オーバードーズで脳に残る後遺症って?心の痛みから逃げるあなたへ

オーバードーズって知っていますか?オーバードーズというのは、薬を大量に飲むという自傷行為のことを言います。精神を病んでいる人と言えば、体を刃物で傷つける「リストカット」などを思い浮かべるかもしれませんが、このオーバードーズも自傷行為の1つです。
オーバードーズは、皆さんが想像する以上の量の薬を飲みます。その行為が、体や脳に与える悪影響はとても大きいです。そんなオーバードーズが脳にどんな後遺症を残すのか、説明していきます。
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オーバードーズって何?
最初にも少し触れていますが、オーバードーズというのは、略称をODといい、薬を既定の量を超えて過剰摂取することです。日本では、病院で処方された精神薬や睡眠薬を大量に服薬したり、市販の頭痛薬やアレルギー薬を大量に服薬する人が多いようです。
オーバードーズを続けていると、それに依存してしまうようになり、薬の量が増え救急搬送される例や、最悪の場合死亡してしまうこともある、恐ろしい行為なのです。
オーバードーズをする理由は?
大量に薬を飲んで、意識が朦朧となったり、意識を失ってしまったり。普通の人からしたら意味が分からない行動でしょう。ですが、心が疲れ切っている人からすると、オーバードーズは辛さからの逃避や心の拠り所なのです。
薬を飲んでいる間は、頭もふわふわするし、自分が自分じゃなくなるような感覚がして辛い気持ちから逃げることが出来るのです。辛いけど生きたい!!そんな気持ちの表れがオーバードーズという形で出てしまっているんですよね。
多量のオーバードーズをする人の場合、「死にたい」という気持ちがかなり強く、そのまま自殺しようと考えている人ももちろんいます。
アルコールとオーバードーズ
オーバードーズをする人の場合、薬と一緒にアルコールを摂取する人も少なくありません。アルコールと薬を一緒に摂取することで、薬の作用が強まりとても危険です。最悪死亡してしまう例や、命を落とすに至らなくても、後遺症が大きく残る可能性もあります。
筆者も薬とアルコールを一緒に飲んだことがありますが、気が付いたら意識を失い朝になっていて、飲みに行っていたバーに大きな迷惑をかけてしまっていたようです。
オーバードーズに苦しむ人の声
【デパス】
狂ってイク崩壊が
すごくすごく落ち着くの
残酷な人生に
今日もオーバードーズ眠ります
このまま永久に眠らせて錠剤形愛を飲み干し
虚ろな瞳で 裸足だし
私いらないのこの世には
安定剤()で人を救って?
少しでも楽にならせて『消えたい』 pic.twitter.com/ZCRAoZd4g3
— ドグラマグラ 病アルト (@yamai_alto) 2017年8月2日
まぁ要は、死ねしか頭に浮かばないしオーバードーズ日和ですねってことしかなくてもう無理が無理
— 厄介さん (@kaori___1114) 2017年7月23日
リスカなんてしないよ。
痛いの怖いし、傷跡残したくないんだ。
だから僕はオーバードーズに走るんだ。
そしたら誰にも気づかれないから。— 青春病みbot (@haruyami_bot) 2017年7月22日
オーバードーズは、たとえ気持ちよくならなくて
あるくのさえフラフラして息が出来なくなったとしてもやめられないんだよね。— ほっとりっちぐりーんてぃ@生茶🍼 (@hot_namatya) 2017年7月19日
オーバードーズが脳や体に残す後遺症
オーバードーズは、大量の薬を飲む行為であり、薬物の乱用とほとんど同じです。経験者は分かると思いますが、オーバードーズをした時は良くても、途中で酷い頭痛や寒気、震えに吐き気、汗が止まらないというような症状に襲われます。
意識を失ったり、翌日も意識が朦朧としていることだってあります。そんな状態を続けていると、以下のような後遺症が出てきます。
薬に依存をしてしまう
オーバードーズを続けていると、それが癖になってしまいます。オーバードーズが癖になると、自制が働かなくなった脳の障害である「精神依存」になってしまいます。
