食中毒を家族で感染させない!事前に知っておきたい予防と対策の方法
毎日の食事の準備、大変ですよね。少しでも負担を減らすため、作り置きなどの工夫をしているママも多いのではないでしょうか。共働きママが増えていることもあって、作りたての食事を食卓に並べることが難しい家庭が増えているのが現状です。
そんな中、梅雨がきて暑い季節になり始めると共に心配になってくるのが食中毒。実際に春頃から徐々に多くなり、気温が高くなる7月から9月にかけてさらに増加します。
菌によっては加熱やアルコール消毒では殺菌できないものもあるのです。ご家庭に潜んでいる食中毒の危険性を知って、菌の感染を防ぐ対策をとりましょう!
Contents
まずは敵を知ることから!食中毒とは?
食中毒の種類
食中毒とは、原因となる物質が付着した食品を食べることで起こる病気のことを指します。原因となる物質は以下のように様々です。
【感染型】…サルモネラ・病原大腸菌・ウェルシュ菌、赤痢菌など
【毒素型】…黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌など
◆ウイルス性食中毒…ノロウィルス・ロタウィルス・A型E型肝炎ウィルスなど
◆自然毒食中毒
【動物性】…魚毒・貝毒
【植物性】…毒キノコ・有毒植物
◆原虫・寄生虫
【原虫】…クリプトスポリジウム・サイクロスポラ
【寄生虫】…アニサキス・クドア
◆化学物質性食中毒…ヒスタミン・金属・農薬や洗剤など
梅雨~夏に増加する細菌性食中毒
その通り。年間を通して食中毒は発症しているんです。季節によっても発症しやすい食中毒は異なりますが、食中毒全体の70~90%を占めているのが細菌性食中毒です。この細菌性食中毒の細菌が繁殖しやすい温度は37~40℃であり、6月から8月頃にかけて暑くなる時期の増加が例年です。
細菌性食中毒とは?
【毒素型】…殺菌が食品内で増殖することで毒素が作られ、その毒素を食品と共に摂取することで食中毒を起こします。潜伏期間が短いのが特徴。
代表的な細菌性食中毒
サルモネラ【感染型】
◆感染ルート
人や牛や豚・鶏や野生動物などの腸内に滞在 ※特に鶏肉はサルモネラが多いため、鶏卵を使用した料理やスイーツから多く発症がみられる。 家でペットとして飼っている犬や猫、カメなどからも感染することもある。
◆特徴
・10℃以下の環境下だと増殖はしないが、死滅もしない。
・熱に弱いので加熱をすればOK。(ただし加熱ムラや加熱不足に注意が必要。)
◆潜伏期間&発症期間
4~48時間(平均15時間)&1~4日間
◆症状
37~40度の熱・腹痛・下痢・嘔吐・頭痛など
◆発症例:自家製マヨネーズ
家で調理したマヨネーズを4~5日冷蔵保管しながら食べたところ、サルモネラによる食中毒を発症。自家製マヨネーズの場合、市販品に比べ、制菌の役割を持つお酢の配合が少なくなりがちな為、食中毒が起こりやすい。
病原大腸菌(O157など)【感染型】
◆感染ルート
※焼き肉や牛レバーの刺身、ローストビーフやハンバーグなど、加熱不足によるものが多い。
◆特徴
・低温に強く冷凍庫の中でも死滅しない。
・熱に弱いので加熱をすればOK。ただし加熱ムラや加熱不足に注意が必要。
・感染力が強く100個程度の菌で病気を引き起こす。
◆潜伏期間&発症期間
1~14日(平均3~5日)&2日~数週間
◆症状
下痢や38度以下の発熱など
※重症化すると血便や激しい腹痛などが起こる出血性大腸炎になることも
症状がなくなった後も、1~2週間は腸の中に残り、便の中にも出てくることがある。
◆発症例:ステーキ(成形肉)
スーパーで購入してきたステーキ肉を「ミディアム」の焼き加減でたべたところ、O157による食中毒に感染。実はこのステーキ肉は細かい肉を加工・成形した成形肉だった。
カンピロバクター【感染型】
◆感染ルート
