不妊治療を怖がらないで!まずはタイミング法と流れを抑えてみよう

不妊治療というと、今は川崎希アレク夫婦などの若い有名芸能人の方たちが自身の治療を公表することもあり、かなりオープンにできる話題になってきました。しかし以前はというと、妊娠できることが当たり前、不妊は女性側の問題と捉えられてしまい、不妊は悪のようなイメージがあったことも事実です。
不妊=欠陥 とは思わないで!
グラスを落とせば割れるというように、行為と結果が必ず一致するわけではないのが「妊娠」です。どんなに望んでも妊娠できないこともあれば、望まないのにという場合もあります。
不妊で悩んでいる女性の多くが「自分に原因がある」「体の機能に欠陥がある」と思い詰めてしまいがちですが、決してそんなことはありません。
不妊治療と婚活は似ている!?
例えば結婚に例えるとしましょう。すんなり結婚できる人もいればそうじゃない人もいます。
結婚したい人は、少なからず相手と出会えるような努力をしますよね。友人の紹介、合コン、カウンセリングを受けたり、結婚相談所を利用する人もいます。
それらの努力が不妊治療です。努力の末に結婚できる人もいれば、そうでない人もいます。婚活したからといって、100%結婚できるわけではないですよね。
不妊治療と通常の治療はちょっと違う
虫歯があれば、抜いたり削ったりして完治します。ところが不妊治療の場合の治療のとらえ方はちょっと違います。不妊の要因を取り除いた先にあるのは、確実な妊娠ではないということなんです。
確かに不妊の原因の中には、女性機能不全のようなものもありますが、それらが完治したということは、妊娠になんの不安もない人と同じ状態になったというだけのことなのです。最初に言ったように、結果が必ず伴うわけではないので、それは不妊治療をしたところで妊娠の確率を100%に引き上げることは難しいんです。
より積極的に妊娠を希望するための治療。不妊治療とは、本来そういった前向きな治療方法なんだと思います。
一番自然妊娠に近い「タイミング法」
不妊治療にもいろいろと種類がありますが、よほどの事情がない限りまず最初に行うのがこの「タイミング法」という治療方法です。
タイミング法ってどんな治療?
男性の場合、妊娠の可能な時期は常にあるといえますが、女性の場合は違います。1ヵ月の間で妊娠が可能な時期はほんの1~2日といわれています。
その妊娠の確率が1番高い日を割り出して性交渉する方法を「タイミング法」といい、そのタイミングを計る方法は3種類あります。
方法1 オギノ式
月経周期(月経開始から次の月経開始の前日までの日数)から、14日を引いた日数を排卵日とするのが「オギノ式」計算方法です。一般的な月経周期である28日周期で計算をすると、28-14=14となるので、月経から14日目が排卵日となります。
画像引用元:不妊治療
方法2 基礎体温法
毎朝起き上がる前の体温を測ることで、その体温の変化からホルモンバランスを見るというのが「基礎体温法」です。月経開始は低温期といって36度前半が続き、排卵日を境に高温期の37度手前程度まで体温が上昇するので、この体温差を計測することで排卵のタイミングの予想を立てることができます。
画像引用元:妊娠したいを応援
方法3 頸管粘液(けいかんねんえき)法
排卵前になると、子宮の中は精子の受け入れのためいろいろと変化しますが、その一つが「子宮頚管粘液」です。おりものの変化をみることで、排卵のタイミングを予測する方法です。
通常は、外敵の侵入を防ぐために粘度の強い粘液ですが、排卵前になると精子が体内に入りやすいようにさらっとしてよく伸びる粘液に変化します。普段は強固な壁で侵入を防ぎ、排卵前だけ隙間の広い鉄格子になる、といったイメージです。
タイミング法でわかる不妊治療の流れ
タイミング法では、以上3つの検査方法をもとにおおむねの排卵日を予測し、タイミングを計って妊娠の確率を上げるというものなので、継続期間が長いほどに蓄積データはより確かなものになるといいます。
一般的に、タイミング法を始めて3か月はデータ収集のための期間ともいわれるほどです。蓄積したデータをもとに、改善の必要な個所への適切な治療を行います。
そこでよく指摘のある不妊要因としては、月経異常があげられます。体温が2期性ではない、月経周期が不規則といった場合、薬剤を投与・服用することで、月経異常を改善します。
月経異常改善を含めた治療の流れ
よく勘違いするのが、月経があれば排卵は起こると思われていますが、実際には排卵と月経は必ずしも対にはなっていないということです。
排卵のない月経は無排卵月経といい、月経異常の症状の一つです。これを見分けるには、排卵周期や基礎体温を測るのが一番だといわれています。
そのために、排卵を確実に行い、その後のホルモンバランスを安定させる治療を行います。
ステップ2 月経開始10日目から排卵誘発剤を注射(毎日~3日置き)
ステップ3 超音波検査で卵胞が育ったことが確認できたら、排卵誘発剤を高単位注射
ステップ4 卵胞の成長度合いを見ながら2~3日間隔で性交日の指導が入る
タイミング法のメリットとデメリット
より自然な妊娠の形がとれるというのがこの方法のメリットですが、そのほかにも様々な特徴があります。
なんといっても安価で簡単
不妊治療というと高額でとても手間のかかる治療だというイメージがありますが、このタイミング法はそんなことはありません。
確かに月経前半は定期的な通院や薬剤の服用などの手間はありますが、保険が適応されるので比較的費用が抑えられ、物々しい作業などもありません。
実は男性の協力が不可欠
通院も服薬も女性側が行うので、男性の負担はないように思いますが、実は違います。肉体的な負担は圧倒的に女性側にありますが、男性側は人によっては精神的な負担と受け取る人もいるんです。
