子育ての大変な時期って?時期によって大変さが違うって本当?【4~5歳編】
寝顔は天使のようなのに…日中の喧騒を思い出すと、明日が来るのが恐ろしく思う。子育てしていれば、そう思うときもありますよね。
子育てについて【0~1歳編】【2~3歳編】と進めてきました。今回の4~5歳と言うのは、とりあえず自分のことがある程度できるようになって、幼稚園に入園したり、よく行く遊び場でお友達もできたりと、集団生活が始まる時期です。
今までは親子同士やごく限られた人との交流しかして来なかった子どもたちが、もっと大きな集団での人との関わり合い方を練習するのが、この時期。成長を感じて嬉しく思う反面、その分新たな問題も色々とおきてきますよね。
自我の確立を模索中な時期
3歳頃までは、自分の思いを相手に伝えるところまでで終了でしたが、4歳以降になると更に進んで、相手の意志を汲み取ろうとしてきます。つまり、自然と他人と自分の違いを知るようになるんですね。
違いを知ることは、とても大切なことです。なぜなら、他人を知ることで「自我を確立」させていくからなんです。漠然と浮かんでいる思いが自分だけの思いであって、みんな同じ気持ちではないということを知るのは、社会生活において重要ですよね。
ただし、汲み取ろうとしている時とどうしても自我を優先してしまう時が混在するので、親からすると「できたことができなくなった」と見えてしまいがち。まだまだ頑張り中なんだと、優しく見守ってあげてください。
天使?の4歳
前回「魔の2歳児、悪魔の3歳児」という言葉をご紹介しました。これには続きがあって「天使の4歳児」というものがあるんです。しかし実際のところ、本当に「天使」といえるのでしょうか。
時として天使
2.3歳のイヤイヤを通り過ぎ、自分のやりたいことの伝え方が少しは理解できるようになった4歳は、たしかにその姿が天使のように見えることがあります。言って理解してもらえることがこんなに幸せなのかと感動すらするかもしれません。
良くも悪くも人真似をする
ただの自己主張から自己評価を欲しがる
「だって」「なぜ」が増える
「昨日ね、○○ちゃんと遊んだんだぁ」「明日はカレーが食べたい」など、時間の表現に幅が出てきます。また観察力がつくので真似をすることも増えてきます。
真似だけなら微笑ましい光景ですが、観察力がつくということは、様々なことに疑問を持つようになります。また、今までは自我をアピールするだけでしたが、今後は褒めてほしいという欲求が強く現れたり、ほしい言葉を期待したりするので口答えすることもあるんです。
天使の話は時として理解不能
4歳になると、幼稚園に行く子も出てきますよね。今では小競り合いがあっても親が仲裁していたのに、幼稚園や保育園となるとそうは行きません。先生がいるにしても、子供同士で解決していかなくてはいけなくなりますね。
多くの情報量を処理しようとして現実と混同することがある
身体能力が上がる
時間の感覚がつくと同時に、空間の認識力も上がるのが4歳児です。「家では」「幼稚園では」「乗り物の中では」など、それがどんな場所なのかをある程度理解するようになるので、「外ではいい子なのに家ではきかん坊」といったことも起きます。
また、たくさん得た情報をまだきれいに処理できないので、空想を織り交ぜながらの話になることもありますが、間違いを訂正したり指摘したりせず、じっくりと話を聞いてあげてください。
天使と良好な関係を築くには
4歳児の特徴の中で、あまり好ましくないこともありますよね。かと言って成長過程なので頭ごなしに否定もできない。そこで、4歳の困ったに対してついついやりがちなNG行動をあげてみました。
1.適当にごまかさない
空想物語とは言え本人にとっては大切なコミュニケーションです。一生懸命話しているのに、おざなりに聞かれると悲しくなったり腹立たしくなりますよね。また、どうせ忘れるとタカをくくっていい加減な約束をすると、あとで嘘つきと言われかねません。
2.強く否定する
