猫がなつかない理由はなに?猫と仲良く毎日を楽しく暮らしたい
空前の“猫ブーム”と言われる昨今、ついに2017年には“猫を飼う世帯数”が“犬を飼う世帯数”を超えました。この“猫ブーム”において、猫が全ての人間になついてくれたら何の問題もないのですが、ご存知のように猫はとてもマイペースでデリケートな動物です。
可愛い猫も“なつかない”となると、人は新しいストレスを抱えることになります。そこで、猫がなつかない場合、その理由とは何か?どうしたらなついてくれるのかを考えていきたいと思います。
Contents
なつかない猫に人間は大きなストレスを感じる
猫ブームの影で、猫が人になつかないという理由で、人間関係にさえ及ぶトラブルが起きています。猫を飼うと決めた時は、一生面倒をみる覚悟で飼い始めたものの、猫がなつかないために猫を飼い続けることを放棄したくなる人も増えています。“猫を捨てる=殺処分される”ことから苦しんでいる人も沢山いるのではないでしょうか。
しかし、ストレスを抱えるのは決して人間だけではありません。なつかない猫も相当のストレスを抱えているのです。
まず猫の習性をよく知る
猫は、犬のように人間に従うということはありません。犬は人間を自分とは違う生き物と理解していますが、猫は人間を“大きな猫”のように見ています。例えば、犬は犬同士で遊ぶときと、人間と遊ぶときは遊び方が全く違います。
しかし猫は猫同士で遊ぶときと、人間で遊ぶときの遊び方は猫の習性のまま変わりません。猫は全身で“好き”“嫌い”を表現しているのです。“猫の習性”を理解することで猫の行動を理解し、なつかない理由を理解することが出来ます。
猫は単独行動をする
猫は本来、単独行動で狩猟をして生きている動物です。そのため警戒心がとても強く俊敏に動く事が出来ます。
家で飼われている猫でも自分の縄張り(テリトリー)を持っています。自分が食べたり寝たりリラックスできる場所をホーム・テリトリーといい、そこを中心に直径約500mをハンティング・テリトリーとしています。
家猫も昔からの本能が残っており自分のテリトリーによそ者が侵入してこないように、猫は毎日見回りしマーキングを欠かしません。もちろんそれが家の中でもです。
高いところが好き
猫と犬の祖先は、もともとヨーロッパ地方の森で生活していた“ミアキス”という動物です。その“ミアキス”がいずれ森で生活するものと広い草原で生活するものと分かれ、森で生活するものは猫となり、草原で生活をするものは犬となりました。
猫は森で生活するため、木の上の高いところから獲物を狙ったり、危険を感じたときは木の上の高いところに逃げるという特性を持つようになりました。そのため猫にとって高いところは、他の動物より優位性を感じる場所、安心感を得る場所となったのです。
暗くて狭いところが好き
猫は森で暮らしていた頃から、他の小動物が作った洞穴や、木の洞など暗くて狭いところで生活していました。後ろから外敵が襲ってくることもなく、暗いほうが外敵から見つかりにくいため、安心することが出来たと思われます。
ビニール袋やダンボール、タンスの隙間などに入りたがる
昔から猫はネズミなどの小動物や昆虫などを食べて生きてきました。そのため、床においてある口が狭く開いているビニール袋や、タンスの隙間などの狭い場所に獲物がいるのではないかと探る習性があるためです。
猫の目の表情がくるくる変わる
猫の目はとても表情豊かです。まるで人間の心が分かっているのではないかと感じるほどです。猫の目は明るさの加減で、瞳孔が細くなったり大きくなったりと変化します。実は猫の視力は人間でいうと0.3ぐらいとあまり良くありませんし、赤の色が認識できません。
しかし、猫の目は獲物となる小動物などが行動し始める夜明け頃と、巣にもどる日没頃に行動するので、暗闇の中でも星あかりぐらいの光があればはっきりと辺りを見ることができます。
