追わせる恋愛の好例である花魁達！男性を夢中にさせるテクニックを盗め
「花魁」と聞いて、どんなイメージを抱きますか？最近は、花魁風スタイルで成人式に出席する方も増えている為、華やかな外見やお着物が頭に浮かぶのではないでしょうか？江戸幕府公認であった吉原遊郭ですが、いわゆる「性サービス」を行う遊女達がたくさん居ました。
その中でも、最高位である高級遊女の花魁。一夜を共にする為には、お金も時間もたくさん必要だった様です。
お金や時間をかけてでも会いに行きたくなる遊女になる為、花魁達が使っていた恋愛テクニック。学べる事が山ほどありそうだと思いませんか？
Contents
驚愕！花魁による恋愛テクニックが凄い
手練手管とは？
花魁たちが使っていた恋愛テクニックを「手練手管」と呼びます。「手練」=巧みな技、「手管」=人を操ったり騙したりする事を指し、恋愛の駆け引きにモッテコイの様々な方法があったようです。
いつの時代も恋愛には刺激が必要なんですね！早速、花魁式「手練手管」をご紹介したいと思います。
すぐに体を許さない
最高位である花魁はお客さんを選ぶ事が可能でした。「この子がイイ」と指名しても、段階を踏み尚且つ花魁が気に入らなければ、一夜を共にする事ができなかったんです。なかなか手に入らない事で、男性の狩猟本能を見事に利用した作戦です。（お店ぐるみの手練手管って事なんですけどね…）
初回は会話すら出来ず、2回目に少しだけ話せ、3回目で漸くねんごろになれるというハードモード…。（※ちなみに初回から料金は発生しております。）現在でも、簡単に体を許してはダメとよく言いますが、簡単に手に入らなかった女性ほど大切にされたりしますもんね。
一途な面を見せる
しかし、めでたく花魁とねんごろになれたとて、全てが許されるわけではないんです。体を許してもコレはダメ…そうそれは「キス」。ですから、狙いを定めたお客さんにはキスをして、特別感を感じさせるのです。
そして、相談事や秘密の話を打ち明ける事により「あなただけ」と一途な想いを演出するのです。そんな時はおもいっきり甘えて見せるのですが、たまにそっけない時もあり、見事に男性心理を刺激していたんですね。ビバ！花魁テクニック。
自分磨きを怠らない
莫大な料金を払い、ハードモードな求愛をしてまで触れたい女性って一体！？と興味が湧いてきますよね。「とびっきり美人だったに違いない！」「いやいや、床上手って噂が流れてるんだよ」そう思ったあなた、う～ん惜しい！花魁を侮ってはいけません。
確かに見た目の美しさや、仕事がデキる事も人気を集めるのには必要だと思います。しかし彼女達は、仕事の合間に沢山の努力をし自分磨きに努めていたのです。
お稽古で知性を身に付ける
様々なお客さんを相手にする遊女に欠かせないのが教養。趣味や好きなもの、職業について会話する時に「何にもわかりませーん」では、お客さんがつまらないし人気も伸びません。ですから、遊女たちは仕事の合間に一生懸命お稽古事に励むのです。
書道や茶道はもちろん、古典を学んだり三味線や囲碁などまで多くの教養を身に付けていたのです。所謂「引き出しの多い女性」で居なければなりませんでした。ハードスケジュールなのにストイックな生活を送っていたんですね。
ボディーケアも怠らない
職業柄、絶対に必要なボディーケアにも力を入れていた遊女達。アンダーヘアのお手入れも丁寧に行い、いい香りをまとうために香料を入れたお風呂に浸るなど、その女子力の高さには脱帽です。そして、メインである性サービスの為のトレーニングも欠かさなかったそうです。完璧じゃないですか！そりゃ、モテるわ。
花魁になるのは簡単じゃない
吉原にはなんと、約7歳～の女性達が勤めていたと言われています。全員が花魁になれるわけでは無く、段階を踏んで選ばれた女性が花魁になれるのです。
格付け
★禿（引込禿）
★新造
・振袖新造
・留袖新造
・番頭新造
★花魁
★遣り手