口答え、汚い言葉、強い口調など、今まであまり見られなかったちょっと気になる話し方が見え始めると、なんとか柔らかい言葉遣いになるよう修正したくなるものです。最初は優しく言い聞かせていたのに、何度も言っているうちに口調が強くなってしまいます。しかしそれでは逆効果なんです。
3.説き伏せようとする
言葉が通じると、感覚として大人相手と同じに話してしまうことがあります。例えば外出のとき、玄関で靴を履かない子供に対して「履かないと出かけられないでしょ」と正論が伝わるのは大人同士だから。しかし子供には子供の言い分があるんです。
まだまだ甘えたい5歳
お友達ができて、どんどん自分の世界を広げていく我が子の姿は頼もしいものです。自分の身の回りのことが自分でできるようになると、すっかりお兄ちゃん・お姉ちゃんですよね。でもその認識は、もうちょっと待ってあげてください。
まだまだ殻付きのひよこちゃん
できることが増え、任されることも増え、友達も、言葉もたくさんのものが増えるのが5歳児です。その中で気に入ったものだけを選び身につけようとする、そこに5歳児の扱いづらさがあるんです。
自分の世界、価値観を持ち始める
無視・暴力・暴言などで反抗してみせる
甘えたがる
今まで受けた刺激をもとに、自分を作り上げてそれを最大限にアピールしてきます。もちろん間違った認識だったり、あまりよろしくない解釈などもあり、親としては問題だらけなんですが、本人たちは至って本気です。
今までは親の指示を仰いでいたことも、自分のやり方で進めようとするので、そこで問題が起こったときは当然反発します。その反抗の仕方も「どうなの?」という方法を取るので、ますます目に余るばかり。そのくせ急に赤ちゃん返りかと思うような甘え方をしてくるのもこの頃の子供の特徴です。
殻を無理に取らないで
独自の世界で生き、そのマイワールドが絶対の5歳児には、エベレストよりも高いプライドがあります。そのプライドの高さは、今までの経験によって違うので、たくさんのことを経験した子ほど手強いかもしれません。
自分の経験、考えが正しいと思っている
人と比較したり、対価を欲しがったりする
小さな不安を抱えている
「○○ちゃんはそのおもちゃ持ってるんだって」「△△はおやつもらえていいなぁ」などの言われ方をすると、親としてはあまりいい気分はしませんが、これはその言葉どおりなんです。単なる事実の羅列であって、羨ましい・妬ましいといった感情からくる言葉ではないので、嫌味っぽいと思わずに「ほんと、いいわね」と軽く受け止めてあげてください。
殻を脱いでも安心できると教えてあげて
カチンと来る物言いや、明らかにずれた感覚は修正したいところですが、相手のプライドを傷つけずにうまく収めるには、こちらが子供の土俵に上がって、同じ目線でものを見る必要があるんです。
1.本気で受け取らない
男の子に多いのは、わざとぶっきらぼうに返事をしたり、いちいち反抗するような言い方をしてくること。女の子に多いのは、揚げ足取りや屁理屈を言ったりすることが目につく態度としてあげられますが、これらにいちいち目くじら立てていては親が持ちません。
口調が悪いのは大人ぶっている証拠。反抗するなら「じゃぁ知らないわ」とこちらもそれに従ってしまえば困るのは本人です。揚げ足取りや屁理屈に関しては「そんな言い方されたらママ悲しいな」と、相手がどのように受け取るのかを伝えることで徐々に改善されていきます。
2.叱るポイントを絞る
自我が強くでる5歳児の言動は、とにかくめちゃくちゃで親も口うるさくなりがちです。しかし1から10まで指摘して回っては、本人のプライドがボロボロになってしまいます。注意は必要かもしれませんが、四六時中叱っていたら、本当に重要な事が埋もれてしまいます。
道路に座り込んでも服が汚れるだけだけど、道路を飛び出すのは危険よね。「小さい子じゃないんだからそんなところで座らないで。ほら、道路を渡るときはママと手を繋ぐんでしょ!」よりも「道路を渡るときは、必ずママと手を繋いでね」だけのほうがシンプルよね。
