をした女の子の歌みたい♡

onewoman

そうだね、そしてこの女の子の “夢” は恋した人と結ばれることをなんだよね。

この曲は1979年12月に発売された“シーナ＆ロケッツ”デビュー後2枚目のシングルで、大ヒット曲となりました。飛行機会社JALのCMにも起用され、この曲で“シーナ＆ロケッツ”は世間に認められたのです。

西川美穂

でも沢山ある曲の中から何故これを選んだのかな？

onewoman

“シーナ＆ロケッツ”のバンマスでもある鮎川誠さんと「半分、青い。」の脚本家の北川悦吏子さんとのやり取りがTwitterに乗ってるんだけど…。

鮎川誠のツイッターに、NHK朝ドラ「半分、青い。」の脚本家、北川悦吏子さんから嬉しいご返信をいただきました！シーナ＆ロケッツのユーメイドリームが大好きとの嬉しいコメント！この先、ドラマ内に何度も出てくるとの嬉しい予告もして下さってます！今後も見逃せませんね。https://t.co/XBtzTQr6xs pic.twitter.com/NqqZ5Hfeiv

— シーナ＆ロケッツ (@rokketduction) 2018年6月27日

脚本家の北川悦吏子さんはもともと“ユー・メイ・ドリーム”という曲に思い入れがあったようですね。ただそれだけではなく「半分、青い。」は夢を追い続ける人達を描いているドラマです。北川悦吏子さんが“脚本家になるという夢”を追っているときにも、心の中でこの曲が流れていたのではないでしょうか。

SHEENA&THE ROKKETS

SHEENA&THE ROKKETS#1(ファーストアルバム）

1970年頃、博多で熱狂的な人気を博してた伝説とも言われるバンド“サンハウス”でギタリストとして活躍していた鮎川誠さんと、その妻であるシーナを中心に1978年に“シーナ＆ロケッツ”は結成され、同年10月“涙のハイウェイ”でデビューしました。

SHEENA&ROKKETS“真空パック”

“シーナ＆ロケッツ”結成後、YMOの細野晴臣さんのプロデュースにより2枚目のアルバム“真空パック”を発表。同時期に発売された“ユーメドリーム”の大ヒットにより、世間に認められるバンドとなります。ジョン・レノン&オノ・ヨーコの専属写真家で知られるボブ・グルーエンの写真集には“日本最高峰のパンクバンド”として取り上げられました。以後海外の様々なアーティストとの交流を深めることとなります。

DOS/Vブルース（鮎川誠：著）

1996年、まだインターネットの黎明期に鮎川誠さんは日本のバンドとして初のホームページを自ら立ち上げ、『DOS/Vブルース』を書籍として発表し、その後も長年にわたり精力的に国内でライブを行っています。

音楽以外でも鮎川誠さんとシーナさんの『ロックな夫婦』は日本に新鮮な夫婦像として取り上げられ、多数のCM等に起用されることとなります。また鮎川誠はそのオリジナルな存在感から役者としても多数のドラマに起用されるなど、“シーナ＆ロケッツ”の活動は多岐に渡り、国内のロックファン以外にも知られる存在となっていきました。

西川美穂

なんかシーナ＆ロケッツって格好いい！！

onewoman

わかってくれる～！?でも格好いいだけじゃないのよー！

シーナさんの流儀

シーナさんは17歳で鮎川さんと出会い、デビュー時には既に双子のお子さんを持つ母親でもありました。子育てと、ロックバンドを生業として行きていくのは並大抵のことではありません。それでも日本の女性ロックシンガーの草分け的な存在となったシーナさん。どんな女性だったのでしょうか。

YOU MAY DREAM ユー・メイ・ドリーム―ロックで輝きつづけるシーナ

シーナさんは幼い頃から家に当時まだ珍しかった電気蓄音機があり、ご両親が洋装店を営んでいたため同じ商店街にあるレコード屋さんに通い、エルビス・プレスリーやコニー・フランシスなどのポップスやロックに親しみ、小学校に入る前からお店の前で歌ったり踊ったりするような子供だったようです。そしてロックはシーナさんの生き方の教科書となり、高校生になる頃には、家出して東京や大阪など各地でライブを観るようになりました。

私のモットーは「いつだってビューティフル」「いつだってハートフル」「いつだってワンダフル」そして、「いつだって元気フル」。誰だって自分次第で何でもできる。それをみんなに伝えたい。それが、この本を書いた願い。そう「YOU MAY DREAM」“YOU MAY DREAM ロックで輝きつづけるシーナの流儀”より引用