耳をよく動かし音を聴いている
猫の聴力は大変鋭く、人間が聞こえる範囲は2万ヘルツ位までですが、猫は10万ヘルツ位までの音を超音波として聞き分け、獲物であるネズミなどが発する高音を捉えることができます。獲物の姿が見えなくても、その位置を知ることができます。
猫は森で生活していたため、目よりも耳で獲物を発見することに特化しました。猫の耳は左右違う方向に自由に動かすことができ、獲物のいる位置や、猫の気持ちを反映したりします。
よく匂いをかぐ
猫の嗅覚は犬ほどではないにしても、人間の数万倍以上の能力があります。猫がよく匂いを嗅ぐのは、情報収集のためです。猫同士が挨拶するときは顔を近づけあいます。そして匂いを嗅いで相手の体調などの情報を嗅ぎ取ります。
これは猫社会では重要なことです。例えば相手の猫が病気を持っていたら、それ以上近づきすると自分の命にも関わるからです。また自分のテリトリーが侵されていないか、また獲物がないかなど、猫が匂いを嗅ぐことで猫はいろいろな情報を分析しています。
よく毛づくろいをする
昔、猫はネズミを狩る為に人間に重宝されました。猫は毛づくろいをすることで自分の匂いを消し、狩りをすることに役立てました。また、猫は不安を感じる時やストレスを抱えているときに毛づくろいをして気を紛らわせようとします。これは“転移行動”と呼ばれます。
よく寝る
猫の祖先は獲物を狩るため、木に登ったり、獲物を追ったりと活発に活動をしていました。そのため、獲物を狩る必要がない時は、体力を温存するために寝ていたのです。
爪とぎをする
本来狩りをする猫にとって、爪を研いだり爪の古いさやを取り除くことは必要なことです。猫の肉球は臭腺があり、爪とぎをする時、同時に自分の匂いをつけて自分の存在をアピールします。また、ストレスを感じたときなど、爪とぎをして気分転換しようとします。
暖かいところが好き
猫は捕まえた獲物を鼻先で温度を感じ取り、獲物の状態を確認することが出来ます。そして猫の平均体温は人間の平均体温よりも高いのです。人間が暖かいと思っていても、猫にとっては寒いと思うのは当然です。
また猫の直径の祖先であるリビアヤマネコは砂漠に住んでいたため、暖かいところを好むとも言われています。
撫でられのは余り好きではない
猫は自然界においては撫でられることはほとんどありません。母親や兄弟猫になめられたりするくらいです。しかし猫は一般的に自分が舐めることの出来る範囲外を撫でられるのを好む傾向があります。顎の下や、額、頭の後ろなど、自分で舐めることのない部分です。
また猫は、撫でる人の気分を感じるとるほどデリケートな動物です。もし人間がネガティブな気分の時に猫を撫でると、猫はその気分を感じて感化されてしまい不機嫌のエネルギーを受け取ってしまうのです。
何故猫がなつかないの?
猫がなつかない理由は、主に猫の習性に反したことを人間がすることにストレスを感じることが原因と考えられます。しかも猫は単独行動をする動物なので、自分の身を守るためにとても警戒心がつよいのです。
猫の個性は人間と同じように、猫によって全く違います。それぞれの猫の性格を理解して、まずは猫にストレスを与えないようにすることが大事です。
猫は人間の言うことをきく(服従する)ということはありません。猫は“これをするといいことがある”“これをすると嫌なことが起こる”という理由で行動します。
猫に絶対してはいけないこと
- 猫を叩いたり体罰を与えてはいけない →その人を怖い人と認識します。
- 大声で叱ったりしない →猫は元々大きな音が嫌いです。大声を出す人に苦手意識を持ちます。
- 猫を力づくで押さえたりしない →猫は苦痛を感じ恐怖心を持ちます。
- 猫に無理強いしない →猫は自分に不快感を与える人を避けます。
猫が貴方の手元に来るまでに、上記のような経験をして人間を怖がっている猫もいます。ではなつかない猫への対応はどうしたらいいのでしょうか?