なんなら自分も子供と一緒にしゃがんでみるのも、子供の見ている世界が見られて新鮮かもしれないわよ。
3.実は不安がいっぱい
なんでも自分でできる、やりたがる5歳児ですが、実は心のなかには不安が常に渦巻いています。幼稚園や新しい生活集団の中で、他人を気遣いながら子供なりにうまくやろうと一生懸命なんです。
わかってはいるんだけど…
夜泣きが酷くて子供を憎く思った、ご飯を手づかみで投げて遊ぶ姿に腹が立った、少しも一人でいてくれない後追いにうんざりした。生まれてから何度も子供に対して負の感情を抱いたシーンがあったと思います。「私は常に子供に愛情を持っているので嫌に思ったことなんてないわ」なんて人がいたらぜひお会いしたいくらいです。
そんな葛藤を抱えながらも、やっぱり子供は可愛いものです。幸せな人生を歩んでほしいし、泣き顔よりも笑顔の多い毎日を過ごさせてあげたいと思いますよね。
童心に帰ってみる
普段は見守る立場にいる私達ですが、たまには子供と友だちになってみませんか?自分たちが子供の頃にやっていた遊びやわらべ歌などを思い出して、子供と一緒に楽しんでみてください。
【けんけん】地面に丸や印をつけてけんけんして進む
【お相撲】地面に大きく丸を書いてその中でお相撲を取る
その他、ぺんぺん草で楽器を作ったり、泥団子を作ったり、ボールを使った遊びなど
【ボードゲーム】将棋や碁石で陣取りゲームやはさみ取り オセロやダイヤモンドなど
【工作】牛乳パックと新聞紙でボーリングセットを作ったり折り紙などを使って自由になんでも
その他、手遊びやクッキー・ホットケーキなどの簡単なお菓子作り等々
立場を逆転させてみる
ごっこ遊びの延長として、一日親と子供を逆転してみるのも面白いです。ご飯は予めパンなどの簡単に作れるものやお弁当を用意しておいて、洗濯は干せないので諦めるか朝一で済ませて、掃除も子供に任せます。親はひたすらダラダラするだけ。
子どもたちがどんなふうに動くのか、なんと言って来るのか、普段の自分の言動を振り返るいい機会で、今後どうしたらいいのかを考える事もできます。子供側も親がこんなに色々とやっているんだと体験できるので、お互いの大変さを知るのにいいかもしれません。
いつものママのこの言い方がちょっと嫌なんだ、とか、○○ちゃんがこんな風にしてくれたらママ助かるのになとか。
言う方も言われる方もなんか素直になれるっていうか。
案外みんな同じことを思っている!?
このシリーズ恒例の「ママによる座談会」ですが、今回のテーマは「子供同士のいざこざの修め方」ということで、前回も登場頂いたお二人にお話を伺ってみました。
この前ショッピングセンターのプレイルームで他の女の子と人形の取り合いになってね。そもそも別の子がうちの子の人形を取ろうとして揉めたんだけど、そのお母さん「貸してくれたっていいじゃないね。ケチな子」とか言っちゃって。娘も悲しそうな顔してるし私は頭にきたしで本当に嫌だった。
一緒に楽しんで!
大人の考えって、どうしても他人の視線や評価を気にしたりして窮屈に感じることがありますよね。その点子供の発想の自由なこと。ゴミ箱をさまさまにして太鼓代わりにして歌って見せてくれたり、トイレットペーパーを体に巻き付けてミイラごっこしてみたり、タンスの中身を全部出してそこで寝てみたり。
普段なら、ゴミは散らかるし洋服はたたみ直しだし、手間のかかることばかりとつい小言の一つもいいたくなるところですが、思い切って一緒に楽しんでみてください。ゴミ箱の太鼓が予想以上にいい音を出したり、ミイラの完成度の低さに思わず笑ってしまったり、子供は入れるのに自分はどう頑張ってもタンスに入れない、そんな姿を子供と一緒に大口を開けて笑ってみてください。
上から見ている時は見えない子供の表情や、外からでは感じられない子供の優しさに触れることができるかもしれません。そしてきっと子供のことをもっと愛おしく感じるに違いありません。
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