幼い頃は禿として、花魁のお世話などを任されます。様々なお稽古も習いながら、遊女のイロハを学びます。その中でも美人さんは引込禿となり、エリートコースの道を進みます。15歳頃になると振袖新造と呼ばれるようになりますが、遊女見習い中は変わりません。
18歳頃には独り立ちするのですが、お世話係り+遊女の状態を留袖新造、30前後まで働いている状態を番頭新造といいました。この番頭新造は花魁の引き立て役や身の回りの事をこなしてくれる、とっても重要な存在なのです。３０歳以上の元遊女は遣り手として働く場合もあります。全体を仕切る重役の様でした。
この様に、長い月日をかけて厳選された女性だけが無事独り立ちすることができ、お客さんもたくさん付く売れっ子遊女のみが花魁になれたのです。なかなか厳しい世界だったんですね。
※身請け：遊女の借金を肩代わりし、仕事を辞めさせて自分の妻や妾にする事。
映画で学べる花魁の世界
一人の女性が花魁になるまで
吉原炎上
1987年に公開された「吉原炎上」は、名取裕子さん演じる久乃が花魁になるまでを描いています。久乃を取り巻く先輩花魁や遊女達のさまざまなストーリーも取り込まれており、花魁とお客さんのやり取りを知ることができます。
かたせ梨乃さんが演じる先輩遊女「菊ちゃん」は、要領が悪く最下層の女郎になってしまいます。手練手管や教養がどれほど大切か、ここまではっきりと差が出てしまう事に恐怖すら感じます。
さくらん
2007年に公開された「さくらん」は土屋アンナさん主演の吉原が舞台の映画です。こちらの作品も、主人公きよ葉が花魁になるまでを描いています。エリートコースである引込禿を経て見事売れっ子花魁に成長するストーリー。
裏切り、恋愛のもつれ、友人の死、失恋、そういった日々の中で葛藤や苦悩を抱えつつ、逞しくも美しい遊女達を映し出しています。きよ葉は気が強く、吉原炎上で例えると「菊ちゃん」タイプなのですが、引込禿時代の高い教養と悲しくも身についてしまった手練手管のおかげで出世できるんです。やはり、自分磨きと恋愛テクニックは必須なのでしょう。
背景に隠された「影」
インプリント～ぼっけえ、きょうてえ～（※観覧注意！）
アメリカで放送禁止になった映画「インプリント」は、吉原ではなく岡山のお話。エログロナンセンス満載の和製ホラーです。小桃という遊女の残酷な生涯を描いており、華やかな遊女に隠された暗い影を彷彿させます。小桃に関しては、影どころでなく闇なのですが。
遊女とは、売られてきた少女達です。苦悩や過酷な出来事の連続だったのではないでしょうか？建前では奉公人でしたが、仕事内容は性サービスなのですから…。
女だらけの世界、いじめや嫌がらせも必然的に起こってしまいます。しかしどんなに過酷な状況でも、家族の借金の為、逃げ出す事もできません。遊女達に影を感じてしまうのは当然といったところでしょう。
影がある女性からは妙な色気を感じてしまったり、ミステリアスな魅力があったりするんですよね。皮肉にも、そんな悲しい背景が彼女達をより美しく魅せていたのかもしれません。
古き良き日本のモテ女！花魁達よ永遠に…
花魁や遊女達の恋愛テクニックは、男性がグッとくるポイントを見事に突いているという事がわかりました。男性に惚れてもらい床を共にするのが仕事ですから、恋愛上級者である事に間違いありませんね！
しかし、彼女達の恋愛テクニックの裏には悲しい境遇があるのです。生活の為、家族の為、生きる術が隠されているのです。無事、普通の生活を手にした遊女はほんのわずか…ほとんどの遊女達は病気や堕胎により命を落としています。
現在に生きる私達が、彼女達に学べる事は恋愛テクニックだけではありません。自由に恋愛ができ、豊かな生活を送れている幸せを改めて感謝しましょう。その昔、体を張り懸命に生きていた、遊女達と花魁に愛を込めて。
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