オーバードーズをすると確かに現実逃避をすることが出来ます。軽い気持ちで始めたはずでも、「オーバードーズをすれば辛さから逃げれる」と分かれば、繰り返しオーバードーズをするようになります。
辛いことがあっても、オーバードーズをすればいいや!という気持ちになり、どんどんオーバードーズに依存していくのです。
オーバードーズに精神依存すると、最初は病院でもらった処方薬でオーバードーズをしていたとして、処方薬がなくなったり十分な量がなくなると、市販薬を大量に買い求めるようになりさらにオーバードーズにはまっていくのです。
体に大きなダメージを与える
オーバードーズをすると、体に異変が起きます。筆者が経験した症状としては、
- 頭が割れそうなくらい痛くなる
- 吐き気が止まらない、嘔吐する
- 意識がもうろうとする
- 汗が止まらない
- 悪寒が止まらず震える
などがありました。オーバードーズをした翌日は、意識がぼんやりとしていて体も気怠く、一日中寝ていた…という感じでした。
また、薬の種類によっては肝臓や腎臓に大きなダメージを与え、肝機能や腎機能が著しく低下してしまうこともあります。酷い場合は入院し、治療が必要になるケースも。
また、オーバードーズをすると筋肉が緩んだり緊張したりを繰り返し、筋肉が思うように動かなくなる可能性もあるということです。
急性中毒を起こす可能性もある
急性中毒というのは、アルコールや精神薬を大量に摂取した時に、意識や感情・行動に一過性の障害が生じることです。大学のサークルの飲み会などで、アルコールを大量に飲まされて、学生が死亡するという事件を見ますが、あれも急性アルコール中毒によるものです。
オーバードーズで大量の精神薬を摂取した場合、急性中毒を起こしてしまうことがあります。急性中毒になると、
- 気分が不安定になる
- 攻撃的になる
- 認知や判断が出来なくなる
- 意識が無くなる
というような症状が現れるようです。肝臓や腎臓に問題を抱えている人の場合、プチオーバードーズであっても急性中毒を起こす可能性があります。
急性中毒は、すぐに病院にって処置をしてもらえば回復することが多いですが、最悪の場合死亡してしまうこともあります。
一時的な記憶障害が起こる
筆者は過去にオーバードーズをしてしまい、大きな事故を起こしてしまいました。朝起きて駐車場に行くと、愛車のフロント部分がめちゃくちゃに破壊されていたのです。
家族に「どうしたんだ!?」と聞かれるも、何が起こったのか自分でも分からず。オーバードーズ後の記憶がすっぽり抜けていたのです。
オーバードーズをすると、その時の記憶が一時的に飛んでしまう記憶障害を起こしてしまいます。記憶障害はずっと続くわけでは無く、薬が抜けてしまえば改善されます。
ですが筆者のように、オーバードーズをし、意識が朦朧としたまま外出すると、思わぬ大事故に繋がります。筆者は結局思い出せないままでしたが、人を傷つけなくて本当に良かったと思っています。
オーバードーズをやめるために
オーバードーズを止めるのには、かなり時間がかかります。ダメだとは分かっていても、止められない人がほとんどでしょう。
病院に行って相談する
オーバードーズを止めれないのであれば、精神科の先生にオーバードーズをしている事実を打ち明けましょう。薬が貰えなくなるからと、病院の先生にオーバードーズをしていることを黙っている人もいることでしょう。
先生に打ち明けてしまえば、これまでのように大量に精神薬を処方してもらえなくなるでしょう。必要最低限の薬を処方してもらえば、オーバードーズをする薬も手に入りません。
筆者はこれが出来ませんでした。保険で手に入る精神薬を数ヶ月分貰い、オーバードーズをしていました。先生に相談していれば、薬の管理をしっかりされて、オーバードーズも減っていたかもしれません。
持っている薬を全て捨ててみる
精神科で多めに処方されている薬や、オーバードーズの為に購入した薬があるのであれば、薬を全て捨ててみてください。
オーバードーズをしようと思っても、薬が無ければできません。市販薬を買いに行けばいいという人ももちろんいると思いますが、軽いオーバードーズをしている人であれば「薬が家にないから今日はオーバードーズは諦めよう」という気持ちになるはずです。
