考え方のクセを診断!自分の思考パターンを知ってもっと楽になろう!
行動だけではなく、考え方にも人それぞれのクセがあります。それがポジティブ思考ならばなんの問題もないのですが、それがストレスをためやすい思考なら?自分だけではなく身近な人がマイナス思考の持ち主なら? あなたはどうしますか。
答えはその”クセ”を直せばいい、ですよね。それにはまず自分の思考パターンを知ることが大切。自分がストレスをためやすい考え方をしていないか、一緒に考えてみませんか。
Contents
- 1 マイナス思考とポジティブ思考って?
- 2 バーンズの「認知のゆがみ」
- 2.1 全か無か思考 <All or Nothing thinking>
- 2.2 一般化しすぎる <Overgeneralization>
- 2.3 心のフィルター <Mental Filter>
- 2.4 マイナス化思考 <Disqualifying the Positive>
- 2.5 結論の飛躍 <Jumping to Conclusions>
- 2.6 拡大解釈と過小評価(Magnification and Minimization)
- 2.7 感情的決めつけ(Emotional Reasoning)
- 2.8 すべき思考(Should Statements)
- 2.9 レッテル貼り(Labeling and Mislabering)
- 2.10 個人化(Personalization)
- 2.11 バーンズの「認知のゆがみ」の補足
- 3 ストレスの思考パターンから解放されるには
マイナス思考とポジティブ思考って?
マイナス思考かポジティブ思考かを計るテストとして “コップに入った水” がよく使われます。 水がコップに半分入っているのをみて、次のどちらの答えを考えますか?
1.まだ(コップに水が)半分入っている
2.もう(コップに水が)半分しか入っていない。
この場合、1.まだ半分入っている、とする方がポジティブ思考です。当然ですよね。
水つながりでもう一つ、「家の蛇口から出てくる水」と「砂漠でやっと見つけた水」は 物質的には同じ水でも、その価値や意味合いは変わってきますよね。こんな風に「水」という存在自体は変わらないけれど、置かれている状況や考え方 で、簡単に変わってしまうこともあるということをまず認識することが大切です。
「あー、なんか最近イライラする!」「もう○○さんってほんとイヤ!」「私、最近まるでダメだな…」そんな風に思うことはありませんか?恥ずかしながら筆者はわりと考えてしまう性格です。 また、普段からストレスを感じやすい性格なので、「あ、今ヤバイな…」と客観的にわかる瞬間もあります。こんな筆者のように、油断するとマイナス思考になってしまう、そんな悩みを抱える人は、少なくないのではないでしょうか。
でもですよ、ストレス思考は生まれつきなるものではないんです。 これまでの経験や人からの影響で”考え方のクセ”として、身についてしまうものなのです。だから、そのクセを直すことも十分に可能なんです。
マイナス思考とポジティブ思考の補足
マイナス思考の心理学的背景:
研究によると、マイナス思考はしばしば過去の否定的な経験や失敗から学んだ結果、形成されることがあります。これは「負のバイアス」として知られ、人は自然と危険や失敗を避けるために、否定的な情報により敏感になる傾向があります。しかし、このクセは過剰に発展すると、実際には安全かつ有益な状況でも懸念を感じるようになり、ストレスや不安を引き起こす原因となります。
ポジティブ思考が生活に与える利益:
一方で、ポジティブ思考を持つことは、幸福感の向上、ストレスの軽減、さらには身体的健康への好影響など、多くのメリットをもたらします。例えば、ポジティブな思考を持つ人は風邪を引きにくいという研究結果もあります。また、困難な状況に直面した時にも、より柔軟な対応ができ、早く問題解決に向かう傾向があることが分かっています。
日常生活でポジティブ思考を実践する方法:
- 感謝の習慣を持つ: 毎日、小さなことでも良いので、感謝できる3つのことをノートに書き出しましょう。この習慣は、ポジティブな出来事に焦点を当てることを助け、マインドセットを変えるのに役立ちます。
- ポジティブな言葉を使う: 日常会話で使う言葉を意識的にポジティブなものに変えてみましょう。言葉は思考に直接影響を与え、ポジティブな言葉はポジティブな思考を促進します。
- 成功日記をつける: 一日の終わりに、その日の成功体験やうまくいったことを書き出すことで、自己効力感を高め、ポジティブな自己イメージを育てることができます。
これらの習慣は、ポジティブ思考を育て、日常生活におけるストレスの軽減や幸福感の向上に寄与します。コップの例え話は、私たちがどのように世界を見るかに大きな影響を及ぼしますが、ポジティブな見方を選ぶことは、より充実した人生への第一歩です。
バーンズの「認知のゆがみ」
思考を健全化したいならば、まず必要なのは、今の自分の思考の状態です。バーンズの認知のゆがみは、自分のことを無価値化、無力化してしまうような思考のゆがみを10個あげています。それをみながら、自分の考え方にゆがみがないかを自己チェックすることができます。
全か無か思考 <All or Nothing thinking>
この思考の人は、どんなことでも物事の白黒をきっちりつけようとします。けれど物事というのは、どちらかというと白黒はっきりしないことが多いもの。普通は、間にある案で妥協したり、または自ら選びとっていくことがほとんどです。
けれど、全か無か思考の考えの人はそれができません。白黒はっきりさせようとしてがんばりすぎて疲弊したり、グレーの結果に大きな不満をもち大きなストレスを感じてしまいます。
一般化しすぎる <Overgeneralization>
これは、良い出来事にしろ悪い出来事にしろ、それが一度でも起こったときに「二度あることは三度ある」という具合に、それが続くのが当たり前だと感じてしまう考え方です。例えば、恋人とひどい別れ方をした場合、新しい彼ができてもまた同じことを繰り返すのではと思って、恋愛に臆病になります。
逆に、株で一度うまくいくと、この先ずっと株で成功すると勘違いしてしまいます。余計なストレスを抱えることになりますし、もしかすると金銭的なマイナスも考えられる場合もあります。
心のフィルター <Mental Filter>
あらゆることを自分の「心のフィルター」を通して見たり感じたりします。この心のフィルターは良い事を遮断して悪いことだけを通すもので、このような考えを持つ人は、頭の中がネガティブなことでいっぱいになってしまい、まるで自分の周りだけ悪いことが起こっているように感じてしまいます。
マイナス化思考 <Disqualifying the Positive>
これは、悪い事はもちろん良い出来事についても、全て悪い事に考えが変換されてしまう考え方です。例えば、功績が認められて昇進した場合、普通なら上司に認められたと喜びそうですが、マイナス化思考の人は、「一度でも失敗したら大変なことになってしまう」「もしかして誰かが私を罠にはめようとしているのかもしれない」と、自分に起きた出来事を素直に喜ぶことが出来ません。
結論の飛躍 <Jumping to Conclusions>
結論の飛躍を簡単な言い方に変えると「早とちり」。早とちりをして勝手に思い違いしてしまい、今現在の自分の状況や未来を悲観的に考えてしまう考え方です。この結論の飛躍は、さらに2つの分類に分けることができます。
心の読みすぎ(Mind Reading)
これは簡単にいうと「勘違い」のことです。「それなら私もある」と思った人もたくさんいるのではないでしょうか。確かに軽い勘違いなら、誰でも経験するものでしょう。
けれど、ストレスを感じやすい人というのは、悲観的な勘違いが多いのです。さらにそれが”クセ”になっているので、どんな時でもその悲観的な勘違いをしてしまうのです。
先読みの誤り(The fortune teller erro)