なつかない猫のよくある行動と対処法
【対処方法】
1.飼い主は猫の高さと同じかもっと低い姿勢で、猫がストレスを感じない距離に静かに陣取ります。
2.優しい穏やかな声でささやきかけるように、猫の名前を呼んだり、語りかけたりしましょう。
3.猫の目を優しく見つめます。決して強い視線で見てはいけません。(猫同士でまっすぐ相手を見るのは喧嘩をしようとする時です)
4.猫と目があった時がチャンスです。ゆっくりと目を閉じてそして開きます。
5.これを何回か繰り返すうちに、猫が目をまばたき返してきたら、猫が飼い主に少しずつ心を開いている証です。
6.何日間か続けるうちに猫がすぐまばたきを返すようになったら5分位で切り上げましょう。
7.次のステップでは、猫の近くにそっと餌を起きます。
8.猫がその餌を食べたら、もう少し場所の出口に近いところに、また餌を起きます。
9.その餌も猫が食べたら、さらにもっと出口に近い場所へと、だんだん出口に近い場所に餌を起きます。猫が“この隙間から出た方がいいことがある”と思うように覚えさせるのです。
10.出口に近づいてくるようだったら、猫じゃらしなどで遊んであげて下さい。猫じゃらしに興味を持って一緒に遊べるようになったら猫は既に飼い主を受け入れています。
11.しかし猫が出たからと言っていきなり抱き上げたりしてはいけません。
12.飼い主が猫の隠れている場所に近づいただけで猫が出てきたら、成功です。
【対処方法】
1.飼い主の手から直接猫に餌をあげてみましょう。
2.猫が手から餌を食べ始めたら、その時は猫の名前を優しく語りかけたり、褒めてあげたりしましょう。
3.猫が飼い主の手から餌を食べることに慣れてきたら、そっと猫の頭や後頭部をなでてみましょう。猫が驚いたりしたら、すぐにやめます。
4.猫がそのまま撫でられていたとしても、力を入れたり長時間なでるのはやめましょう。
5.嫌がる時はすぐやめることを繰り返しながら、ねこが触れることを嫌がらなくなったら、少しずつ撫でる範囲を広げていきましょう。猫がなでられるのが好きな場所は、猫の頬、顎の下、おでこの辺り、後頭部などです。
猫は抱っこされるのが元々好きではありません。元来、野生の猫は抱っこされるという経験はしないからです。 しかし病院に連れて行く時など、猫を抱っこできないとキャリーケースに入れられなくて困ることもあります。 猫の抱っこしてもすぐ嫌がって逃げてしまう場合、猫の抱っこの仕方を見直してみましょう。
【対処方法】
1.猫は人間の赤ちゃんを抱っこするように抱いてはいけません。
2.猫の正しい抱き方は、猫の両脇に手を入れて持ち上げ、猫のお尻を人間の利き腕できちんと支えて、猫の上半身は飼い主の胸のあたりに自然に密着させます。このとき猫のお尻を支えている手と反対側の手を猫の体にそっとあてがって、猫が落ちたりしないようにしましょう。
3.このとき力をこめてぎゅっと抱っこすると猫は嫌がって暴れます。猫も自分でバランスが取れるくらいの抱え方にしましょう。
4.猫が抱っこされるのを嫌がる時は、すぐに猫を開放して下さい。無理に抱っこを続けると“この人は嫌なことをする人”と認識してしまいます。
5.また次に猫が自分に向かって歩いてきたときなどにまた正しく抱っこするようにしてみましょう。
6.それでも猫が嫌がるときは、抱っこしたら猫におやつを与えてみましょう。“抱っこされるといいことがある”と猫に覚えてもらいましょう。
猫に自分がなついてくれるのは嬉しいですが、他の同居している家族にはなつかないというのも淋しいし心苦しくもあります。それが人間関係のトラブルに発展する場合もあります。
【対処方法】
1.他の家族に猫の世話をするのを協力してもらいましょう。猫への接し方は先に述べたようにして、主に猫の食事の世話をしてもらい、猫とコミュニケーションをとってもらいます。
2.高いところに猫がリラックスできるスペースを作るのはとても効果的です。猫は人間より高い位置にいることで優位性を感じてリラックスすることができます。そして自分に自信を持つことができるのです。
3.逆に言うと床の上の低い場所のみで行動せざるを得ない猫は、いつも不安を感じてしまい、リラックス出来ず、いつまでも周りを警戒しつづけ、隅に逃げたり隠れたりしてしまいます。
人間同士でもそうであるように、猫にとっても“この人怖い”と思ってしまった猫から“この人信用できる”と思ってもらうまでには、時間がかかります。根気よく続けていくことが大切です。猫が心を許してくれた時の喜びは計り知れないものがあります。
クリッカートレーニングで猫もしつけ出来る
犬と違って猫はしつけできないと思われがちですが、クリッカーという道具を使って行うトレーニングで、猫をしつけることは可能です。クリッカートレーニングの動画をまず御覧ください。
【クリッカートレーニングの方法】
クリッカートレーニングとはクリッカーという音のなる道具を使って、猫のしつけやトレーニングをする方法です。
1.最初のステップは“チャージング”です。猫一頭に人ひとりでトレーニングします。クリッカーのカチッという音を鳴らしたら、すぐに美味しいおやつを与えます。これを繰り返すと、猫はクリッカーの音 =“美味しい音”→嬉しいことが起こると理解します。.クリッカーを鳴らしたら3秒以内に必ずおやつをあげます。
2.次のステップは“ターゲッティング”です。猫がターゲットスティック(長めのただの棒でも可)の先に猫が鼻先をつけたらクリッカーを鳴らし、すぐにおやつをあげます。猫が手で棒の先を叩いたりしたら、おやつはあげません。あくまでも猫が鼻を棒の先につけた場合のみ、おやつをあげます。これを何度も繰り返します。
ターゲッティングで猫をどこでも乗り降りさせることができます。
3.次にかわいい芸を覚えさせることもできます。
今度は鼻ではなく、前足でターゲットスティックに触ったらクリッカーを鳴らし、おやつをあげます。猫がターゲットスティックに触ることを覚えたら、さりげなく手をかざします。だんだん手のひらを近づけていき、ターゲットスティック越しに手を触らせるようにします。
4.手のひらとターゲットスティックを重ねて猫にタッチさせるようにして、タッチしたらクリックし、餌をあげます。
5.それに慣れてきたら、今度は手のひらに重ねたターゲットスティックを猫が触る直前にスティックを素早く外します。
6.簡単に出来るように鳴ったら、手のひらを差し出して、猫がぽんと前足でさわるようになったら、えさをあげます。これが簡単にできるようになったらハイタッチの完成です!