大切な人が悲しむ顔を想像してみる
オーバードーズをしていることは、自分の勝手な行動だ!苦しむのは自分一人で誰にも迷惑かからない!なんて思ってる人いませんか?もしオーバードーズで苦しんでいる人がいれば、あなたの大切な人たちが悲しむ顔を思い浮かべてください。
筆者はオーバードーズをして行きつけの飲み屋に行ってしまったようで、周りに大きな迷惑をかけていました。友人もかなり心配していましたし、一番悲しんでいたのは家族でした。
母と父は、泣きながら私を説教しました。姉はしばらく会話もしてくれませんでした。自分がしたことは、自分1人だけの問題ではなく、自分の周りの大切な人までも傷つける行為なんだと分かりました。
信頼できる人に相談する
オーバードーズをしていることを誰かに相談したことありますか?とてもデリケートな問題なので、なかなか人に話せないでいる人もいるでしょう。
でも、オーバードーズを止めたい気持ちがあるのであれば、一番信頼できる人に相談してみてください。家族でも友人でも、恋人でも良いです。重要なのは「心から信頼できる相手」に話すということです。
それで、家族が薬の管理をしてくれるようになるかもしれないし、オーバードーズが出来ない環境を作ってくれるかもしれません。
筆者は大きな事故を起こして多量のオーバードーズは卒業しました。が、その後もプチオーバードーズを止めれませんでした。止めたい気持ちがあったので、恋人にそのことを打ち明けました。
すると恋人は、オーバードーズをしていることを責めることなく、「薬を今すぐ止めろなんて言わない、少しずつ減らしていこう。オーバードーズをしたくなったら連絡して、会いに行くよ」と言ってくれました。
そうやって薬と向き合う時間が減っていき、完全にオーバードーズを止めることが出来ました。
オーバードーズの情報掲示板を見ない
これは筆者の意見です。筆者はまだ軽いオーバードーズをしている時、オーバードーズをしている人たちが集まるネット上の掲示板を見てしまったのです。
そこには「今からオーバードーズしてくる!」とか「〇錠飲んで意識が〇日なくて、死にかけた」とか「この薬は気分が上がるからおすすめ」というような情報で溢れています。
死なずに、気分が良くなる市販薬や副作用の出にくい薬の情報なども飛び交っています。死なない薬の量などを見て、「もっと薬飲んでも大丈夫なんだ…」と思ってしまった筆者は、それから薬の量や種類が増えることに。
もしオーバードーズをしている人がいれば、ネットの掲示板は見ないでください。もっともっとオーバードーズに足を踏み込んでしまうことになりますよ。
睡眠をとること
これも筆者の個人的な意見なんですが、辛いことがある→眠れない→思考が止まらない→辛くなる→オーバードーズをするという流れでオーバードーズを繰り返してしまう場合が多いのではないでしょうか?
思い返してみると、筆者もオーバードーズをしている時期は不眠が続いていました。ちゃんと夜眠れていたら嫌なことを考えることもなく朝を迎えていたのでは…?
夜は布団にスマホを持ち込まないようにしたり、眠れなくても目をつぶってみたり、もし不眠で薬を処方されていたら決められた量の睡眠薬を飲んでみましょう。
参考記事⇒眠りたいのに眠れない…その原因は?誰でも熟睡できる8つの不眠対策
オーバードーズと少しずつ距離を置こう
オーバードーズの後遺症について、いかがでしたか?辛い気持ちから逃げることが出来るオーバードーズですが、それは脳や体に大きな後遺症を残してしまいます。
また、オーバードーズをして事故を起こしたり病院に運ばれると、自分だけではなく周りにも大きな迷惑をかけてしまうことになるのです。
オーバードーズは、なかなか抜け出すのが難しい問題です。ですが、何かをきっかけに止めることもできるものです。今すぐに止めろなんて言いません、少しずつ、1錠減らすことからでも良いのでオーバードーズから距離を取ってみてくださいね。
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