これは、根拠がないにも関わらず、これから起こることが全て嫌なことや大変なことになると信じ込む考え方です。例えば「私は一生誰にも愛されない」「これからいいことなんて起こるわけない」と考えてしまう人です。自分で自分の未来を否定的に決めつけてしまうことで、不幸を目標にした人生に変わってしまい、たとえHappyに出逢っても無意識に拒絶してしまうのです。
拡大解釈と過小評価(Magnification and Minimization)
自分の欠点や失敗を大きく捉え、逆に長所や成功を過小に評価する考え方です。海外の人と比べると、日本人の多くは、この拡大解釈と過小評価の考えを持っているように思います。
「自分を控えて相手を立てる」というのが美徳とされている日本にいると、それが悪いことなんて誰も思わないですよね。けれど、この考えが強くなることはよくないことです。
いくら頑張っても満足できずに出来ない部分にストレスがたまる一方になってしまうからです。また、相手に対しても同じように欠点や失敗だけに着目するようになってしまいます。
感情的決めつけ(Emotional Reasoning)
「私がこんなに嫌っているのだから、この人はきっと悪い人なんだ」「こんなにがんばっているのに認められないのは、上司が私を嫌っているからなんだ」というように、自分の感情の方が、事実に優先してしまう考え方です。事実がどうであるかは関係なく、自分の気分や感情が全ての物事の判断基準になってしまうのです。
「こんなに不安に感じているんだからうまくいくわけない」と将来を狭めることもあれば、「自分がこんなに好きなのだからあの人も私のことを好きにちがいない」という風に身勝手な考えに流れてしまうこともあります。
すべき思考(Should Statements)
これは、文字通り「〜すべきだ」「〜しなければいけない」という考えをいつももっていて、融通がきかない考え方のことです。また、「〜すべきでない」「〜してはいけない」など禁止する場面でも強い思い込みがあります。そのため、知らぬ間に無理をしやすく、ストレスをどんどんためていきます。
このような人は周りからも距離を置かれてしまうことが多いので、余計に殻に閉じこもって頑固になってしまいがちです。
レッテル貼り(Labeling and Mislabering)
これは、個人の勝手な偏見で人や物事を決めつける考え方。まるで商品にラベルをつけるように。仕事においては業務の特徴をつかむために、ある程度カテゴライズ(分類)することはよくあることですが、人に対しても同様にカテゴライズする人がいます。
それって失礼なことだし、実はすごくもったいないこと。人に対してカテゴライズ(=レッテル貼り)してしまうと、その人に対してそれ以上の興味もなくなってしまい、その人に関わる楽しみも薄れます。また、物事に対してレッテル貼りすると、先程挙げたマイナス化思考にもつながってしまって、視野が極端に狭くなってしまう恐れもあります。
個人化(Personalization)
これは、自分に起こる出来事全てが自分のせいだと考えてしまうこと。嫌な出来事も、グループで関わるような仕事でも失敗した時に自分だけの責任だと必要以上に非を感じます
。まじめな人に多く、周りに助けを求めることもしないので、抱え込みすぎて身動きがとれなくなります。ひどくなると、鬱症状を発症することもあります。
バーンズの「認知のゆがみ」の補足
認知のゆがみへの対処法と練習:
生活の中で「認知のゆがみ」に気づいたら、以下のステップで自分自身をリフレームしましょう。
- 記録する: 自分のネガティブな考えを紙に書き出すことから始めます。何がきっかけで、どのような感情が生じたかを詳細に。
- 問いただす: 「この考えは本当に事実に基づいているか?」と自問自答し、証拠を探します。
- 代替案を見つける: もっと現実的かつポジティブな考え方を見つけ出し、ノートに記録します。
日常生活での「認知のゆがみ」の例:
- 全か無か思考: 「今日のプレゼンが完璧でなければ、全て失敗だ」と考える代わりに、「できる限りのことをしたし、次に活かせる学びもあった」と自分を励ます。
- 過剰一般化: 「一度の失敗から、いつもうまくいかないと決めつける」のではなく、「今回はうまくいかなかったけれど、次は改善できる」と考える。