私にとって、この世で一番大切なもの、かけがいのないもの。それは、私たち夫婦と3人の娘。愛。絆。宝。ほかの何にも例えられないもの。それが家族。“YOU MAY DREAM ロックで輝きつづけるシーナの流儀”より引用

筆者が一番驚いたのは以下の一文でした。

成人になれば子どもも親も平等（中略）人間には、絶対やってはいけないことが、3つある。これは、繰り返し、繰り返し娘たちに言ってきた。「人を傷つけるな」「人をけなすな」「人の物をとるな」（中略）自分のことは自分で決めればいい。自由の素晴らしさを満喫しながら、人生をエンジョイして、幸せになってほしい。“YOU MAY DREAM ロックで輝きつづけるシーナの流儀”より引用

筆者には子どもがいませんが、もしもいたとして、こんなにシンプルなことだけを守れば、あとは自分で決めればいいと言いきれるだろうかと感じました。

onewoman

シーナ＆ロケッツはライブ後にファンの皆さんを打ち上げに参加させてくれることがよくありました。シーナさんは私が声をかけると、いつもひまわりのような笑顔で“元気だった？”と気さくに話しをしてくれました。シーナさんは人に分け隔てなく接しました。例えば“ちょっとこの人には近づきたくないな”と感じる人ってたまにいますよね？そういう人に対しても優しく笑顔で接するのです。

西川美穂

なんだかシーナさんって素敵な女性なんですね

鮎川誠さんの流儀

今も多くのミュージシャンから尊敬される鮎川誠さんは、シーナさんの夫であり、同志であり、もちろんデビュー時からシーナさんと同じく双子のお子さんの父親でもありました。鮎川さんとはどんな人なのでしょうか。

鮎川さんのお父様はアメリカ人で、幼い頃から家にステレオやレコードがある環境で育ち、小学校の終わり頃に初めてお小遣いで買ったレコードは、レイ・チャールズの“What I say”だったそうです。それ以降、FEN（在日米軍向けのラジオ放送）でヒットチャートを聴いたり、友達とレコードの貸し借りをして、ロックやブルースにのめりこんでいったようです。

MONO（鮎川誠：著）

ロックをやるために奨学金をもらいながら国立大学に入学することを選んだ鮎川さんは、九州大学の入学式の日に、とあるバンドのメンバーになりました。その後、後に博多の伝説のバンドと言われる“サンハウス”のギタリストとなったのです。

上記の書籍“MONO”は1984年に発刊されたもので標準語で書かれており、鮎川さんの博多弁を聞きなれた筆者には少し違和感があるのですが、鮎川さんの原点が書かれています。

サンハウスもそうだけど、僕はバンドに参加するときに悩んだことはない（中略）それで失敗や後悔したことがないんだから、ある意味ラッキー・マンだと思う。だけど全部自分で決めたからラッキー・マンになれたんだぜ。自分で落とし前をつける。失敗しないように。後悔しないように。そりゃあ、熱心にやったからね。“MONO（鮎川誠：著）”より引用

僕はあまり怒らない。ケンカもあまりしない。（中略）怒るのはみっともない。怒ることは願うことだし、期待することだ。だだをこねることさ、おねだりすることなんだ。（中略）ノーグッドなことが起こるだろ。それは突発的に起こったことじゃないんだよ。ちゃんと理由と道筋があって起こることなんだ。ノーグッドな結果だけを見てあれこれ言うのは、オトナじゃない。“MONO（鮎川誠：著）”より引用

ロックのたったひとつのルールは「自分が決める」こと。それだけを胸にギターをジャンと弾く。OK、行こうぜ“MONO（鮎川誠：著）”より引用

onewoman

ライブ中の鮎川さんはとても格好いいのはもちろんのこと、客席の誰かと目が合えば嬉しそうに笑顔になる。ライブ後の打ち上げに参加させていただいた時、お声がけさせていただくと“おー◯◯ちゃん（筆者の名前）元気？”と気さくに笑顔で握手して下さる。だれに対しても隔たりがない、とても気配りのあるジェントルマンな方。時々“おいしい牛乳”の1リットルパックをそのまま飲んでいたりする、お茶目な面も微笑ましい方です。