牛・豚・鶏・羊・カラスなどあらゆる動物の腸内に滞在 ※特に鶏肉が原因となるケースが多い
菌を持っている肉や動物を触った手で調理することで、食中毒に感染することも
◆潜伏期間&発症期間
1~7日間(平均2~3日)&2~10日間
◆特徴
・菌のついた食品を冷蔵庫に入れておくと他の食品に感染することも。
・通常の菌は10万~100万個の菌が体内に入ることで発症するが、カンピロバクターは100個以下でも感染してしまう。
◆症状
37~38度の発熱・頭痛・めまい・だるさ・筋肉痛・吐き気・下痢・腹痛など
※重症化するとギラン・バレー症候群と呼ばれる麻痺状態を引き起こすこともある。
◆発症例:焼き肉
焼き肉店で焼き肉を食べたところ、翌日になって下痢や腹痛などの症状が発生。焼き肉店には生肉用のトングが置いてあったが、使用せずに自分の箸で生肉を網の上にのせ、その箸でサラダなどを食べていたことが判明。生肉からカンピロバクターが箸についたことににより食中毒に感染した。
ウェルシュ菌【感染型】
◆感染ルート
人や牛・豚・鶏などの腸内に滞在。 魚介類や野菜類にもみられる。
◆特徴
・加熱殺菌・アルコール消毒をしても死滅しない。
・酸素のない密閉された場所を好んで増殖する。
◆潜伏期間&発症期間
6~18時間(平均10時間)&24時間~2日
◆症状
下痢・腹痛・嘔吐など
◆発症例
ある家族が夕飯にカレーを食べて食中毒に感染。そのカレーは前日に大鍋でよく煮込んで1晩寝かせた「2日目のカレー」だった。
カレーを作った母親に聞くと、前日は鍋ごと室内で保管したが、蓋はきちんとしめた&食べた当日もカレーをグツグツと加熱したから、食中毒の心配はないと思っていたとのこと。実はこの食中毒はウェルシュ菌という熱に強く密閉空間を好む菌だった。
黄色ブドウ球菌【毒素型】
◆感染ルート
人や動物の皮膚や粘膜・化膿創など ※調理する人の手から感染することが多い。
◆特徴
・黄色ブドウ球菌自体は熱に弱く、通常の加熱処理で死滅。ただしこの菌が作り出す毒素は熱にも強い。
◆潜伏期間&発症期間
30分~6時間(平均3時間)&1~2日間
◆症状
嘔吐・腹痛・下痢など
◆発症例
熊本地震の避難所にて、おにぎりを食べた30人強の人々に黄色ブドウ球菌による食中毒が発症。おにぎりを作った職員は手袋をはめていたが、保温効果のある発泡スチロールによる容器で温かいまま保存されたことなどにより菌が増殖したとみられている。
食中毒を予防しよう
食中毒の原因は細菌やウィルスによるものがほとんどです。
厚生労働省が食中毒防止のために掲げているスローガンを意識すれば、多くの食中毒から身を守ることができるかも知れません。
食中毒予防のポイント
1.買い物
・肉や魚などの生鮮食品はできるかぎり新鮮なものを、信頼できるお店で購入する。
・購入した魚や肉から水分が漏れないように、ビニール袋に入れてから他のものと一緒にスーパーの袋に入れる。
2.保存
3.調理前
・肉・魚・卵を触った後はその都度手を洗う。
・冷凍した食品を解凍する場合は、使う分だけ解凍するようにし、冷凍や解凍を何度も繰り返さないようにする。
4.調理
・電子レンジで加熱する場合は、ときどきかき混ぜながら加熱ムラがないように温める。
5.食事
特に注意したい!作り置き保存
もし食中毒に感染してしまったら
食中毒の多くは、ウィルスが体内に侵入し胃腸の機能を低下させることが原因なため、辛いですが嘔吐や下痢によって毒が排出されることで数日程度で自然に治癒します。
病院へ行く目安
・嘔吐や腹痛がひどい場合
・水分が摂れない場合
・吐血や血便の症状がある場合
・呼吸困難や意識障害がある場合など
その他、明らかにいつもと違う症状が現れたら直ちに病院で診察を受けましょう。
家族に感染させない!
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