というのも、性交渉のタイミングの指導を受けるということは、管理されるということです。そもそも性欲とは人間の三大欲求ともいわれるもので、管理できるものではありません。カレンダーに印をつけてわかりやすくされてしまうと、男性はプレッシャーに感じてしまうんだとか。
実際の治療の感想は
ゆいこさんには現在3人のお子さんがいて、全員をタイミング法で授かっていらっしゃいます。前回のお話と重複することもあるかもしれませんが、より詳しい治療時の話を伺っていきましょう。
副作用に関してはほとんどなかったんですが、強いてあげれば注射が痛かったですね。
体内受精・体外受精も判断材料にしたうえで、やはり自然な妊娠が望ましいという結論になりタイミング法を選びました。その時からどうなるかは主人も承知してくれていたので、基礎体温表に毎月先生が書き込む印を二人で確認しあったことも多々あるんです。
Photo by bitomos
これは、ゆいこさんが実際に使っていた基礎体温表です。上部矢印が注射を打つタイミングで、中央にある×印は、医師からの指導日だということです。
お話を伺って思ったことは、不妊治療には思った以上に多くの人の協力が必要だということですね。家族だけでなく社会とのつながりも重要で、そこが疎遠になってしまうと治療を続けること自体が難しいこともあると。
そしてもう一つ、今回の話でもわかるように、ゆいこさんはかなりオープンに自身の話をしてくださいました。そういった姿勢が、余計な誤解や不要な摩擦を生まない方法だったように感じました。
▼今回お話を伺ったゆいこさんのインタビューは、
「子供がいない夫婦二人の人生を選ぶ。不妊治療の後悔しないやめどきとは?」
こちらにものっているので、ぜひ読んでみてください。
不妊を正しく知ろう
不妊と聞くと、まず思いつくのが女性側の要因ですよね。しかし実際には、不妊の原因の割合は男女半々だといわれています。
画像引用元:不妊治療
それぞれの代表的な不妊原因を見てみましょう。
女性側の不妊原因
<卵管障害> 卵管が狭い・閉鎖している
<頸管障害> 一定時期のみ精子の侵入を許すはずがブロックしてしまう
<着床障害> 子宮内膜症・子宮筋腫等で子宮内の環境が整わない
排卵の有無に関しては市販の検査キッドで調べることができます。また、子宮内膜に異常がある場合、月経異常(激痛や大量出血等)が起こるのでこちらも判断がつきやすい障害です。ただし卵管や頸管障害に関しては、専門の検査が必要となるため婦人科の受診が必須となります。
婦人科への受診の前に自宅で気軽に自身の排卵状況を調べたい、不妊治療を本格的に始めるのはためらうけど、タイミングを合わせたい、そんな方にお勧めの排卵チェックアイテムがこちら。
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*第一種医薬品なので通常購入と若干購入方法が違います
店頭購入の場合は、薬剤師の対面販売対象品なので、お出かけ前に取り扱いの確認をしたほうがいいでしょう。
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男性側の不妊原因
<精子通路障害> 精子の通り道(精管)が狭い・ふさがっている
<逆行性射精> 射精の時に膀胱へ精子が逆行して女性にほとんど届かない
<性機能障害> 勃起障害・早漏・膣内射精できない・性欲がわかない等
精子形成障害の治療としては、投薬治療が主流となります。ただし画期的な治療法はないので、顕微授精に進むケースが多いです。
それ以外で心理的な要因でない場合は、そのほとんどが手術による治療もしくは体外受精などの不妊治療になるケースがほとんどです。
男女の相性が原因
精子と卵子にも相性があり、相性が悪いと頸管粘液のブロックにあい精子は卵子に出会うこともできません。また、まれにですが男性の精子にアレルギー反応がでるということも海外では報告されています。
ホームドクターという考え方
以前は「不妊は女性側の問題」という意識が高く、妊娠できないことを悩んだ女性もとても多かったそうです。しかし、最近の研究で不妊の原因は男女半々とわかりました。
また、不妊要因にも関係することですが、月経に関してもだいぶ見方が変わりました。生理痛は少なからずあるもの。病気ではない。そんな風に言われてきた人も多いのではないでしょうか。しかし最近の研究で、それは全くの誤解だとわかってきました。
▼PMSの症状について詳しくは「PMS(月経前症候群)の症状って?チェックリストや改善方法も紹介」もチェックしてみて下さいね。
内科や眼科や歯科など、かかりつけの病院を持っている方がほとんどだと思います。変化を専門的な目で見てくれるので安心ですよね。ぜひそのかかりつけ医の中に婦人科も加えてみてください。当たり前と思っていたこと、恥ずかしくて我慢してきたこと、そういったことも相談できるホームドクターを見つけてみてください。
不妊治療にはゆっくり向き合っていきましょう
不妊治療とは子供がほしくて始める治療なので、当然ゴールは妊娠ということになります。しかし、治療をすれば確実に妊娠できるというものではないのが不妊治療です。
治療期間が長ければ焦りも出ます。かけてきた時間やお金、なによりも募る思いを考えると、どうしても結果を出したいというのもわかります。
しかしストレスがかかれば、それは卵子にも精子にも影響します。過度なプレッシャーではのびのびといい仕事ができないように、体内でも同じことが言えるのです。
不妊治療、とくにタイミング法での治療の場合、夫婦間の理解度がとても重要になります。女性は結果ばかりに目を向けず、男性は自分も当事者だということを忘れず、お互いがお互いを思いあって続けることで夫婦の絆もより強くなることでしょう。そして、その先に新しい家族が迎えられたら…こんな幸せってないですよね。
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