西川美穂

なんだかお二人とも似たもの同志って感じ！普通の芸能人じゃないみたい！

シーナ＆マコト＝ロックな夫婦

MAIN SONGS(シーナ＆ロケッツ）

11月22日は
いい夫婦の日。
世界中探しても
鮎川さんとシーナのような
カッコいい夫婦おらんやろ。#いい夫婦の日#シナロケ#鮎川誠#シーナ

— Nadako@JUKE JOINT (@nowhere_nadako) 2017年11月21日

シーナさんと鮎川さんがとても信頼しあっているということは、ライブ中の二人のやりとりを見ても感じます。それは筆者だけでなく、観客の皆さんもそう感じているでしょう。

あるとき“シーナ＆ロケッツ”の打ち上げに参加させていただいた時、酔っ払っていた筆者はなんと！鮎川さんとシーナさんを目の前にして『どうして鮎川さんとシーナさんはずっと仲がいいんですか？』と聞いたことがあります。そのとき鮎川さんは少し照れくさそうに『尊敬してるから』と答えてくれたのです。これは筆者の“理想”だと感動しました。

名前

素敵～！私も結婚したらこんな夫婦になりたい♡

onewoman

そうだよね～！（もう結婚してるけど）

#シーナ 「チエちゃん、一日本読んでゲームやろ。目悪うならんか心配よ」 #鮎川誠 「塾にも行くしなあ。家におりとうないんやろうか」

Raizo Fujimotoさん(@raizo23)がシェアした投稿 – 2017年 3月月15日午前4時18分PDT

テレビドラマ版 “You May Dream”

シーナさんと鮎川さんの出会いから結婚、そしてシーナ＆ロケッツが結成されるまでの話は、初めはNHK福岡放送局で福岡発地域ドラマ『You May Dream』として制作され、2018年3月2日に放映されました。そしてこのドラマは2018年5月6日にBSプレミアムで全国放送されました。

【いよいよ本日】 #ドラマ #ユーメイドリーム #BSプレミアム での放送は、今日のお昼、午後０：４５からです！ついに全国放送！３月の九州沖縄での放送から心待ちにしてくださっていた全国のみなさま、ぜひご覧ください。 #シナロケ #福山翔大 #石橋静河 #松重豊 #NHK福岡　https://t.co/3MVxzIVInS

— NHK福岡 (@nhk_fukuoka) 2018年5月6日

西川美穂

実在するバンドの話がドラマになるなんてすごーい！

onewoman

シーナさんは鮎川さんのことを“マコちゃん”と呼ぶんだけど、ドラマの中でその発音が違うー、なんて気になってたんだけど、最後は泣いちゃったよー

鮎川さんは自分の世代の福岡人にとって、特別な存在です。
サンハウスからシーナ＆ザ・ロケッツとずっと大好きです。シーナさんをもっと見たかった。二人の物語は既に福岡では放送済みですが、5月6日にBS premiumで全国放送されます。
#シーナアンドザロケッツ #ユーメイドリーム #鮎川誠 #シーナ pic.twitter.com/vG9VsBdGvW

— pezvolante77 (@pezvolante77) 2018年5月1日

音楽は本物のシナロケや洋楽使用、「ぱわぁはうす」の階段は須崎に現存する本物だったし、ギターはSGからレスポールカスタムに変化してたし。わずか数コマのためにちゃんと「真空パック」になっていたり。ストーリー以外の数々の細かな演出へのこだわりがたまらんやったですね。 #ユーメイドリーム pic.twitter.com/h72R1Ujdra

— seki (@se9i) 2018年3月2日

夢は生きる原動力

シーナさんは“私の武器は「夢見る力」”と自著の中で書いていらっしゃいます。筆者も今まで沢山の夢を見て、挫折したり、叶ったり、挫折したりの繰り返しです。でもいくら挫折したとしても、いつまでも座り込んでいる訳にはいかないのです。

また立ち上がって前に進んで行くことが“生きる”ということなのでしょう。しかし口で言うのは簡単なこと、現実には難しいことだとも思います。

だからこそシーナさんは最後のライブまで“夢を忘れないでね”と言いつづけてきたのでしょう。シーナさんがお亡くなりになった後も、また鮎川さんは“シーナ＆ロケッツ”として精力的にライブ活動を続けています。keep on rolling ！

onewoman

美穂ちゃんの夢は何？

西川美穂

結婚したいと思える恋人をみつけることかな？

onewoman

私もまだまだ夢を追いかけるよ！

☆“シーナ＆ロケッツ”のオフィシャルホームページはこちらです。
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