7.どのステップでも、トレーニングは長くても10分から15分、猫が飽きそうになったらやめましょう。猫も集中できずに飽きてしまったら初めからやり直すことにもなりかねません。
猫の行動専門家・ジャクソン・ギャラクシー
ジャクソン・ギャラクシーという猫の行動専門家をご存知ですか?180以上の国で放送されている“アニマルプラネット”という番組で大人気の『MY CAT FROM HELL(邦題)猫ヘルパー~猫のしつけおしえます~』に出演し、あらゆる猫の問題行動を解決することで注目されています。この番組ではいかに猫の問題行動が人間同士の争いの原因になるのか、またその逆もあることを教えてくれます。
次の動画は『My cat from hell(邦題)猫ヘルパー~猫のしつけおしえます~』の一部です。
【会話内容】
女性:ルルがあそこにいるわ。ベッドルームに入りたがってる。
男性:猫はベッドルームには入れません。でもルルは夜中じゅうドアの隙間から手を突っ込み、頭をドアにぶつけて中に入れろと何分も鳴きわめくんです。
女性:二人とも中に入ろうとしてるのよね。
男性:しかも僕は眠りが浅くて小さな物音でも目が冷めてしまうんです。最初ミャオという鳴き声から始まって、その後延々とドアに体当たりしたり、鳴きわめく音を聴いているとイライラして眠れなくなってしまうんです。なのに隣に寝ている彼女はちっとも目を覚まさない。
画像:寝室のドアに猫が泣きながらぶつかってくる音。
男性:ルル!あっちへ行け!と起こる声。
女性:彼はいつも犬をしつけるように猫を叱るんです。
画像:男性が大声で猫を叱りつけている様子。
女性:猫と犬に対するしつけの仕方は違うと思うんです。
それともう一人の子はとてもシャイでいつも隠れてばかりなのですが、抱っこしたりすると 急に引っ掻いて逃げ出すんです。
男性:猫が抱っこされておとなしくしていても、ふーっと一息ふきかかっただけで凶暴な猫に早変わりする。
女性:テーブルの上の花瓶を落としたり、ソファに爪をたてて穴をあけたり、もう気が休まる暇がありません。
この画像のあと、ジャクソン・ギャラクシーが二人の話を聞きながら、家の部屋の中を全て見つつ、問題となっている猫と対面し、何が猫がなつかない原因になっているのかを解明し、解決していくのです。長年解決できなかった猫の問題が、誰もが納得できる猫の習性に基づく理論によって解決されるので、猫好きの方はもちろん、多くの視聴者に大人気を博しています。
この動画の続きは2018/1/28現在、huluで視聴することが出来ます。またスカパーやj:COMオンデマンドなどでも“MY CAT FROM HELL(邦題)猫ヘルパー~猫のしつけおしえます~”を視聴出来ます。
ジャクソン・ギャラクシーの経歴について
猫がなつかないのには必ず理由がある
猫がなつかないことに悩んでいる人は割りと多いようです。でもそれには必ず理由があるでのすね。
その理由の一つに、ペットショップで買われる猫が多いことも挙げられます。普通仔猫は生後3週齢から3ヶ月の間、母親のもとで兄弟と暮らし、じゃれたり喧嘩をしたりしながら社会性を学んでいくのですが、ペットショップでは1.5ヶ月の猫が売りにだされる現状です。
たとえば噛まれたら痛いと知らない仔猫が、人を噛んで必要以上に怒られると恐怖を感じます。そのような小さなことが、猫がなつかない原因になったりします。なつかない猫を世に生み出しているのは私達人間かもしれません。
bitomos編集部プロフィール
そのライターの経歴や性格を知れば、今後どんどんbitomosの記事を読むのが面白くなるかも!?この記事ではライターそれぞれの自己紹介と、記事を彩るゲストキャラクターたちを紹介していきます。あなたのお気に入りのライターが見つかりますように♡