認知行動療法(CBT)の概要:
認知行動療法は、ネガティブな思考パターンや行動を特定し、それらをより建設的なものに置き換えることを目的とした心理療法です。具体的には、セラピストと共に自己の考えや信念を挑み、それらがどのように感情や行動に影響しているかを理解し、変化を促します。CBTは、うつ病や不安障害、ストレス関連の問題など、様々な心理的問題に対して効果があることが科学的に証明されています。
日常でのCBT的アプローチ:
- 具体的な目標設定: 「もっと幸せになる」ではなく、「毎日10分歩く」や「週に一度は友人と連絡を取る」といった達成可能な小さな目標を設定します。
- 思考の監視: ネガティブな自動思考に気づいた瞬間に、それをストップさせる練習をします。
これらの対処法やCBTのアプローチを取り入れることで、日常生活の中で「認知のゆがみ」に立ち向かい、より健康的な思考パターンを育てることができます。ポジティブな変化は一夜にしては起こりませんが、一歩ずつ前進することで、確実に改善していくことができるのです。
ストレスの思考パターンから解放されるには
どうでしたか? 自分にあてはまるものはありましたか?認知の歪み10個に対してそれぞれに改善点はありますが、そういうまどろっこしいのが苦手という方には、以下のようなことを試してみてはどうでしょうか。ちなみに筆者も実践していました。
1.嫌だなという気持ちが起こったら、紙に今の気持ちを言葉にして書き出します。その時、その気持ちに影響を与えた人や物、出来事も一緒に書きます。
2.紙に書いたものを見直してみて、それが決めつけになっていないか、見直します。
3.紙に書いた気持ちを、客観的にみてみて別の考え方にならないか自分に問いかけます。
紙に書き出す作業は面倒ですが、紙に書いて視覚化するだけでも物事を客観的に見る助けになります。
ストレスの多い思考パターンというのは、なんでも主観的に考えがち。逆に客観的に自分を見つめることができれば、ストレスの多い生活から脱却することも夢じゃありません。気になる方は、早速試してみてくださいね。
ストレスの思考パターンから解放されるには – 補足
ストレスという無形の敵に立ち向かうため、紙に書き出す以外にも、私たちの心身を強く保つさまざまな方法があります。
マインドフルネスと瞑想:
マインドフルネス瞑想は、今この瞬間に意識を集中させ、判断せずに感じることを練習します。たとえば、5分間だけ呼吸に注意を向けることから始めてみましょう。このシンプルな練習を日常に取り入れることで、ストレスの感じ方が変わり、より穏やかな心持ちになれます。
運動:
体を動かすことは、ストレスホルモンを減少させ、気分を高めるエンドルフィンを放出します。週に数回、好きな運動をする時間を設けることで、心身のバランスを保つことができます。ウォーキング、ジョギング、ヨガなど、楽しめるものを選びましょう。
体験談と成功事例:
ある読者は、毎朝の瞑想と週3回のヨガを始めてから、「以前よりも明らかにストレスに強くなった」と報告しています。瞑想を通じて、焦りや不安を感じる瞬間にすぐ気づけるようになり、ヨガでは体を動かすことの楽しさとリラックス効果を実感しています。
長期的なストレス管理計画:
- 自己評価: ストレスの原因を特定し、それにどう対応しているかを振り返ります。
- 目標設定: ストレスを軽減するための現実的な目標を設定します。小さな成功を積み重ねることが重要です。
- サポートシステムの構築: 友人や家族、必要であれば専門家からのサポートを求めます。
- 進捗の追跡と評価: 進捗を定期的にチェックし、計画を調整します。自分に合ったペースで進めましょう。
このように、マインドフルネスや瞑想、運動をはじめ、自分に合ったストレス管理法を見つけ、継続することで、ストレスの思考パターンから解放され、心の平和を取り戻すことができます。自分自身を大切にし、自分に合ったペースでコツコツと続けることが、長期的な幸福への鍵です。
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